外交成果皆無の大阪G20会合と最重要の参院選
大阪でG20首脳会議が開催されるが、日本外交はほとんど成果のない状況だ。
安倍首相は米国とイランの対話の橋渡しをすると意気込んでイランを訪問したが、このイラン訪問を契機に米国とイランの関係が激烈に悪化した。
また、安倍首相のイラン訪問に合わせて日本船籍のタンカーがホルムズ海峡で飛翔体の攻撃を受けた。
米国のトランプ大統領は日本船籍の安全は日本が独自に確保せよとのメッセージを発した。
安倍首相はイランのハメネイ師と会談したが、ハメネイ師が安倍首相に述べたのは米国への不信感だけだった。
イランの主要メディア、ファルース通信はハメネイ師の発言を次のように伝えた。
「イランの最高指導者ハメネイ師は安倍普三首相に対し、イランは米国と交渉するという「苦い経験」を繰り返さないと述べた。
安倍首相はトランプ米大統領からイラン指導部へのメッセージを預かっていたが、ハメネイ師は「トランプ(大統領)とメッセージを交換する価値はない。今も今後も返答することは何もない」と述べた。
ハメネイ師は、イランの体制変更を求めないというトランプ大統領の約束は「うそ」だとも発言。米国がイランに「率直な交渉」を提案したことについては、信用しないと述べた。
ハメネイ師は「イランは米国を信頼しておらず、JCPOA(包括的共同作業計画=イラン核合意)の枠組みにおける米国との交渉での苦い経験を絶対繰り返さない」とし、「賢明で誇りを持った国は圧力のもとでの交渉を受け入れないものだ」と語った。」
得点を挙げるどころか大量失点献上というのが安倍外交の実態である。
ロシアと平和条約締結と意気込んでいたが、日本政府は4島返還の主張を2島返還の主張に一方的に切り下げたあげく、2島での交渉も進展ゼロという大失態を演じている。
これも得点どころか大量失点献上の外交失敗である。
安倍内閣は日米FTA交渉をしないと国会で明言したが、4月に始まった日米交渉はれっきとしたFTA交渉である。
FTA交渉でなければ、日米2国間だけの関税率引き下げを実施することはWTO規約によってできない。
米国は2国間の関税率変更を求めており、この要求を実現させるためには日米交渉がFTA交渉でなければならないのだ。
そのFTA交渉に関して、日本政府は米国に大幅譲歩したと見られる。
すでに合意は成立しているが、発表を参院選後にすることだけが米国の譲歩点であると見られる。
日本は米国を含むTPPを米国抜きのTPP11に切り替える際に、日本の輸入枠に関して、米国からの輸入相当分を圧縮しなかった。
米国からの輸入増大を想定した輸入枠を維持したのである。
米国がTPP11と別枠で対日輸出枠を求めるのは確実だ。
これを受け入れると、日本の輸入枠はTPPを完全に超える。
日本政府はTPPで認めた水準が上限としているが、この公約が破棄されることは確実な情勢である。
また、トランプ大統領は、米国はTPPを離脱しており、TPP合意内容には縛られないことを明言し、安倍首相はこれにまったく反論を示すことができていない。
韓国大統領が訪日したが、安倍内閣は日韓首脳会談も日韓外相会談も設営しないと伝えられている。
問題があるときこそコミュニケーションを密にするのが外交の鉄則である。
韓国の主張が気に入らないとして接触を断つというのは幼稚園児以下の対応である。
このような幼児外交では日本の信用は失墜し、国家の安全保障も確保できない。
G20で注目されているのは米中首脳会談で、日本は開催国、議長国でありながら、単に場所を提供するだけの存在で終わる。
安倍内閣はG20を選挙対策に活用しようとしているが、成果が皆無の外交では選挙対策としての効果を期待することは不可能である。
日本の主権者は、私たちの未来を定める国政選挙に集中しなければならない。
この選挙の最大争点は消費税増税の是非である。
徹底的な論議が必要だ。
その上で、主権者は全員選挙に行くべきだ。
選挙に行って消費税増税の是非について、自分の判断を示す必要がある。
それが国政選挙の役割だ。
消費税増税の是非を最大争点にし、主権者の9割が投票に参加すれば日本が変わる。
選挙に行って日本を変えよう!
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