ガザ国連安保理決議に関するニューヨーク・タイムズ誤報
2024年3月26日
Moon of Alabama
ハマスがイスラエル人女性を強姦したという虚偽の主張で嘘つきの目撃者に頼ったまさに同じニューヨーク・タイムズが、昨日国連安全保障理事会を通過したガザ停戦決議についても嘘をついたのに誰も驚かない。
月曜日、ラマダンの残りの数週間、ガザ地区での即時停戦を求める決議を国連安全保障理事会は可決し、戦闘停止を求める三つの要求にアメリカが拒否権を行使した5カ月間の行き詰まりを打破した。
決議案は賛成14票、アメリカの棄権で可決されたが、アメリカ当局は、決議案がハマスを非難しなかったことを理由に棄権したと述べた。決議は停戦に加え、「全ての人質の即時かつ無条件解放」と「人道支援提供に対するあらゆる障壁」の撤廃も要求した。
国連安保理決議は、国際法上、法的拘束力がある文書だ。したがって彼らは非常に特殊な言語を使う。誰かに何かをするよう国連安保理が「calls for 要求する」場合、法的に「お願い」と頼むのと同じだ。それは実際の結果をもたらさない。
しかし、昨日、アメリカが棄権し、14対0の賛成多数で可決された国連安保理決議第2728号は、あれこれをするようイスラエルやハマスに「呼びかける」ものではない。
それは彼らにあることをするよう「要求して」いる。
安全保障理事会は
...
1 恒久的な持続可能な停戦につながるラマダン月間の即時停戦を要求し、また、全ての人質の即時かつ無条件の解放を要求し、また医療その他の人道的ニーズに対処するための人道的アクセスを保証するとともに、更に当事者に対し、拘禁している全ての者に関し国際法上の義務を遵守するよう要求する。2.ガザ地区全体における人道支援の流れを拡大し、文民の保護を強化する緊急の必要性を強調し、国際人道法並びに決議第2712号(2023年)及び第2720号(2023年)に沿って、大規模な人道支援の提供に対する全ての障壁を撤廃するよう要求することを改めて表明する。...
決議案可決直後、この決議には法的拘束力がないと、アメリカは虚偽の主張をした。
ハイディ・マシューズ @Heidi__Matthews - 2024年3月25日 22:45 UTC
アメリカは、安保理決議第2728号は拘束力がなく、それゆえイスラエルの政策やイスラエルの戦争継続の合法性に何の影響も及ぼさないと一方的に主張している。これはそれほど明白ではない。...🧵
...
国連安保理(賛成票を投じた14カ国)の意思をどう判断するか。条約法に関するウィーン条約に盛り込まれた条約解釈の原則に我々は目を向ける。「その目的と目的に照らして、文章の通常の意味」の理解に我々は努める。これは、だらだら議論になるかも知れない。しかし当面、決議の第一段落が「即時停戦を要求する」という勧告的文言を使用しているのに注意してほしい。「要求する」は、例えば「強調する」「呼びかける」「促す」などの言葉より、義務を強く意味するように見える。
最後に、本日の会合で発言した多くの国は、この決議を拘束力のあるものとして理解していると述べた。(全体像を知るには書き起こしに戻る必要があるが、いくつか、そのように指摘されている)。...
Verfassungsblog -この件に合法的に同意する:
結論として、この決議は、反対の声明にもかかわらず、法的拘束力があり、ラマダン期間中の即時停戦の法的拘束力のある要求と全ての人質の即時解放を求める法的拘束力のある要求になっている。
この部屋の中の明らかな象は、現在の状況で誰が安保理決議を執行するのかだ。最終的に、安保理要請に耳を傾けるのは紛争当事者で、その要請を執行するのは安保理自身にかかっている。過去数ヶ月の経験を考えると、これは熱意の原因ではない。しかし、安保理がこの問題で拒否権を五回行使した後、この文書に合意できた事実は、おそらく一縷の望みだ。
実際の決議で使われている「demand 要求」の代わりに「calls for 要求」という文言を使うことで、ニューヨーク・タイムズは、決議がもたらす義務について読者を欺いているのだ。
それに比べて、ワシントン・ポストは正しい言葉を使っている。
イスラム教の聖なるラマダン月における戦闘の停止と人質全員の解放をdemanding 要求する最新決議は、中国やロシアなど14カ国が支持した。アメリカは棄権し、可決を認めた。
言葉は正しいが、ワシントン・ポスト報道でさえ依然多少欺瞞的だ。アメリカとイスラエルは、停戦と人質解放という二つの問題を、一つの問題に、結びつけようとている。停戦は人質の解放にかかっているはずで、その逆もまた然りだ。
しかし、国連安保理決議は、これらの問題を二つの別の要求に明確に分離し、別要求として即時の食糧供与を加えた。
これは双方に停戦を要求しているのだ。双方が人質を解放するよう要求しているのだ。この二つの項目を結びつけてはいない。
記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2024/03/new-york-times-misreports-gaza-unsc-resolution.html#more
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怖い物見たさで大本営広報部の呆導番組を見た。「ロシアの兵器生産はもはや限界、欧米諸国が間もなく大量に兵器を送るので、ウクライナはしばらくの辛抱」というのが専門家意見の要旨。気のせいか諸氏諸嬢の顔、有名野球通訳に見えてきた。通訳者は大谷をだました。テレビと出演者は国民全員をだましている。Brian BerleticやDouglas MacgregorやScott Ritterらの意見と真逆。時間がたてば、どちらが正解かわかる。
The New Atlas Brian Berletic YouTube
Does the Fate of US Arms in Ukraine Create Pause for Thought Ahead War with China? 21:55
彼によるThe New Eastern Outlook記事
植草一秀の『知られざる真実』
話させていただいたのは、「ウクライナ戦乱」と「台湾有事が問題とされる背景」について、メディアが真実をまったく伝えていないこと。
メディアが伝える状況と真実との間に巨大な乖離がある。
市民はマスメディアから情報を得ることが圧倒的に多い。
しかし、マスメディアが国家と巨大資本に支配されている。
今朝の孫崎享氏メルマガ題名
米中貿易戦争の予兆。イエレン米財務長官4月の訪中を計画。「中国は今や太陽光発電や電気自動車、リチウムイオン電池の様な『新』産業で過剰な生産能力を構築」「中国の過剰生産能力は世界的な価格と生産のパターン歪め、米国企業や労働者等世界の企業や労働者に打撃を与えている」
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