トルコ・ストリーム・パイプライン妨害の為“過激なバルカン化”に頼る欧米とソロス
Wayne MADSEN
2015年4月25日 | 00:00
Strategic Culture Foundation
少なくとも、あと一年半は権力の座にいられることが分かっているオバマ政権の介入主義者連中は、ロシアの天然ガスを、トルコ経由で、ギリシャ、マケドニア、セルビア、ハンガリーに送るロシアの“トルコ・ストリーム”パイプラインに対するバリケードを急ごしらえする為、民族を利用した過激なバルカン化に訴えることに決めたのだ。オバマ政権は、もう一つの“カラー革命”の醸成を開始した。今回はマケドニアで。
オバマ/ジョージ・ソロス介入主義者の戦略は、野党指導部を含む約20,000人のマケドニア人の膨大な盗聴に関与したという事実無根の容疑で、ニコラ・グルエフスキ首相のマケドニア政権を葬ることだ。マケドニア国民の傍受された通信の書き起こしの源は、マケドニア諜報機関元長官ゾラン・ベルシェフスキーからのものだとされており、盗聴の収集で、イギリス、ドイツやアメリカ諜報機関にいる友人達の支援を受けた可能性がある。傍受は、ソロス・ネットワークとアメリカのお気に入り、野党社会民主同盟の指導者ゾラン・ザエフが、野党を盗聴したとして、グルエフスキを叩くのに利用されている。どういうわけか、ザエフは盗聴のコピーを手にいれ、それを政府攻撃に用いたというわけだ。
20,000人の対象とされた個人というのは傍受通信としてはあまりに膨大で、マケドニア諜報機関の力量を越えるように見えるが、そのような課題は、国家安全保障局 (NSA) や、FIVE EYES同盟国にとっては朝飯前だ。ドイツ“Bundesnachrictendienst”(連邦情報局)は、アメリカ国家安全保障局(NSA)になり代わって、800,000人のヨーロッパの市民を盗聴することに同意したという、ドイツの有名な報告が、20,000人のマケドニア人が、NSAとBNDの標的とされ、音声通信の録音が、ザエフやスコピエにいるその仲間に提供されている可能性があるとされるものは、アメリカとドイツの盗聴者達なら楽々こなせることを示している。NSAは、BNDに、膨大な数の“セレクター”つまり、何十万人ものヨーロッパ政治家、財界首脳、エンジニア他に対する、電子メール・アドレス、インターネット・プロトコル(IP)アドレス、携帯電話番号や、様々な他の識別データを送っている。PRISM、PRINTAURAや、UPSTREAMを含むNSAシステムが、NSAや同盟諸国の信号情報アナリストにとって興味ある特定の通信を“選ぶ”のに利用されているのだ。
NSA“セレクター”に基づくマケドニア人の電話会話と電子メール・コレクションは、ドイツ、プラッハのBNDと、メリーランド州フォート・ミードのNSAによって、容易に20,000件の盗聴を蓄えることが可能だ。もしNSA傍聴通信が、秘密情報を除いた形で、ザエフやその支持者達に提供されていれば、アメリカ諜報機関による新戦術ということになる。メタ・データを提供して、現職政権を恐喝するのだ。
アメリカとソロスのバルカン不安定化作戦で、脆弱なコソボ-アルバニア国境沿いに、アルバニア人民族主義者の領土回復主義が盛り上がり、ゴシンツェにあるマケドニア警察国境哨所を、非合法なコソボ解放軍(KLA)記章をつけた40人の武装集団が最近攻撃する事件が起きた。この行為は、コソボ外務大臣ハシム・サチ、KLA元指導者、もし彼が、ベオグラードを訪問して、“NGO青年教育委員会”主催の、ジョージ・ソロスが資金提供するNGO会議に出席すれば、1997年のテロに対する有罪判決で逮捕するというセルビア当局による脅しに盾突いたのと同時に起きた。欧米の圧力にもかかわらず、盛り上がるセルビア-マケドニア協力に対抗することを狙った4月24日の会議は、案の定、“ヨーロッパの西バルカン統合 - 協力すればもっと良くなる”という題名だった。サチに加えて、セルビア、マケドニアと、ボスニア-ヘルツェゴビナ外務大臣も、会議に出席するよう招待された。ベオグラード招待がそれを引き起こすことを狙っていたコソボ外務大臣逮捕は、トルコ・ストリーム・パイプラインのみならず、マケドニアとセルビア経由で、ギリシャの港ピレウスを、ブダペストと結ぶシルク・ロード・プロジェクトで、中国が資金提供するバルカン鉄道部分の極めて重要なパートナーであるセルビアと、NATO/EUとのもう一つの対立をお膳立てしかねなかった。“NGO青年教育委員会”は、サチ招待を撤回する際、セルビア政府からの“圧力と脅し”を理由としてあげた。この集団は、サチのテロ有罪判決については一言も触れていない。
