トラというより、ニシキヘビのように殺す現代のアメリカ戦争機構
2020年8月27日
ケイトリン・ジョンストン
フォーブスは「戦争で中国を破るため経済を締めつけろ」と「もしロシアがヨーロッパを侵略すればNATOはロシア貿易船舶を掃討できるはずだ」という題の退職海軍大佐で政治学者のブラッドフォード・ディスミュークスによる分析についての連続記事を二本掲載した。
帝国主義速記者として認められるのに必死で、情報的に拙劣で不器用に歪曲記事を書くことが多い、私の新しいお気に入りの三流戦争宣伝者、デイビッド・アックスという名の男が書いている記事だ。私がこれまでで見た最良のものは、テロリストや過激派ではなく、シリア領域の広い区域を見事に「解放した」勇敢な自由の戦士として描き出すのに苦労しているシリア「反政府派連中」と一緒に過ごした時の2013年の記事だ。
アメリカ海軍の戦略家たちが、戦争時の、中国経済を「締めつける」ための海上封鎖の使用について公然と語っている。アメリカがなぜ南シナ海へのアクセス支配に執着しているのか良く分からない場合。 https://t.co/dUWfY6Go0Z
- Qiao Collective (@qiaocollective) 2020年8月25日
ディスミュークス記事二つのいずれも、アメリカを中心とする軍事同盟に吸収されるのに抵抗している一番目と二番目の強力な国家、すなわち中国とロシアに対し、どのように、同じ軍事戦略を使うことができるかに焦点を当てている。いずれも、積極的対立となった場合、「アメリカ政府と友好諸国全てによる組織的取り組み」で、彼らを貿易と資源から隔離する封鎖により、それらの国を経済的に「締め殺す」ために使い、直接戦闘の必要性を最小にするかを説明している。
「中国を貿易相手国と石油や天然ガスや他の資源から隔離するのは、アメリカが本格的な戦争で中国を破る、最良で、経費最少の方法であり得る」とアックスは説明する。
「戦時、アメリカと同盟諸国の艦隊が、ロシアの海上貿易を封鎖して、ロシア経済を締めつけて、ワシントンと、その同盟諸国に有利な条件で戦争を終わらせるようモスクワを強いることができる」と彼は書いている。
ロシア、中国両国は核武装国で、直接の熱い戦争は、アメリカの軍事同盟がとにかく避けたいと望んでいるものである事実を、ディスミュークスは語らない。
実際、記事は、単に現実的なだけでなく、あり得て、あり得るだけでなく、現在進行中のロシアと中国との対立の構想を示しているのだ。これこそ、まさに、大まかにアメリカを中心とする同盟諸国帝国ネットワークが、世界の舞台で、石油などの重要資源を支配することに、それほど強引な理由だ。アメリカ自身が石油を使えるためにではなく、アメリカが誰が石油を入手できるか支配できるようにするためだ。それは連中が軍事基地とNATO拡張主義で中国とロシア両国を軍事的に封鎖すべく、働いてきた理由でもある。
あらゆるこの中国問題を、いかに理解するか
「何が中国関係で起きているのか、なぜそれがどれ程酷いかという記事で、マスコミが、人々の顔をげんこつで殴り続けているのか理解するには、二つの基本事項を把握するだけで良い。https://t.co/s9oT8nxPY6
- ケイトリン・ジョンストン⏳(@caitoz) 2020年5月21日
こうしたものは、アメリカを中心とする帝国と、まだそれに吸収されていない政府間で、スローモーション第三次世界大戦で配置されたチェスの駒なのだ。かつて、ソ連に対する冷戦中の過去の経験から、彼らを勝利に導くことができることを彼らが学んで、核戦争を避けるためには、帝国主義者は、辛抱強く、戦略的でなければならないことを知っているのだ。彼らがその間、地球上のあらゆる生物の命を危うくしている事実は、彼らにとっては、ほとんど問題ではないのだ。
これは、アメリカを中心とする帝国が、今どのように殺すのをより好んでいるかだ。トラのように旧態依然とした地上侵攻で獲物に飛び掛かり、頚静脈を食いちぎるのではなく、ニシキヘビのように。緩慢な辛抱強い絞殺と窒息だ。
それが、イランやベネズエラに対して行われている殺人飢餓制裁で我々が目にしているものだ。イエメンでは、致命的な封鎖の他に、アメリカに支援される空襲で、サウジアラビアが、農場、漁船、市場、食物貯蔵場所やコレラ治療センターを意図的に標的にしている。北朝鮮では、漁師が食物をとるため海に出ても、レックス・ティラーソン前国務長官がアメリカ制裁のせいだとした岸に戻る十分な燃料を買う余裕がないため動けなくなり、死人でいっぱいの船が日本海岸に打ち上がる。ガザでは「パレスチナ人に食事制限させる」よう意図されたイスラエル封鎖のおかげで、人々は十分な栄養量を奪われている。
それは、政権を掌握している側、あらゆる資源や無限の時間の側、相手側が餓死するのを、のんびり待てると知っている側である場合に限り、うまく行く、ゆっくりと押しつぶす戦略だ。ブッシュ時代の「衝撃と畏怖」侵略ではなく、制裁、封鎖、クーデター、心理作戦、CIAに支援される蜂起や、デイビッド、アックスの「反政府派の」友人たちのような反政府勢力を武装させるのだ。
現代のアメリカ帝国戦争機構は、ブッシュ時代の全面的地上侵攻には力を入れず、制裁、封鎖、クーデター、心理作戦やCIAに支援される反乱を使って、標的に定められた国の命をゆっくり窒息させ、トラというより、ニシキヘビのように殺すのだ。
- ケイトリン・ジョンストン⏳(@caitoz) 2020年8月9日
これが、彼は「新しい戦争を始めていない」と主張して、大統領を擁護する、あらゆるトランプ支援者を軽べつできる多くの理由の一つだ。彼らが意味しているのは、彼は、どんなトラ風の伝統的な地上侵攻もしかけていないということだ。彼は依然ニシキヘビ式の制裁と封鎖で攻撃し殺し、危険な新冷戦エスカレーションで世界を危うくしているのだ。彼は依然、スローモーション第三次世界大戦を続けている。もしバイデンが勝っても彼が同じことをするのは確実かもしれない。
反戦であることは、どういうことかを変えるので、これに気付くことが重要だ。我々が今年早々、アメリカとイラン間で起きかねない直接の熱い戦争(まだ起きかねない)を恐れていたような紛争だけに反対するのは十分ではない。我々は、アメリカに集中する帝国が益々好んでいる新たな絞殺式戦争とも積極的に戦う必要がある。
最初にブッシュ政権とともに権力の座についた時、アメリカ一極覇権を継続的な保証するのに必要なものは何であれするネオコン・イデオロギーは広く批判された。今やそれは、ワシントンの超党派的総意で、もし人がそれを問題にすれば、その人は異常で怪しいと中傷される。もはや主流アメリカ言説では、決してネオコンサーバティブやら、ネオコンという言葉を人々は耳にしないが、それが消え去ったがゆえではなく、それが常態化された既定の主流世界観になったためなのだ。
そしてこれらのあらゆる帝国主義精神病者が一極覇権主義という名の想像上の神の名の下、文字通り決戦兵器を振り回す中、生態系崩壊や、限りなく多くの他の可能性がある決戦レベルの出来事に向かって、我々は突進している。もし我々がこの大惨事を方向転換させたいのなら、我々は種としてこの軌道から離れ、お互い、生態系とも、協力し始めなければならない。
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