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【J1】全18クラブオフの補強の最終評価 (清水エスパルス/ジュビロ磐田) (2021年-2022年) | | |　

※ 2022年1月13日(木)の夜の時点での評価。

清水エスパルス　・・・　B+

→　昨オフはGK権田、DF鈴木義、FWディサロ・燦・シルヴァーノ、DF原輝綺、DF片山奨、FWチアゴ・サンタナなどを獲得。超・大型補強を敢行した。昨夏もMF松岡大、MFベンジャミン・コロリ、FW藤本憲、MFホナウドを獲得した。多額の資金を使ったがまたも残留争いに巻き込まれた。期待を裏切るシーズンになったが今オフの補強もまずまず。戦力アップに成功してまずは2018年以来の1桁順位を狙いたい。

昨オフや昨夏と比べると移籍市場での存在感は段違いに希薄だった。inの情報もoutの情報も極めて少なかったがクラブの持つ資金力には限りがあるので仕方がない。一定以上の出場時間を得ていた選手の中ではDF奥井(→長崎)、MF河井(→岡山)、DFエウシーニョ(→未定)、MF中村慶(→柏)が抜けたがいずれの選手もプレー時間は1,000分前後。代わりになれる選手はいるので大きな問題にはならないだろう。

他にはFW藤本憲(→神戸)がレンタルバックとなったが同じく大きな問題は生じないだろう。むしろ、加入1年目は24試合で1ゴールに終わったFWディサロ・燦・シルヴァーノ、即戦力ルーキーと評判のFW加藤拓(早稲田大)、トップ昇格を果たしたFW千葉(清水ユース)などにチャンスが回ってくる可能性は高まったのでポジティブに考えたい。年代別代表の常連のFW千葉は世代屈指のストライカーと評価されている。

新卒の選手以外で加入が決まったのはDF岸本(徳島)、MF白崎(鳥栖)、MF神谷優(柏)の3人になる。外国人選手の獲得の噂は定期的に流れるが今オフはDFエウシーニョの契約満了が決まっただけ。昨夏に獲得したMFベンジャミン・コロリとMFホナウドはMF白崎やMF神谷優あたりの加入によって余剰戦力になる可能性もあるが契約期間はまだ残っているはず。買い手を見つけるのは簡単なことではない。

「補強の目玉」と言えるのは右SBのDF岸本(徳島)になる。C大阪U-18やC大阪U-23のときはフォワードとして活躍したが徳島で右SHにコンバートされてさらには右SB/WBでもプレーするようになった。2021年はほぼ右SBだったがJ1で5ゴールを挙げるなど得点力が高い。元フォワードなので守備が得意とは言えないがスピードがあって身体能力は高い。クロスの精度も向上しているので代表入りを狙える選手になった。

サポーターにとって嬉しいのは元・10番のMF白崎の復帰だろう。途中で富山にレンタルされた時期もあるが2012年に高卒で清水に加入して2018年までプレーした。ボランチも経験して幅の広い選手になったが4年ぶりの復帰となる。今回は18番を背負うことになった。ボランチも2列目もある程度は駒が揃っているので定位置は約束されていないがサイズがあって多彩な選手なので貴重な戦力になる可能性は高い。

ジュビロ磐田　・・・　B-

→　J2を制覇して2019年以来のJ1復帰を果たしたが浮き沈みの激しいオフになった。ストーブリーグで最初に飛び込んできた大きなニュースは「FWルキアンの福岡への移籍が決定的！」という話だった。にわかには信じられないニュースだったが12月17日(金)という早い段階で福岡への完全移籍が確定した。J2で得点王に輝いた大エースの流出はショッキングだったが、その後、うまく戦力を整えることに成功した。

当然のことながら、FWルキアンが抜けた穴は大きい。FW小川航(→横浜FC)も完全移籍でチームを離れたのでCF系の選手は新加入のFW杉本健(横浜FM)と来年2年目となるFWファビアン・ゴンザレスの2人のみ。コロンビア出身のFWファビアン・ゴンザレスは2021年は19試合で1ゴールのみ。FWルキアンがほぼフル稼働したので183分の出場時間のみ。長身のFW杉本健もここ4年間はいずれも結果を出せていない。

フォワード登録の選手はFWジャーメイン良(横浜FC)も獲得したが1トップ向きではない。FWヴィニシウス・アラウージョ(山形)を獲得できると大きいが年末に「磐田が獲得を狙っている。」という情報が流れた後、続報は流れていない。新シーズンの山形のメンバー表に名前は無かったので山形を退団する可能性はあるが狙っているクラブは少なくないはず。磐田への移籍話は立ち消えになったた可能性の方が高い。

CFに不安を抱えているが新卒の選手以外ではMF黒川(大宮)、DF袴田(横浜FC)、MFドゥドゥ(ヴィラ・ノヴァFC)、DFリカルド・グラッサ(ヴァスコ・ダ・ガマ)の獲得に成功した。期待の大型フォワードだったFW小川航が伸び悩んで横浜FCに完全移籍したのはいろいろな意味でダメージは大きいが短期的な視点での戦力的な損失は残念ながらそこまで大きくない。まんべんなく各ポジションに実力者を獲得した。

2021年の磐田の平均年齢は30歳を超えており、Jリーグの全57クラブの中で最も平均年齢の高いチームだった。高齢化問題は深刻で「1995年生まれのDF伊藤槙やDF山本義がスタメンの中で最も若い。」という試合も珍しくなかった。危機的な状況だったが2人のブラジル人を含めて24歳前後の主力候補をたくさん獲得できたのでクラブの未来も明るくなった。大宮のエースだったMF黒川を獲得できたのは大きい。

まとめると「FWルキアンが流出するなどストーブリーグの序盤で大きく躓いたものの、その後はうまく話を進めてリカバーに成功した。」と言える。甲府の伊藤彰監督の就任も発表されたが2021年のJ2で結果を残したベテランと新たに加入した24歳前後の主力候補がうまく融合するようだと昇格1年目から面白いシーズンになるだろう。2人の新外国人がいつ来日できるのか？は目下の注目点に挙げられる。

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