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2020年8月21日 (金)

ベイルート港消滅怪事件

2020年8月18日
ゴードン・ダフ
New Eastern Outlook

 2020年8月4日午後、二つの爆発がベイルート港湾地域で起きた。 一つは小さかったが、もう一つは、幅167メートル、最新の報道によれば、深さ30メートル、おそらくそれ以上のクレーターを残した。

 事件に関する報道は、大規模なニセ情報キャンペーンや、大規模な検閲キャンペーンや、いつものように「代替の事実」会うよう歴史や科学や物理学の書き換えの対象だった。ここで、ドナルド・トランプ大統領はそれを正しく理解し、挑戦されても、自己の立場を固守している。

 事件に関する記者会見の際、ドナルド・トランプ大統領は次のように述べた。

「我々は支援するため現地に行くだろう。それはひどい攻撃のように見える。」

 彼は即座に、あらゆるマスコミに全面攻撃され、大統領発言と同様、彼の答えの投稿がフェースブックで禁止された。翌日の記者会見で、トランプ大統領は彼の答えを「強化した」。

質問:あなたはこれを攻撃と呼びました、あなたはこれが事故でなく、攻撃だったと確信していますか?

トランプ大統領:「それは爆発に基づいて、そのように思われる。私は何人かの偉大な将官と会い、彼らは、それがそうだったと感じているように思われる。それは何らかのしかけられた爆発風の出来事ではなかった。

これは、彼らによれば、彼らは私より良く知っているはずだが、彼らは攻撃だったと思っているようだ。

それはなんらかの爆弾だった。」

 その日、マイク・エスパー国防長官はトランプ大統領が間違っていると「思う」と述べた。数時間内に、エスパー国防長官は声明から後退した。CNNから。

「ワシントン(CNN) マーク・エスパー国防長官は、爆発は多分事故の結果だという彼の推測が、ホワイトハウスの抵抗に会った後、何がベイルートでの破滅的爆発を起こしたかに関して、ホワイトハウスの評価との、いかなる相違も軽視している。

マーク・メドウズ大統領首席補佐官は、爆発は、おそらく事故だったというエスパーの評価について問われて、更に踏み込んだ。「エスパー長官の立場では、彼は知らない。」

火曜、トランプは「将官」の何人かと話し、彼らが爆発を爆弾攻撃と評価していたと言った。」

 翌日、ホワイトハウスは、ドナルド・トランプが11月に再選されたら、エスパー国防長官は、新政権に参加するよう依頼されないだろうという短い声明を発表した。

 トランプがなぜ彼の発言をしたのか、エスパーがなぜ後退したのか、ソーシャル・メディアや主流マスコミが、なぜ代わりの物語を載せ、大統領が、国防総省と諜報機関を代弁して、決して彼が言ったことを、言わなかったふりをしているのかを検討しよう。

 トランプはもう攻撃されず、画策されたニセ情報キャンペーンで「ゆがめられた」だけだ。だが一体なぜだろう?

 起きたこと、皆が合意することを見て、そこから先に進もう。

 最初の爆発は小さく、倉庫の火事を起こした。二番目の爆発は、クレーターの大きさと、リヒタースケールで、3.5の記録に基づけば、6キロトンのTNT、典型的にTNTを使って、衝撃波でしか爆発させることができない硝酸アンモニウムと重油の混合物、アンホ爆薬の少なくとも12キロトンに等しい。

 これらの数値は核実験にも精通した本物の爆発物専門家のものだ。核爆発だけが典型的に複数キロトン・レベル爆発を起こし、このような爆発のクレーター形成や効果を検討する何らかの経験をも持っているのは核兵器専門家だけだ。

 肥料やロケット工場を爆発させるのを専門にする「通常爆発物専門家」などいない。このような職務明細書は存在せず、どんな専門家も存在しない。

 この話題を理解する鍵はこれだ。何百もの「事実」、ミサイル目撃、その目撃者とビデオ、飛行機目撃と、その目撃者と多くのビデオと「大きなウソ」プロパガンダによく似た一連の物語がある。

 よくあることだが、全てを見ると、何も解決していない。簡単に言って、ニセ情報キャンペーンは、レバノン政府内部の情報源を含め、必ずしも全員が満足していない物語である、六年前にレバノンに放棄された2750トンの肥料爆発を前提にしている。前内務大臣で、議員のノハド・マクヌークに関するミッド・イースト・モニター記事から始めよう。

