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2024年7月11日 (木)

ウクライナ軍に「騙されて徴兵される」:酷い状況を最大限に活用する!

2024年3月7日
セス・フェリス
New Eastern Outlook


 本記事の題名を決めるのは難しかったが「酷い状況を最大限に活用する:ウクライナ軍の砲弾の餌食募集」は、適切な兵器の不足や、蔓延する汚職や、訓練不十分な兵士や、言論の自由の欠如や、ロシアとの紛争には勝てる見込みがないという明らかな認識等、常に続く問題にもかかわらず、現在ウクライナが直面している最も重大な問題をほぼ網羅している。


 率直に言えば、悪名高い一種の心理的駆け引きにより、急速に衰退しつつある欧米諸国の覇権に何らかの意味で勝利があるにせよ、ロシアが設定した諸条件があるために、2014年以前の国境にウクライナを戻すことを意味するものではありえないはずだ。


 また欧米諸国の固い団結、例えば、何があろうとも、どれだけ時間がかかろうとも、ウクライナを無条件に支援するという決意は、莫大な費用や欧米諸国の兵器製造能力の萎縮状態に直面して、実に限界状態なことが明らかになりつつある。


 既に最近の欧州選挙の結果からわかる通り、この政策は失敗し、更に、右派へ、反戦へと国民は動いており、これは当初から決意が欠如していたことを反映している可能性が高い。それは「最初から」明らかだったはずだ。旧ヨーロッパが現在直面している実際の状況はロシアとどこで、どう戦うかというチャーチル教義に似た政治言説に発展している。


 「我々は海岸で戦う」というのは、1940年6月4日イギリス議会下院でにチャーチル首相が行った演説だ。


 「ウクライナに栄光あれ!」のために、やる気満々の国民を騙せた国が、今や兵卒人材危機に直面しているのは皮肉だ。なかには、いわゆる肉挽き機に砲弾の餌として投入し続ける人材が依然足りないと主張する者さえいるのだ。既に新兵のレベルは著しく低下しており、NEOで既に論じた通り、残された人材をやむなく使う状態にあるのは確実だ。

 

 兵士の人数と質に関する明白な事実を欧米の新聞ワシントン・ポストでさえ認めており、ウクライナでの基礎訓練は基礎をほとんど網羅しておらず「新徴兵法下で不十分な訓練を受けた新兵の到着、いかに備えるかだ」と指揮官は述べている。


 これは、徴兵センターが志願兵で溢れかえった初期の愛国心の高まりとは比較にならない。[特別軍事作戦]が三年目を迎えて、志願兵入隊の熱意は著しく衰えており(「ブーブー豚の大反撃」とロシア兵に揶揄された)ウクライナ軍による2023年の悲惨な反撃によって状況は悪化している。


 ウクライナ兵の平均年齢は現在40歳を超えており、可能な新兵候補供給源が急速に縮小しているのは明らかだ。明らかな理由で、収穫逓減の限界を超えている。


 うわべだけ何とかきれいに飾るため、この悲惨な状況を利点として欧米評論家連中は強調しようとしている。これは元イギリス軍将校で防衛評論家のニコラス・ドラモンドがソーシャル・メディアXでした一種精神病質的な発言からもわかる。


 ウクライナ兵士の平均年齢は43歳。結構。老人はすぐには逃げられないので、現場に留まり、死ぬまで戦い、コーヒーを一杯淹れる。


 欧米にとって、命は安い


 戦意は消えつつあり、動員されて前線に送られるのは片道旅行だと多くの人が理解している。多くの脱走兵がルーマニア国境を越えて逃げており、ロシア特別作戦前に出国していた脱走兵はウクライナには戻らない。国境を越えるのは危険で、時に命を落とすこともある亡命の旅だが、毎月何百人もの人が国境を越え続けている。


 現在、脱出を食い止めるため、いくつかの地域にウクライナ国境警備隊が地雷を敷設しているが、これはハリコフ近郊のロシア国境地域では唯一できなかったことだとも言える。ロシアが阻止しかねない場所に地雷を敷設するよりも、同胞を殺すための地雷を平和な国境に敷設する方が安全だ。


 昨年「ウクライナで徴兵制度を施行するのは困難で、当局は汚職を大問題として認識している」とBBCは報じた。ウクライナ西部の信頼できる情報筋が、軍隊に入隊せずに済むため支払う「月謝」の存在を語ったとも主張している。


 それも当然のことだ!


 一体なぜ18歳から60歳までのウクライナ人男性が、選挙で選ばれてもいない大統領に仕える、もはや勝利の見込みがない軍隊の一員にならなければならないのだろう? どれほど状況が悲惨かは欧米政策立案者が最初から知っておくべきことだった! しかし依然、更なる資金や兵器が最終勝利をもたらすと連中は主張しているが、問題は補充兵力だ。適切に使う兵士がいないのに、装備や兵器を供給して一体何の意味があるだろう?


