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2020年1月28日 (火)

ワシントンとの日本の協調 反中国である限り何でもあり

2020年1月23日
Andre Vltchek
New Eastern Outlook

 公式には、日本と中国の関係は「どうにか改善して」いる。この春、安倍晋三首相は習近平主席訪問さえ期待している。

 だが率直に言って、アジア最強二国の関係は浮き沈みが激しく、いまだに非常に複雑で、ほとんど透明とは言えない。

 核配備した沖縄の嘉手納、普天間米空軍基地は、いくつかの主要中国都市からは目と鼻の先だ。嘉手納基地は「極東で最も広い、最も活動的な米空軍基地」だとして、自慢するのを好んでいる。数年前、私は南米の放送局「Telesur」のために、両基地についてのドキュメンタリー映画を制作した。

 当時私に衝撃的だったものは、今もそうだ。第二次世界大戦中に、日本は、中国と朝鮮両国を恐ろしく残忍に扱い、いわゆる朝鮮戦争中、何百万という北朝鮮人を殺す効果的な取り組みで欧米を助けたことに良心の呵責を感じておらず、地球上最も破壊的な軍隊、アメリカ軍基地の受け入れ国として機能していることに疑念を抱いていないように見える。その軍が中国や朝鮮民主主義人民共和国両方と、潜在的にロシア極東に対してさえ向けられているのを、東京は重々承知している。両空軍基地前の抗議行動参加者はごく少数で、ほとんど高齢の沖縄県民で、古びた拡声器で異様なほど丁寧な言い方で叫んでいる。

「沖縄から出て行って。 出て行ってください!」

 私がそこで映画を撮影していた時、今著者で教授の元米空軍パイロット、ダグラス・ラミスが、私の那覇市訪問の際、状況を説明してくれた。

「沖縄は、日本国内の米軍と米軍施設の約75パーセントを受け入れています。それは日本本土の大部分の人々には目には見えず、忘れさられています。沖縄は首都の東京から約1600キロも離れています。沖縄県民と話をすれば、彼らが60年以上も、本質的に、日米軍事同盟を負担するよう強いられていることに腹を立てて、失望しています。アメリカとの軍事同盟は、批判する人々が指摘する、ワシントンに対する全般的な従属的姿勢が伴います。ワシントンが望む外交政策に、日本が逆らうことはめったにありません。」

 多くの沖縄県民がぼうぜん自失している。歴史的に、彼らの王国は中国に非常に近いものだった。彼らは地球上最も人口ちゅう密な国との対立を望んでいない。彼らは私がかつて北京で言われたことを知っているのだ。もしアメリカ合州国が、あえて沖縄から中華人民共和国を攻撃すれば、即座に報復がこれらの島々に対して行われるのだ。

 中東でのイスラエルとサウジアラビアのように、いわゆる極東で、日本は欧米の最も緊密で、最も断固とした同盟国だ。日本は、ワシントンに命じられた通りのことをし、日本はほとんど不平を言わない。

 イデオロギー的に、日本は反共産主義、極端な資本主義と例外主義という欧米の教義を採用している。

 実際、日本は、しばしばアメリカ合州国より、反中国のように見える。

 ワシントンとロンドンと協力することで、日本は地域における自身の新植民地主義手法を何のおとがめもなくすませている。

 何十年間も、東南アジアとの貿易は徹底的に恐るべきものだったが、それは決して、欧米や日本のマスコミに論じられなかった。一つだけ例をあげよう。日本の自動車とスクーター産業は、国や市役所に賄賂を使い、彼らが、まともな公共輸送網を決して構築しないようにして、代わりに詰まった道路に、何百万台もの(旧式)の日本自動車やスクーターを投げ入れて、東南アジアの全ての大都市を既に破滅した。従って、ジャカルタ、バンコクやバンドンのような都市は地球上最も絶望的に汚染された都市になり、環境は破壊されている。