「前レバノン内務大臣で現在議員のノハド・マクヌークは、先週ベイルート港における爆発を、イスラエルのせいにした初めての有力レバノン政治家になった。

記者会見の際、マクヌークは200人以上の人々を殺し、何千人も負傷させた大爆発は、「明らかに」イスラエルに責任があると述べた。

「ベイルートでのこの作戦は、明確な、明示的な方法でイスラエルに実行された」とマクヌークは述べた。「我々は人類に対する犯罪を目にしており、それゆえ誰も、あえて犯行声明を出さないのは明確だ。」

この高位の政治家は、2014年と2016年に、レバノン内務大臣を勤めている。彼はレバノンのスンニ派ブロックで、ヒズボラに反対する元首相サード・ハリーリーの「未来運動」の一員だ。爆発の余波の中、彼は述べた。「これは我々がベイルートに港を持っていないかったフェニキア時代以来、初めてのことだ。」

 個人的に、ある元国防長官が爆発の一時間後、Veterans Todayに連絡してきて、ドナルド・トランプ大統領が、国防総省情報源の言葉を引用して述べたと同様に、まず海上発射小型ミサイルで火事を起こし、次に、16による空襲で、ミサイル、情報提供者によれば戦術的核弾頭を発射したイスラエル攻撃のせいだと言った。

 同様に、これは肥料爆発だという主張に応えて、ヒズボラ報道官が、直接ダマスカスのVT支局長ナヘド・アル・フサイニーに下記の意見を述べた。

「肥料は爆発しない、燃えるだけだ。」

 そこで、我々の主張と、我々全員が合意できる唯一本物の事実を概説するが、これは自然科学であり、硝酸アンモニウム肥料は、極端な努力なしで、ベイルートで見られたような環境では、決して爆発できない。

 ニセ情報にあわせるべく、科学技術「改竄」の試みは進行中だが、まだ成功していない。これに関して書かれたもので最良の記事は、ベイルートの事件は「肥料爆発」だったという主張に答えて書いているレバノン人鉱山技師のものだ。

「私はこの紳士とは意見が違うと言わねばならない。彼に対して問われた、アンモニア硝酸塩の山の上に投げられたマッチが壊滅的爆発を起こすかどうかで「イエス」か「ノー」で答える質問を尋ねられた際に、彼は答える前に、数秒ためらった瞬間、彼が言おうとしていたことが何であれ、いささか曖昧で不透明だろうと私は即座に理解した。

私は測量技師と爆破技師として、一生露天掘り採鉱産業で働いた。最後の二年間はブリティッシュ・コロンビア山麓の丘での巨大石炭露天掘り事業で、私の仕事は爆発パターンの設計と、ドリル孔に、どの爆発性製品を充填するか決めることだった。

我々はアンホ爆薬ANFO、アンモニア硝酸塩と軽油の混合物を使った。ANはアンモニア硝酸塩を表し、FOは燃料としての石油あるいは軽油を意味する。我々はHANFFOと呼ばれる製品、重アンホと呼ばれるものを使った。混合物中の軽油濃度がより高いので、Heavy anfoと呼ばれたのだ。

アンホ、重アンホのいずれも、乾燥した穴で使われなければならない。もし穴が濡れていれば、軽油成分は洗い流され、アンモニア硝酸塩自身は火がつかない。

そういう場合は、我々はプラスチック・ライナーでドリル穴内側を覆い、次にanfoやheavy anfoをプラスチックライナーに詰めるのだ。余りに雨が激しいと分かったら、我々はMagnafracと呼ばれる非常に高価な製品を使った。それは、ほぼ耐水性のどろっとした乳濁液だったが、それでも、余りに長時間、現場におかれると、スラリーは分解し、点火しそこねるのだった。

重アンホは通常アンホより爆破力が強い。それは、より多くの出費に見合う、あるいは、より多くの爆発エネルギーを意味する。肝心なのは、常に、実際の爆薬の最小充填量で、最も多量の岩石を爆破することだった。これは火薬係数と呼ばれる。火薬係数をより低く維持して、母岩を爆破できれば、それだけ経費が安くなる。最も安いアンホ、より高価なhanfo、Magnafracは非常に高価で、火薬係数を押し上げる。目的はバランスを維持することだった。

私はこれら全ての製品を扱い、それらを充填し、爆発チームが起爆コードでパターンを結び、点火するのを手伝った。古い映画で、悪人がどこかで鉄道線路を爆破しようとしているので見るように、我々は起爆装置とつながる導火線を使った。90代初期、ワイヤーと起爆装置は、非電気式起爆と呼ばれるずっと効率的なシステムに置き換えられた。

黄色いケーブルを通って、起爆コードまで、起爆させるための電荷がなかった。

使われたのは「衝撃波管」と呼ばれる製品だった。それは、基本的なTNTの「ペントランダイト」という非常に小さい粉状のわずかな爆発物が入った直径3か4ミリの空洞プラスチック管だった。電気的なものではなかったので、衝撃波管と呼ばれた。それは基本的に、圧縮空気駆動か、爆発駆動の衝撃波発生器(衝撃波管)だ)。それは「爆発衝撃波」を作り出す。それが起爆コードを起爆し、爆発物を起爆する主要な激しい衝撃なのだ。

