キリロフ殺害首謀者を思わず漏らすイギリス・メディアの喜びよう
フィニアン・カニンガム
2024年12月19日
Strategic Culture Foundation
モスクワでのロシア高官暗殺を巡るイギリス報道機関の騒ぎは、いくつかの点で示唆に富んでいる。
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モスクワでのロシア高官暗殺を巡るイギリス報道機関の騒ぎは、いくつかの点で示唆に富んでいる。
まず第一に、これは、いわゆるジャーナリズムのひどい実例だ。イーゴリ・キリロフ中将の血まみれの遺体が雪の中に横たわっているのを見て、イギリス・メディアが祝賀ムードを醸し出したことは、敬意の卑劣な欠如を物語っている。これはイギリス文化堕落の深さを物語っている。
それに比べると、アメリカ・メディアによる暗殺事件報道は比較的平凡で事実に基づくものだった。
イギリスはそうではなかった。イギリスメディアは、ほとんど陶酔的反応を示した。
国防総省の反応は示唆的だった。この殺害へのアメリカの関与をパトリック・ライダー報道官は否定した。アメリカは暗殺について事前に知らされていなかったと彼は述べ、アメリカはこのような行動を支持しないと付け加えた。
もちろん、そのような否定は常に懐疑的に扱われるべきだ。
だが、アメリカ人が控えめな態度を貫く良識を持っていたのに対し、イギリス人はその残忍さに浮かれていた。
ロンドン・タイムズ編集委員会はキリロフ中将は暗殺の「正当な標的」だと宣言した。
デイリー・テレグラフ紙は、ハミッシュ・デ・ブレトン=ゴードンによる論説記事を掲載し「プーチンの化学兵器担当の手下キリロフは本当に邪悪な男だった。死刑に値した」という見出しをつけた。
一方、BBCはキリロフを「クレムリン偽情報の悪名高い代弁者」と評した外務省説明を軽々しく利用し、暗黙のうちに殺人を正当化した。
ガーディアン紙は、報道基準をすっかり、かなぐり捨てて、ロシア嫌いの記者ルーク・ハーディングが、ウクライナ軍情報局(SBU)の「成功」を称賛し、こう付け加えた。「SBUは、独自の残忍な超法規的処刑を執行する組織としての評判を固めた。まるで天から降ってきたかのような突然で素早い復讐だ。」
ウクライナ諜報機関が関与していたのは確実だ。SBUは犯行声明を出し、モスクワのアパートの外で起きた爆破事件の映像を欧米メディアに配信している。この爆破事件で、火曜日朝、キリロフと補佐官がアパートから出てきたところを殺害された。
ウクライナ工作員に雇われて、キリロフのアパートの通り側入り口に爆発物を搭載したスクーターを仕掛けたとされる29歳のウズベキスタン人をロシア保安局(FSB)が逮捕したと報じられている。10万ドルの支払いとヨーロッパ・パスポートを約束されたと容疑者は言っている。
これら全てが暗殺にNATO軍事情報機関が深く関与していることを示している。アメリカのCIAとイギリスのMI6はウクライナ軍事情報機関の背後にいる二大主要機関だ。
だが状況は、イギリスが主犯であることを示している。
10月、ウクライナの戦場で化学兵器の使用を監督したとしてキリロフを非難した後、イギリスは彼に制裁を課した。モスクワはこれを激しく否定した。イギリスは信頼できる証拠を示さずに陳腐な主張だけした。更に、ロシアが紛争で決定的に勝利していることを考えれば、この主張は意味をなさない。一体なぜ化学兵器使用に頼る必要があるだろう?
