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2021年10月 1日 (金)

アンドレ・ヴルチェク、あなたが亡くなって一年

追悼
ピーター・ケーニッヒ
Global Research
2021年9月29日


 2020年9月22日、アンドレ・ヴルチェクは静かに亡くなった。妻のロッシーと、トルコの黒海からイスタンブールまでの夜のドライブで。彼はお抱え運転手が運転する自動車の後部座席で眠りにおち、目を覚まさなかった。彼の遺産は多様で、内容は重く、意義深い。世界について暴露し、世界を動かす暗い勢力について暴露して。彼が調査し、写真を撮った戦争、彼が目撃した紛争、彼が経験し、撮影した苦難が本物だったから、彼は決して本当に、それらを「暗い勢力」とは呼ばなかった。「暗い勢力」は陰もなく、覆いもなく、現れるが、明かりはない。

 アンドレは常に、それが燃えているところ、あるいは、それが間もなく燃えるかもしれず、住民たちが吹き飛ばされる大きな危険がある場所にいた。

 我々は難民の後について、ギリシャのコス島で、一緒に多少注目に値する経験した。トルコからギリシャ、欧州連合への難民だ。最もぞっとするような衛生状態の難民キャンプでの彼らの悲しい運命、彼らの辛抱強さ、彼らの希望、希望こそが難民を鼓動させ呼吸させるのだ。主に彼らの子供たちのより良い未来を探すため、中東やアフリカから裕福なヨーロッパに来る人々だけではない。全世界の難民は希望で生きている。もし希望を失えば、人生は終わりだ。

 同様に、我々はペルーのプノにも、そこからラ・リンコナダ-世界最高地の金山、残酷なマフィアが経営する多数の大小の独立した一連の金鉱は、海抜約5,100mから5,400mで、言葉で言い表せない寒さと苦難の状態で、約70,000人の人々がそこで暮らしている。極端な貧困の中、しかし全て自由意志で、全て、最終的に「大金を当てる」金を手に入れるという希望で。彼らは1カ月の29日間ただで働く。そして、第30日目あるいは31日目に見つけたものは、自分のものにして良いのだ。それはアンデス山系の鉱山の多くにとって依然規則である古い採鉱法だ。

 暖房も水道もなし。そう、豊かになることを願って家族から離れている無数の鉱夫で、あらゆる年齢の女性たちが売春婦として生計を立てている。広大なごみ捨て場。果てしないプラスチックのゴミ。そして、しばしばこのゴミの山の真ん中に十字が突き出ている。墓だ。

 これはアンドレと私が一緒に過ごした経験の一部だ。それはきずなを作ってくれた。そして長年、我々は著作物から、考えのやりとりから、お互いを知っていた。実世界で実際にあった仮想世界の友情。アテネの安カフェで夜中まで哲学的に語り合ったことは忘れられない。それらの豊かさは取り去ることはできない。アンドレ、あなたがいないのを心から淋しく思う。

 安らかにお眠りください。

 そして覚えておこう。VENCEREMOS!我々は勝利する!

 ここにアンドレ・ヴルチェクのGlobal Researchアーカイブがある。

*

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 ピーター・ケーニッヒは地政学アナリストで、世界銀行と世界保健機構(WHO)の元シニア・エコノミストで、そこで彼は世界中の水と環境について30年以上働いた。彼はアメリカ、ヨーロッパや南アメリカの大学で講義をする。彼はオンライン・ジャーナルに良く寄稿しており、「Implosion - An Economic Thriller about War、Environmental Destruction and Corporate Greed」の著者で、「When China Sneezes: From the Coronavirus Lockdown to the Global Politico-Economic Crisis”というシンシア・マッキニーの本の共著者 (Clarity Press ? 2020年11月1日)」

 彼はグローバリゼーション研究センターCentre for Research on Globalization研究員。

記事原文のurl:https://www.globalresearch.ca/andre-vltchek-year-since-you-are-gone/5757097

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 早一年。彼の報告を毎回楽しみにいていたので、突然の逝去には驚いた。

 日刊ゲンダイDIGITAL

岸田新総裁「聞く力」を官邸人事で発揮し“チーム安倍”に逆戻り…あのアイヒマンも戻ってくる!

 電磁波攻撃やら、米軍によるPFOS汚染やら。

 デモクラシータイムス

オール沖縄に危機 ミサイル4拠点 PFOS【新沖縄通信 2021年9月号】

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コメント

海坊主様

彼の記事を訳しながら、毎回似た感覚を感じておりました。
希望は捨てずに生きたいものです。

もう一年、経ってしまったのですね。

むのたけじ氏の「希望は絶望のど真ん中に」を身を持って示した偉大なジャーナリストでした。

ヴルチェク氏の人柄そのものと言っても良いぐらいに、温かく血の通った生き生きとした言葉や写真によって、虐げられている人々の苦難とそれと同じぐらいの希望が、まさにそこに今あるんだ、ということを私たちに伝えてくれました。

氏が去った以後も、勇敢で義憤に満ちた素晴らしいジャーナリストは本記事のピーター・ケーニッヒ氏を始めとして多く私たちの世界に生き残っていて、それは大変有り難く心強く希望を与えるものではありますが、アンドレ・ヴルチェクというある種の偏光フィルターを通じて見る世界は、格別なものがありました。少なくとも私にはそう見えました。

ヴルチェク氏の去って世界は一層醜く昏いものに変容してしまったけど、世界はまだ終わらないんだ、まだ生まれ変われるんだ、と希望は捨てずに生きてゆきたい。
そうでなければ、何万年と続いている私たち人類の歴史は実にくだらない事そのものであったと総括されることになるだろうから

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