 人の頭脳にも同じことが言える。日本の大学や機関は、有能な独立志向の青年を選んで、資金を提供し、彼らに奨学金を与え、彼らを再教育するので、彼らはいわゆる極東における欧米や日本の権益に対する脅威にはならない。「民主政治」や「コミュニケーション」などの学問的話題の有毒なごちゃまぜを詰め込まれ、あらゆる革命の熱意を剥奪される、日本の名門大学への留学に抵抗できる人々はごく少数だ。日本における生活は快適で、安全で、慣れるのは容易だ。だが代償はしばしば法外だ。国家に対する背信。

 日本政権は、奨学金を支給された外国人学生が、狂信的に反中国、反ロシア、反共産主義の主流派人物になるよう期待している。彼らは、自国でも世界のあらゆる場所でも、欧米や日本が行う全ての犯罪を、まばたき一つせずに受け入れる分別ある人間になるよう教えられる。

 私は自身の目で、この過程を目撃した。私の映画編集者の一人がこうしたプログラムの一つで再教育されたのだ。

* **

 しばらく前に、私の友人で有名なオーストラリア人歴史学者ジェフリー・ガン教授が、長崎で私に、現在益々本当になっていることを話してくれた。

「包囲されていることに中国が憤慨しているのが実情だ。中国は、ワシントンが日本を支援していること、尖閣/釣魚島を巡る交渉の余地のない日本政策を、ワシントンが支持する姿勢がにあるのに憤慨している。だから今の状況は、明らかに憤慨している中国と、いわゆる領土保全に関し基本的に攻撃的姿勢をとっている日本を見ているのだ。だからアジア太平洋は益々好戦的で、益々紛争が起こりがちな東アジアになっている。」

* **

 日本の協力は、諜報であれ、軍事的であれ、あるいは経済的であれ、永久的な容赦ないものに思われる. 2015年に本当だったものは、2019年や2020年益々本当なのだ。私とノーム・チョムスキーの映画に、我々が香港「傘革命」の映像を挿入していた時、映画編集者の秦岳志が、こう言った。

「日本の人々は、こうした「カラー革命」や最近の香港における出来事の背後に欧米がいることを理解できないでしょう。香港は自由と民主政治を求める動きだったと完全に意見が一致しています。ほとんど他には入手可能な代替情報源がないためです。」

 そして今、2020年1月16日、中部日本で、私はテレビをつけ、ある程度自虐に「ニュースウォッチ9」を見ようと決めた。

 実に法外な調子の反中国プロパガンダが画面から流れ始めた。アナウンサプーの声は優しく、丁寧だったが、内容は非常に攻撃的で、非常に失礼で、一方的だったので、私は背中が震えた。イギリスの様々の大手放送局が完成し、洗練したプロパガンダは皆無だった。アメリカの、公平そうに見せかける痛ましい試みも皆無。何か宗教的説教のお経のような、むき出しのものだった。要約しよう。

「習は強力な恐ろしい人物だ。人々が彼を恐れるあまり、彼は香港や台湾の出来事について十分知らされていない、反収賄活動を含む彼の政策のおかげで、彼の敵の数は増加しつつある」

 そしてテレビ局は香港暴徒と台北で中国に抗議する人々のロングショットを流し始めた。

 そこで、大いにこびる、大いに敬意を払った紹介で、トランプが登場する。

 アナウンサーのくどい話が続く。

「米中貿易摩擦…身勝手な行動」

 だが日本に関する限り、明らかに「良いニュース」があった。

 「今アメリカは中国に一層厳しくしている。ウイグル問題、天安門広場記念日。もちろん、他の国々も、中国に国際的ルールに従って振る舞うよう促している。」

 全て有り合わせが、まぜこぜにされ、歪曲され、都市間列車到着を知らせるアナウンスのような調子の声で放送される。

 言葉は全て優しいが中身は違う。実に汚い攻撃的プロパガンダの容赦ない流れ。

 結局、私は友人で、NHKでもよく仕事をしたデイビッド・マクニール教授が、かつて私にこう話してくれたのを思い出すのだ。

「日本には外交政策はない。彼らはワシントンに言われた通りのことをしている。アメリカかイギリスで報じられない限り、日本のテレビ局が発表したり発言したりするものに重要なものは皆無だ。」