 既に最も愛国的な人々の多くは降伏するか、あるいはとっくの昔に死亡している。特にNATOの訓練を受けた突撃部隊の第一線にいた人々はそうだ。主に西側、特にヨーロッパに逃げたため、徴兵年齢の人数は減少している。人数が余り多いため、神と祖国への義務を果たさせるべく、彼らを強制帰国させることをドイツやポーランドなどの国々が検討している。しかし、受け入れ国からウクライナに強制送還され、勝ち目のない戦いで死ぬのを彼らは恐れている。


 在外ウクライナ人に、今やロシアが市民権を与え、ウクライナに強制送還されて、とどまるところを知らない動員で肉挽き機に送り込まれるの避けられるようにしているのは興味深い。特に外部から押し付けられた骨肉の闘いなのが明らかな戦争で、多くのウクライナ人男性が戦いたくないのには実に多くの理由がある。ルーマニア人やハンガリー人など様々な少数民族の人々は、意図的な計画で自分たちは使い捨てにされていると感じており、特に大変だ。


 徴兵を逃れるためウクライナを出国した人々もいる。武器を放棄する前に前線で兵役に就く者もいる。「今起きていることは全て狂っている。我々が話し合っていたことと全くそっくりだ。今やウクライナでは、言論の自由や反対意見は危険だ」


 今、同じことがアメリカや西ヨーロッパでも起きており、検閲と発言への恐怖が広がっている。これは全て策略で、自分たちに自由はなく、肉挽き機の[砲弾の餌食]として利用されているだけだとウクライナ人は気づき始めている。多くの人々も、これを理解していると私は思うが、公然とは発言できない。もっとお話ししよう。既に前線の兵士さえ、それを認識している。


 強制徴募隊だけでは不十分


 難民や、この代理戦争に関わりたくない人も含め、多くのウクライナ人は、命と資源の無駄遣い、つまり不必要な戦争と思われるもので同胞と戦うよう強いられるよりも、ロシアや他の旧ソ連諸国に逃れる道を見いだしたのだ。


 これにより、新兵の供給源は更に限定され、戦う意志がなく、自分の意志に反して従軍を強いられる兵士は自分自身と部隊にとって脅威になる。そのために、おそらくウクライナと欧米諸国は、国際傭兵が穴埋めに役立つと理解している。だが前線が延びて薄くなり、弱点に移動できる兵士が益々少なくなれば、状況はすぐ一層絶望的になるだろう。特に戦場で習得したロシアの戦力と戦術的、戦略的能力が益々増大する中でなおさらだ。


 確かに、論理的に考えれば、ウクライナと欧米諸国はプライドを捨てて、ロシアと向き合い、正直に話し合うべき頃合いだ。残念ながら、そのような論理は、政治指導者連中がカジノ賭博中毒者のように振る舞い「もう一回賭ければ大もうけできる!」と言いながら、家を失い、家族を貧困に陥れている欧米諸国の首都には、ほとんど、あるいは全く存在しないようだ。


 十分な新兵を募集するのにウクライナが益々苦労している理由や徴兵資格がある多くの人々が戦闘を望まない理由は容易に理解できる。誰も他人の利益のためになど戦いたくない。この肉挽き機の狙いは、ウクライナの利益ではなく、欧米の利益のためなのだから!


 セス・フェリスは中東情勢専門家、調査ジャーナリスト、政治学者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。


記事原文のurl:https://journal-neo.su/2024/07/03/getting-shanghaied-into-the-ukrainian-arm-making-the-best-of-a-bad-situation/

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コメント

$%!様

> しかしながら、特定少数の財閥によって支配されるマスコミが、国民の代表な訳はないのです。
> 既成政党などではなく、「既成マスコミ」こそ、一般市民の敵です。

その点、小生は意見が違い
『既成政党と「既成マスコミ」』は同じ穴の緑のタヌキだと思います。

 日本の場合、テレビが放送するような選挙になると、マスコミは、既成政党はダメダメで無党派層こそ正義みたいなインチキ放送をしきりにします。
 マスコミが宣伝する無党派候補は、ほとんどの場合、「既成マスコミ」(テレビ、SNS等)の大々的な支援を受けています。
 だからこそ、地盤も看板もないのに、突然、有力候補になれるのです。
 しかしながら、特定少数の財閥によって支配されるマスコミが、国民の代表な訳はないのです。
 既成政党などではなく、「既成マスコミ」こそ、一般市民の敵です。

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