キリロフ中将はロシア軍の放射線・化学・生物防衛軍の司令官だった。部下の捜査官たちは、ペンタゴンが運営するウクライナにある生物兵器研究所の秘密かつ違法なネットワークを発見した。彼らの捜査により、生物兵器研究所がアメリカ大統領レベルで認可され、アメリカ大手製薬会社が関与している実質的証拠が得られた。典型的に、その情報を考慮せず、ロシアの主張を「クレムリン偽情報」だと欧米諸国は否定したのだ。
言い換えれば、キリロフの仕事は、イギリスが主張したように化学兵器使用を監視することではなく、NATOが運用する大量破壊兵器の阻止に主眼を置いていた。
三年前にウクライナ紛争が勃発して以来殺害されたロシア軍司令官として、キリロフは最高位の人物だ。
イギリスの狙いは、キリロフを「化学兵器の手先」で「邪悪な男」として悪者に仕立て上げることだった。その後、このロシア人将軍は「戦争犯罪者」だとウクライナ諜報機関が非難した。今週、暗殺前日に、死亡通知をウクライナは発表していた。
キリロフの生物兵器に関する捜査が、アメリカにとって不利な可能性があったこと、それにバイデン大統領が関与していたことを考えると、イギリスより、アメリカに、キリロフ排除の動機があったと主張するむきもあるかもしれない。
だが、おそらくそれは暗殺の動機ではなかった。単に心理作戦で、彼は注目度の高い標的だったにすぎない。
キーウ政権背後の主要諜報機関としての地位を、アメリカからイギリスが引き継いだという重要な見解をウクライナ野党政治家ヴィクトル・メドヴェドチュクは示している。ウクライナ傀儡大統領ウラジミール・ゼレンスキーと取り巻きを利用して、ロンドン銀行に流れ込むウクライナに送られるアメリカと欧州資金の多くをイギリスが洗浄していると彼は述べている。
ウクライナ紛争の終結とキーウ軍事政権への資金供給停止について、次期アメリカ大統領ドナルド・トランプが懸念を表明する中、イギリスはそうした取り組みを妨害したい考えだ。紛争と金銭授受をイギリスは長引かせたいのだ。
モスクワでのロシア高官暗殺は、クレムリンに屈辱を与え、四週間後に大統領に就任するトランプ大統領との和平交渉の可能性を台無しにする形での紛争激化誘発が狙いだ。
イーゴリ・キリロフとイリヤ・ポリカルポフ補佐官殺害をイギリス・メディアが大喜びしていることが悪意あるイギリスの行為を暴露している。
被害者が中傷され非難されただけでなく、殺害が美化された。致命的爆発直後にモスクワ市民が感じた「深い衝撃」の報道に特にBBCは強い関心を示した。
国営メディアは以下のように論評した。「深い衝撃を受けていると、この地域に住む人々はBBCに語った。ロシアのウクライナ全面侵攻から三年近く経った今でも、多くのモスクワっ子にとって、戦争は遠く離れた場所で起きていることで、テレビや携帯電話でしか見られない。モスクワでロシア人将軍が殺害されたことは、この戦争が現実で、非常に身近なものであることを示している。」
イーゴリ・キリロフ殺害に対して報復するとロシアは誓った。キーウのゼレンスキー大統領と取り巻き連中は確実に身構えている。ロンドンのイギリスの狼人間連中も安全保障体制を再確認した方が良いかもしれない。
ロシア治安機関のやり方も問われるべきだ。クレムリンから僅か数キロの場所に、どうしてこれほど容易に侵入できたのか。しかも、これが初めてではない。つい先週、上級ミサイル科学者ミハイル・シャツキーが、ウクライナ秘密機関によるものとされる攻撃でモスクワで射殺されたばかりだ。
だが復讐という点で、ロシアが甘すぎるかどうかも問われるべきだ。キーウ傀儡以上にテロ活動の黒幕も、イギリス人が好んで言う「正当な標的」とするべきだろうか?
記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2024/12/19/british-media-gloating-betrays-masterminds-behind-kirillov-killing/
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Daniel Davis / Deep Dive 諜報機関が吹き込むウソゆえ正しい大統領判断は困難
Col Doug Macgregor: Trump Up Against the Globalists in the Ukraine Russia War 15:47日刊IWJガイド
「第2次トランプ政権で、ウクライナ・ロシア担当特使となるキース・ケロッグ氏が、『今は停戦のパーフェクトなタイミング』と表明!」2024.12.23号
■はじめに~第2次トランプ政権で、ウクライナ・ロシア担当特使に指名されたキース・ケロッグ退役陸軍中将が、1月に欧州とキエフを歴訪予定! ケロッグ氏「今は、停戦のパーフェクトなタイミング」「ロシアとの消耗戦に入りたくない」! トランプ氏の大統領就任式にあわせて、米国は停戦への準備を進める!? ただし、ウクライナ支援から米国が抜けた後のNATOとEUによる「欧州平和維持軍」の派遣に関する協議は難航中! 日本、特に外務省は武器支援の権化のバイデン政権の追随をいいかげんやめて、「トランプ2.0停戦」に向けて方向転換する準備をすべきではないか!?
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