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2019年6月28日 (金)

G20ではロシア-インド-中国が目玉

2019年6月27日
The Saker

 全ては6月5日、モスクワでのウラジーミル・プーチン-習近平サミットで始まった。単なる二国間関係からはほど遠く、この会談は、ユーラシア統合プロセスを、もう一つ上のレベルに格上げした。ロシアと中国の大統領は、新シルクロードとユーラシア経済連合、特に中央アジアの内部や周囲との革新的相互連絡から、朝鮮半島の共同戦略に至るまで、全てを論じた。

 キルギスタン、ビシュケクで、上海協力機構(SCO)の国家元首評議会セッション前の会議の際に、お互い抱擁するロシアのウラジーミル・プーチン大統領とインドのナレンドラ・モディ首相(左)。写真:AFP /グリゴリー・シソエフ /スプートニク

 ある話題が際立っていた。彼らは古代のシルクロードにおけるペルシャの連結役が、新シルクロード、あるいは一帯一路構想(BRI)において、どのように、イランによって再現できるか論じた。それは確定済みだ。特に、モスクワ・サミットの一カ月以下前に、ロシア-中国戦略的提携が、政権転覆は全く受け入れられないという合図を出して、テヘランに明示的な支援を与えた後はと、外交筋は言う。

 プーチンと習は、サンペテルブルグ経済フォーラムで工程表を固めた。すぐ後に、ビシュケクでの上海協力機構(SCO)サミットで、大ユーラシア相互接続が、重要な二つの対話者を含めて織り続けられた。インドと、BRICS諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)とSCOメンバーと、SCOオブザーバーのイラン。

 SCOサミットでは、プーチン、習、ナレンドラ・モディ、イムラン・カーンとイランのハッサン・ロウハニ大統領が同じテーブルに座った。同心のダモクレス剣のように、会議の上に差し迫っていたのは、アメリカ-中国貿易戦争、対ロシア制裁とペルシャ湾の爆発的状況だった。

 ロウハニは強力だった。イランに対するアメリカ経済封鎖の効果の仕組みを説明する際、手中のカードを巧妙に使った。モディと中央アジア「スタン諸国」のリーダーをロシア-中国のユーラシア・ロードマップにより綿密な注意を払うよう仕向けた。習が中央アジアじゅうの無数のBRIプロジェクトで、中国投資が飛躍的に増大することを明らかにして、これが起きた。

 ロシア-中国は、ビシュケクで外交的に起きたことを「世界秩序を作り直す上で肝要だ」と解釈した。極めて重要なのは、RIC - ロシア-インド-中国 - が単に三国間会談を行ったのみならず、大阪でのG-20サミットでも再演を予定していることだ。外交官たちは、プーチンと習とモディの相性が驚くべきものをもたらしたと言っている。

 RICフォーマットは1990年代後期の熟練の東洋学戦略家エフゲニー・プリマコフに遡る。それは21世紀の多極世界の礎石と解釈されるべきで、ワシントンがそれをどのように解釈するかは疑いようがない。

 インド洋-太平洋戦略中の不可欠な歯車インドは、地政学戦略の始祖ハルフォード・マッキンダーが、1904年に「The geographical pivot of history」を発表して以来恐れていた「実存上の脅威」ロシア-中国という「競争相手」と仲良くなり、とうとうユーラシアに出現したのだ。

 RICは、BRICSという集団が成立した基礎でもある。モスクワと北京は、外交上そう発言するのを思いとどまっている。だがブラジルのヤイル・ボルソナーロがトランプ政権の道具に過ぎないと見られているので、大阪でのRICサミットから、ブラジルが除外されたのは全く不思議ではない。金曜日、G20開幕直前に形式的なBRICS会談があるだろうが、本命はRICだ。

仲人に注目

 RIC内部を三角測量するのは極めて複雑だ。例えば、SCOサミットで、モディは「主権の尊重」と「地域の一体性」にだけに基づいて、インドは接続プロジェクトを支持すると述べた。 それは一帯一路構想を鼻であしらう婉曲表現だ。特にカシミールを違法に縦断するとニューデリーが主張している、最も重要な中国-パキスタン経済回廊にとって。それでもインドは、最終のビシュケク宣言は阻止しなかった。

 重要なのは、SCOでの習- モディ対話が実に幸先がよかったので、インドのビジェイ・ゴーカレー外務大臣が「インドで政府が形成されて以来、双方から、より大きな文脈で、21世紀のアジア太平洋地域におけるインド-中国関係を扱う我々の役割の始まりだ」と描写するに至ったことだ。10月インドで習- モディ非公式サミットが予定されている。彼らは11月、ブラジルでのBRICSサミットで再会する。

 プーチンは仲人として卓越していた。彼は、9月初旬、ウラジオストクでの東洋経済フォーラムに、モディを主賓として招いた。この攻勢の眼目は、インドがアメリカ製プロジェクトの支援役を演じるのではなく、より大きなユーラシア統合プロセスに積極的に参加する利益をモディに示すことだ。

 それはロシア北極海航路と一帯一路構想の接続を意味する、北極圏での極地シルクロードを開発する三国間提携さえ含むかもしれない。中国遠洋海運集団有限公司(Cosco)は、既にシベリアから天然ガスを東と西に搬出しているロシア企業PAOソフコムフロートのパートナーだ。

 習は、もう一つの主要な一帯一路の可能性、バングラデシュ-中国-インド-ミャンマー(BCMI)回廊や、チベットからネパールからインドまでの接続性改良再開に対するモディの注目を得ようとし始めている。

 もちろん、帰属問題で係争中のヒマラヤ国境から、例えば、動きのゆっくりした東アジア地域包括的経済連携(RCEP)まで、障害は山積している。潰れた環太平洋経済連携協定TPPの理論的な後継者の16カ国は、北京はRCEPが過熱状態に入らなくてはならないと断固主張し、ニューデリーを積み残す用意さえ整えている。

 これ以上のアメリカ制裁免責がないことを考えると、モディが行うべき重要な決定の一つはイラン石油を輸入し続けるかどうかだ。もしEU-3が特別支払い機構実施を引き伸ばし続ければ、ロシアは、イランやインドのようなアジア顧客を助ける準備ができている。

 インドはイラン石油の主要顧客だ。もしインドのミニ・シルクロードがアフガニスタン経由で中央アジアにつながれば、イランのチャーバハール港は絶対不可欠だ。ロシアのS-400防空システム購入という動きに対し、アメリカのドナルド・トランプ大統領政権の、ニューデリー制裁で、インドがアメリカとの貿易上の優先的立場を失い、一帯一路橋により近づく中、石油供給源のイランを主要ベクトルとするのは見逃せない経済機会だ。

 モスクワやサンペテルブルグやビシュケクでのサミット後、ロシア-中国戦略的提携のロード・マップが強化される中、今RCが重視しているのは、インドを本格的なRICに参加させることだ。ロシア-インドは、戦略的提携として既に開花しつつある。習- モディは波長が合っているように思われる。大阪は、RICを恒久的に強化する地政学上の岐路になるかもしれない。

記事原文のurl:https://thesaker.is/russia-india-china-will-be-the-big-g20-hit/

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 見なければ良いのに、昨日はイギリスの、今日はアメリカの外務省の活動のドキュメンタリーというプロパガンダ番組を国営放送で見た。もちろん、翻訳しながら、横目で。プロパガンダに対する感想は「つまらなかった」一言。

 植草一秀の『知られざる真実』
 外交成果皆無の大阪G20会合と最重要の参院選

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