起爆するには、踏みつけることができる、うまい用語がないので、クラッカーと私が呼ぶ、小さなものがあった。クラッカーが踏みつけられると、放出された非電気エネルギーは、衝撃波管中の非常にわずかな量の粉末の爆発物に点火するのに十分で、製品が爆発パターンで使われている実際の爆発物が充填された、それぞれのドリルで開けられた穴の中に入り込んだ起爆コードを起動した。

さて、ここからが肝心なことだ。これまで我々は、組み合わせや、それ自体だけでは、クリネックスの箱も爆破できない不活性元素や成分の話をしてきた。

全ての鍵は、それぞれの爆発物ドリル穴の一番底に置いた500グラムのTNT起爆装置だった。我々は、おおむね、一つの穴に、500グラムのTNT起爆装置を二つ使った。

そこで点火がおきるのだ。注意深くお聞き願いたい。充填されたアンホ、重アンホ、Magnafracを起動したり、点火したりするには、TNT爆発が必要なのだ。私が意味するのは、アンホが爆発するには、それ自身実際に爆発する前に、TNT起動の威力が必要なことだ。アンホに火がつき、燃えるのを私は何度も目にしている。

アンホは爆発せず、燃えるだけだ。もしアンホに軽油混合物が入っていなければ燃えさえしないだろう。アンモニア硝酸塩は業務用肥料だ。社員は、彼らの芝生に肥料をやるため、毎年春、それぞれアンモニア硝酸塩の20キロ袋を二つ与えられた。それは、まさに文字通り一夜にして、茶色の芝生を輝く緑に変える。この慣習は、1993年頃に中止されたが、私が雇用されていた鉱山では、少なくとも当時はそうだった。

自動車かトラックが多分スピードで走るという状態で、爆発することと、アンホなどのマウンドに激しくぶつかれば、爆発性製品を爆発させるのに必要な爆発力を与えることが可能かもしれない。あるいは必要な衝撃波。(あるいはミサイルか爆弾)

我々は、あらゆる爆発物を我々に供給していた爆発物メーカーが使っていた施設で、我々の現場用アンモニア硝酸塩顆粒を作ったものだ。それは世界規模の巨大爆発物メーカーだ。そして、彼らと働いて、彼ら/我々が使用する種々の製品を扱っていた間、彼らには最高の安全実績があったことを補足しておこう。

私はおそらく、多くの情報を見落とし、そして/あるいは、一部の情報を書き落としているかも知れないが、これは私が私の様々な文章やメモに言及せずに思い出せる全てだ。

もしポンプがあったら、この貯蔵場所に、長い間に、次第に吸収され、アンモニア硝酸塩を飽和状態にする燃料石油があったのだろうか?」

 答えは単純で、もし硝酸アンモニウムが、いくつかの主張の通り、12番倉庫に保管されていたとすれば、それは肥料であって、決して爆発し得ない。

 この説明の理論的根拠は単純で、いささかの詳細も不要で、鉱山技師向けの科目があるどんな大学でも、どんな化学者でも、確実にどんな爆発物専門家でも、核兵器に精通していない人々によってさえ再検討、確認可能だ。

 ベイルートには核クレーター規模の穴と、想像できないレベルの破壊がある。

 アメリカ大統領が、ベイルートは167メートルのクレーターを残した爆弾で攻撃されたと言った。アメリカはこのような通常兵器を保有していない。マーク84貫通型爆弾は、幅15メートル、深さ10メートル、面積約1889平方メートルのクレーターを残すはずだ。

 ベイルートのクレーターの面積は約213,360平方メートルだ。

 だから繰り返そう。トランプは爆撃だと言い、エスパーは事故だと言い、エスパーが公式に、トランプが何について話をしている全く分からないと述べた。

 我々は何を証明できるだろう? 肥料は、人々が彼らのガレージや納屋に持っている多くのものと同様、我々をあの世に吹き飛ばしはしないのだ。

 我々は主流マスコミを信じるのはばか者だけだと証明できる。

 我々はあり得ないことが起きたと証明できる。オッカムのかみそりは我々に何を語るだろう?

 ゴードン・ダフは、ベトナム戦争の海兵隊退役軍人で、何十年も退役軍人と戦争捕虜問題に取り組み、安全保障問題で政府に助言もしているベテランズ・トゥデイ編集長、取締役会長。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2020/08/18/the-strange-case-of-beirut-s-missing-port/

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