 私は彼が正しいのを知っている。日本で一番重要な新聞のために働いたことがある。交戦地帯で。ずっと昔のことだが、本当に何も変わっていない。東京で外務省に相談せずには、彼らは何も発表しないのだ。私は冗談を言っているわけではない!

 立派な民主政治だと言わざるを得ない。立派なコミュニケーションだ。

* **

 2017年1月30日、RTはこう報じた。

「ネオコン・シンクタンク、ヘンリー・ジャクソン協会(HJS)は、反中国プロパガンダを広めるため日本大使館から金をもらって、有名人を募集した罪で告発されたと調査者が主張している。

タイムズ調査は、ロンドンを本拠とするHJSが、元イギリス外務大臣マルコム・リフキンドを含む有名人を通して反中国プロパガンダを広めるため、月に10,000ポンド(12,500ドル)受け取っていることを示唆している。

HJSは自身を、世界中に自由と民主政治を広めることを目指す、介入賛成、資本主義賛成の代弁者として描いている。それは学者で、議員選挙に落ちた保守党員アラン・メンドーサが運営している。」

 そう、どうやら日本は本当に中国が嫌いだが、自国民だけでは、あらゆる反中国プロパガンダを作り出せないのだ。日本は、外国の支援を含め、益々多くのものを必要としている。しかも金を出すのをいとわない。

 日本は宗主国の教義を称賛するのに自腹を切る地球唯一の被占領国に違いない!

 Andre Vltchekは哲学者、小説家、映画製作者、調査ジャーナリスト。彼はVltchek’s World in Word and Imagesの創作者で、China and Ecological Civilizationを含め、多くの本を書いている作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2020/01/23/japan-s-collaboration-with-washington-everything-goes-as-long-as-it-is-against-china/

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 国会中継、徳勝龍インタビューのような感動も笑いも皆無。与党質疑はみない。「野党」もどきの質疑も。記事進行、あれで良いのだろうか?

 伝染病株式会社というゲーム・ソフトがあるのを初めて知った。かなり前の商品。今の状況になったのは、中国の地方当局の隠蔽工作や、対策の遅れによる部分問題も大きいだろう。いつもの面々早速登場。

新型コロナウイルスに乗じ“中国人ヘイト”が跋扈! 百田尚樹も「中国人観光客
ストップ」「中国にモラルない」、高須克弥は「徳川幕府なら撃ち払い令」

 『アメリカン・ドリームという悪夢』には、たとえば、72、73ページに、クリアランスという言葉の説明で、意図的に、植民者が、伝染病を広めて、インディアンを排除撲滅したことが書かれている。意図的に利用して、排除したのだ。

 ヨーロッパ植民者により、様々な伝染病がもたらされた。ある記事では、天然痘、はしか、インフルエンザ、腺ペスト、ジフテリア、発疹チフス、コレラ、しょうこう熱、水ぼうそう、黄熱病や百日咳など。

 子供時代に見た西部劇で、インディアンに天然痘患者の毛布をあげて病気にさせた場面に驚いたのを覚えている。意味が良くわからず、父親に、一体どういうことか尋ねた気もする。これも史実に基づいている。どうやら『真紅の騎兵隊』という映画だったようだ。

 コロナ・ウィルス、株にも、当然、大影響。

日刊IWJガイド「IWJの警告通り東証暴落! それでも黒田発言報じない大マスコミ! 日本経済もピンチですがIWJもピンチです! ご支援もよろしくお願いします!」2020.1.28日号~No.2693号

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