■ プレミアリーグのWESTの第5節「高校年代の真の日本一を決める大会」であるプレミアリーグのWESTの第5節。2勝1敗の名古屋グランパスU-18はホームのトヨタスポーツセンター・第2グラウンド(天然芝)で静岡学園高と対戦した。昇格1年目の静岡学園高は4試合を終えて3勝1分け。首位に立っている。名古屋U-18は開幕2連勝の後、3節の磐田U-18戦は3対4で競り負けた。名古屋U-18は鹿島や広島でプレーした古賀聡監督がチームを指揮している。
ホームの名古屋U-18は「4-2-2-2」。GK北橋将治。DF小嶋健聖、長田涼平、大田湊真、西凜誓。MF宇水聖凌、野田愛斗、牧嶋波亜斗、鈴木陽人。FW遠山湧斗、神谷悠介。左SHでプレーする2年生のMF鈴木陽は年代別代表の常連。2022年にU-17日本代表に選ばれている。190センチの大型キーパーのGKピサノ・アレクサンドレ幸冬堀尾はベンチスタート。こちらも2022年にU-16日本代表に選ばれている。
対するアウェイの静岡学園高は「4-2-3-1」。GK中村圭佑。DF永田拓夢、森下蒼大、行徳瑛、鈴木新。MF白井柚希、保竹駿斗、高橋隆大、寺裏剣、近藤安元。FW栗原耕平。4試合で1ゴールを挙げている2年生のFW神田奏はベンチスタート。2021年にU-16日本代表に選ばれている。左SHでプレーする機会が多かったMF寺裏がトップ下でスタメン出場。ここまでの4試合で4ゴール。攻撃陣を牽引している。
■ 注目の上位対決を制したのは名古屋U-18注目の上位対決だったが前半12分に静岡学園高が右サイドでFKを獲得すると10番のMF高橋隆が蹴ったボールに対して左SBのDF鈴木新が合わせたが枠を捉えることは出来なかった。試合を優位に進めた名古屋U-18は前半26分に右SBのDF小嶋が右足で高精度のクロスを入れると3年生のFW遠山が合わせて名古屋U-18が先制に成功する。FW遠山は今シーズン初ゴールとなった。前半は1対0で折り返した。
迎えた後半9分に右サイドに流れたFW神谷がゴール前に鋭いクロスを入れると相手のハンドを誘ってPKを獲得。これを左SBのDF西凜誓が決めて大きな追加点を奪った。DF西凜誓は今シーズン2ゴール目となった。さらに後半30分にはカウンター。左SHのMF鈴木陽のパスを受けたボランチのMF宇水が決めて3点目のゴールを奪った。MF宇水はボランチながらチーム最多の今シーズン3ゴール目となった。
3点を追う静岡学園高は終盤になると立て続けにシュートチャンスを作った。後半47分にMF寺裏のドリブルが相手のファールを誘ってPKを獲得。MF寺裏が自ら決めて1点を返したが焼け石に水だった。3対1で勝利した名古屋U-18は今シーズン3勝目。3勝1敗となった。敗れた静岡学園高は今シーズン初黒星。3勝1敗1分けとなった。5節が終了したプレミアリーグWESTは4勝1敗の鳥栖が暫定ながら首位に浮上した。
■ ロス五輪代表の有力候補に挙げられる。プレミアリーグWESTはコロナの影響で延期になる試合が多くなっている。名古屋U-18は4節の履正社戦が延期になって6節の大津戦も延期になった。特に高体連のチームで何人かの感染者が出てしまうと試合を延期せざる得なくなるが上位対決を制した名古屋U-18は暫定5位となった。ただ、C大阪U-18や磐田U-18とは同じ3勝1敗の成績。首位の鳥栖U-18との差はわずかなので上位争いの中心の1つになっている。
名古屋U-18はここ数年で一気に全国屈指の強豪になった。今年もWESTの「優勝候補の一角」に挙げられるが2021年の主力だったMF甲田、MF豊田晃、MF吉田温が抜けたので「昨シーズンと比べるとタレント力では劣る。」というのが一般的な評価になる。トップ昇格を果たした3人の穴をどう埋めるのか?が焦点になるがこの日は完勝。終盤に1点を返されたが4点差や5点差で勝利してもおかしくない内容だった。
川崎U-18やC大阪U-18など風間監督が携わった(携わっている)チームは特徴的なパスサッカーを展開しているが名古屋U-18のサッカーは川崎U-18やC大阪U-18とは大きく異なる。「インテンシティの高いサッカー」である。「90分を通して前からプレスをかけて奪ったボールを素早く前に進めて人数をかけたカウンターからチャンスを作る。」というスタイルになる。カウンターアタックは名古屋U-18の武器となる。
年代別代表に呼ばれている選手も何人かいるが左SHのMF鈴木陽は2005年生まれ。「2028年のロス五輪を目指すロス世代の有力候補」に挙げられる。スピードとテクニックを生かしてサイドからチャンスを演出することが出来る。164センチなのでサイズに恵まれた選手ではないが精力的な動きでたくさんのチャンスを生み出すことが出来る。この日は3点目のゴールをアシストしたがパスを出した選択は良かった。
■ 5試合で5ゴール。得点力の高いMF寺裏。静岡学園高は5試合目にして初黒星を喫した。3勝1敗1分けとなって2位に転落したが名古屋U-18の激しいプレーに面食らったのか、思うようなサッカーは出来なかった。この日は2年生のFW神田奏がベンチスタート。攻撃の中心であるドリブラーのMF寺裏を(左SHではなくて)トップ下で起用したが持ち味を出せず。前半の途中でポジションチェンジをしてMF寺裏は本来のポジションである左SHに戻ることになった。
攻撃的な良さを出せないもどかしい展開になったがそれでも最後の最後にMF寺裏が自らのドリブルでPKを獲得。確実に決めて1点を返した。これで5試合で5ゴール目。WESTの得点ランキングは8ゴールのFW木下慎之輔(C大阪U-18)が独走態勢に入っているがFW斉藤柚(清水ユース)、MF寺裏(静岡学園高)、FW伊藤猛(磐田U-18)という静岡県内でプレーする3人が5ゴールを挙げて2位タイで並ぶ形になっている。
静岡学園高というと10番のMF高橋隆、185センチの大型CBのDF行徳が注目を集めている。「プロ注目のタレント」と言えるがここまではMF寺裏が目立っている。こちらも166センチなのでサイズに恵まれた選手ではないがテクニックがあって得点力も高い。静岡学園高は次の6節はG大阪ユース、その次の7節はC大阪U-18との対戦になる。ここまで昇格1年目でサプライズを起こしているが大事な2試合になるだろう。
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