復活したKLAによるマケドニア国境哨所攻撃で、アルバニア人侵入者がコソボに戻るまで、マケドニア警察官が短期間人質として取られたが、最大のコソボのキャンプ・ ボンドスチール軍事基地を運用するコソボの軍事的保護者NATOがそれを知ることなしに、実行するのは不可能だったろう。2001年、KLA部隊がマケドニアのアルバニア民族主義者と組んで、マケドニアの町アラチノボで、マケドニア軍と戦った際、アメリカ民間軍事会社ミリタリー・プロフェッショナル社(MPRI)の部隊は、両軍に関与していた。オフリド枠組合意で、コソボとボスニアを破壊した紛争が、全般的には平和なマケドニア国内に溢れ出るのを防ぐための取り組みとして、マケドニアは、アルバニア人住民に寛大な自治権を認めた。アルバニア人コミュニティー内部での紛争を醸成するというソロス・ネットワークの取り組みが、アリ・アフメティが率いるアルバニア人政党、民主統合連合党(DUI)を、グルエフスキが主導する6年になるVMRO-DPMNE(内部マケドニア革命組織・マケドニア国家統一民主党)が率いる連合政府から引き離そうという企みなのは明白だ。
駐マケドニア・アメリカ大使ジェス・ベイリーは、社会民主同盟党党首、元大統領のブランコ・ツルヴェンコフスキが呼びかけた小反乱を公的に支援し、スコピエで、波風を立てた。このサラエボ生まれのボスニア人は、マケドニア人青年や大学生に、民主的に選出されたグルエフスキ政権に対して、カラー革命を行うため、スコピエ街頭に出るよう先頭に立って呼びかけていた。どこかで見たような気がすると思われたならば、それもそのはずだ。最終的に民主的に選出されたウクライナ大統領ヴィクトル・ヤヌコーヴィチを権力の座から追い出し、後にウクライナ内戦を引き起こすことになったユーロマイダン抗議運動を、2013年末と2014年始めに組織することをウクライナ反政府派指導部と共謀した、彼のボス、欧州・ユーラシア担当国務次官補省ビクトリア・ヌーランドと、在キエフ・アメリカ大使ジェフリー・パイアットが共に動いていたのだ。
マケドニアで同様のカラー革命を起こしたいという反政府派の願望を煽って、ベイリーは、アルバニア人民族主義者を利用し、問題を醸成して火遊びをしている。その様な組み合わせは、キエフと東ウクライナのロシア系住民との間のものに匹敵する激しい内戦を始めることになるだろう。マケドニアとセルビア・スラブ人を、マケドニア、コソボや、セルビアのサンジャク地域やプレシェヴォ渓谷のアルバニア人と戦わせれば、バルカン半島に、もう一つの激しい戦争をもたらすのみならず、バルカン半島諸国経由のトルコ・ストリーム・パイプラインと、ギリシャから、ブダペストへの中国が資金提供する鉄道リンクの終焉を告げることになろう。バルカン半島諸国は、アメリカ合州国と欧州連合による完全支配の下、最前線のNATO交戦地帯のままでいる。二人のアルバニア人政指導者、エディ・ラマ首相と、元首相サリ・ベリシャ、アルバニア、マケドニア、モンテネグロ、セルビアと、ギリシャの一部で構成される“大アルバニア”に賛成名あることをはっきり述べた。バルカンに対するメッセージは明らかだ。もしも、トルコ・ストリーム・パイプライン計画と、中国鉄道プロジェクトを受けいれ続ければ、アルバニア人が立ち上がり、半島を巡るNATOとEUの支配を守るため内戦に訴えるのだ。アルバニア人が、アドルフ・ヒトラーの第三帝国に支援を提供する上で、最も忠実なバルカン人だったことは留意すべきだ。
通信傍受の源であるとして、ベルシェフスキーが逮捕され、ザエフが、マケドニアに逃亡しようとして、パスポートを持ったまま逮捕された後、ソロスの資金提供を受けたカラー革命チームは、この国に多く、人口の三分の一を占める、アルバニア人少数派で、問題を醸成するよう戦略を切り換えた。現在、マケドニアは、新たな民族紛争の瀬戸際にあり、ヌーランドと彼女のネオコン戦争挑発者の一団は、バルカン半島諸国での新たな戦死者勘定の始まりを心待ちにしているのだ。
記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/04/25/west-and-soros-rely-extreme-balkanization-prevent-turkish-stream-pipeline.html
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宗主国、世界最大のテロ支援国家。この国、それを支援する世界最大属国。
大本営広報部、TPP推進と集団侵略戦争支援の売国演説の為、宗主国にでかけることについては報じない。
猟奇的な殺人事件報道は、しつこく繰り返す。
あるいはドローン事件。まるでボストン・マラソン爆発事件日本版のよう。
そして、鉄道事故十周年報道。
ほとんどの日本国民をとんでもない目にあわせる支配層陰謀は見えないふり。
ハンサムや美女、ロボットのように本当に重要なことには絶対に触れず、国民が忘れるよう洗脳してくださる大本営広報、大政翼賛会報道をしてくださるのを怪訝な思いで横目で眺めている。音声はもちろん消して。
洗脳の中、明日は痴呆選挙。
日刊ゲンダイに、山田元農相の記事がある
反対派の山田元農相が暴露した「TPPは日米合意済み」の“中身”
TPP交渉差止・意見訴訟の会
TPPに関しては、様々な記事を翻訳している。大本営広報部・大政翼賛会ではないので。
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