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2019年12月24日 (火)

中央アジアのラテン文字化はアメリカ地政学の手段

2019年12月4日
ウラジーミル・オディンツォフ
New Eastern Outlook

 長年、中央アジアは、アメリカのロシアに対するイデオロギー戦争と情報戦争における主要前線の一つだ。

 一年前、アメリカの地政学情報企業Stratforが、ロシアに多く注目する、中央アジアのアメリカ政策予測を発表した。「影のCIA」と名付けられたこの組織のアナリストが、予測で、アメリカが、ロシアにより多くの圧力を加える取り組みで、東ヨーロッパからコーカサス、中央アジアまで、旧ソ連周辺の国々との結びつきを強めようと期待していることを示した。ロシアに対する地政学戦争が、アメリカ軍事専門用語を使えば、政治的、経済的、エネルギーと軍事分野に影響を与える複数領域戦闘が行われているのだ。

 ワシントンは長い間、中央アジア諸共和国とアフガニスタンを「アメリカ国益地域」と見なしており、それがこの地域が、アメリカの全領域情報作戦の標的に定められている理由だ。これら軍事行動を効果的にするために、アメリカが地域にせっせと植えつけたいわゆる「独立」放送局や親欧米NGOが、過去数年間中央アジアで大規模貢献をしているだけでなく、軍の情報戦争専門家、米軍第4心理作戦運用群の軍人も採用されている。第8心理作戦運用群は、アメリカ中央軍が支援し、ウズベキスタン、カザフスタン、キルギスタンとタジキスタンの国民に標的を定めた特にロシアに対処するため作られたウェブサイト、キャラバンサライ情報ポータルを運営する中央アジアでの業務に責任を負っている。

 ワシントンが支援する情報作戦の大半が共有する主目的は、精神的、心理的に、地域住民をロシアから引き離すこと、中央アジアにおけるロシアの立場を傷つけることだ。これらの国の未来のリーダーが欧米の「民主的」理想で育てられ、従って、それほどロシアと組む気にならないよう期待して、キャンペーンは主に若者を標的にしている。

 CIS諸国でロシアの影響を打ち消すため、NGOと「独立」放送局による特別プログラムが開始され、実行されている。例えば、MediaCAMPと呼ばれる新たな五年計画が、去年末、カザフスタン、タジキスタンで提示され、カザフスタンとタジキスタンとウズベキスタンで、Internewsネットワーク(アメリカ、カリフォルニア州)と呼ばれるアメリカ合州国国際開発局(USAID)から大量資金を受けるアメリカ非政府組織に運営されている。この計画は予算1500万ドルだ。公式目標は「よりバランスがとれた情報環境を開発する」ことだが、実際は集中的な反ロシア宣伝に使われている。Internewsネットワークは、2007年に、ロシアでの活動が停止されたが、大半の中央アジア諸国でこれまで効率的に活動し続けている。アメリカ合州国連邦政府が資金供給する国際開発局USAIDは、禁止された2012年まで、ロシアでもこの計画を行っていた。

 中央アジアにおける、この反ロシア情報戦争へのアメリカ合州国関与の一つの明確な例が前に述べた中央アジア諸国をラテン文字に変えるよう駆り立てる国防総省のキャラバンサライ情報ポータルに一月末に公開された資料だ。同時に、ワシントンは情報戦争専門家がキリル文字アルファベットの代わりにラテン文字を使うよう人々を駆り立てている事実を隠そうとしないが、それは主にロシアと中央アジアの共和国間に文化的くさびを打ち込む手段の役割を果たすので、彼らの計画の一環であり、ロシア語を話す文化圏と情報領域を締めつけ、縮小し、ユーラシアでのロシア語の歴史的存在を消去するのだ。

 1935年に始まった、ソ連で話される言語のほぼ全てをキリル文字に書き換える大規模な過程を想起するのは重要だ、それはソ連政府が旧ソビエト社会主義共和国連邦人々を結び付けるためにとった措置の一つだった。これは、1920年代後期の改革によって中断させられた豊かな書き言葉の伝統を持った言語や、最近になってようやく書き言葉を採用した言語の翻字も含んでいた。1940年までに「国全体のキリル文字化」はほぼ完了していた。多数の言語がロシア文化圏と結び付く言語表記法を獲得し、それは本質的に、これら言語の話者の、情報を共有する一つのユーラシア空間への始めてのアクセスだった。1945年に、第二次世界大戦がソ連の勝利で終わった後、キリル文字アルファベットは、ソ連と形成されはじめていた東欧圏の主要アルファベット(例えばキリル文字アルファベットはモンゴルに導入された)として一層強固になった。

 それが、キャラバンサライのスポンサーが、キリル文字アルファベットをラテン文字に置き換えることを単なる一種の象徴的行動だけとは見ない理由だ。中央アジア諸国とロシア間に精神的、心理的なくさびを打ち込むことも意図されている。これがまさに言語対立の目的で、ロシア憎悪のワシントンは、バルト諸国やウクライナやコーカサスの一部の国々でこれを奨励している。

 ロシア語が単にロシア人だけでなく、カザフスタンに暮らすカザフ人やウクライナ人やドイツ人や韓国人の多くにとっても母国語であるカザフスタンで、支配下にある様々なチャンネルを通して、中央アジア諸国でのラテン文字化の必要を強調して、騒ぎを起こしたのはワシントンだった。今ロシア語は、カザフスタン通貨テンゲ紙幣からさえ消された。過去十年で、約30万人の人々がカザフスタンから移住したが、彼らの大部分がスラブ人で、ある程度、それはこの政策に帰せられる。2017年11月、ポーランドの新聞ジェチュポスポリタが掲載した記事が書いている通り「キリル文字アルファベットを放棄して、ナザルバーエフはロシアとのへその緒を切っている」。

 ラテン文字化はキルギスタンとウズベキスタンにも押しつけられている。

 だが、我々が近年見ているように、ウズベキスタンとカザフスタンでは、ラテン文字への切り換えは、明らかに不幸な経験だった。だから、ウズベキスタンが独立元年に、トルコ・モデルに目を向けて、ラテン文字への変更を一種の「団結の基盤」見なしたことは想起する価値がある。ラテン文字への移行は、新ウズベク当局にとって、国の独自性と独立を象徴するものとなった。だが、その時誰も、この移行、文学の膨大な保存図書をキリル文字からラテン文字に翻字する費用の経済面を考えるため立ち止まらなかった。誰も想像できなかったもう一つの問題は、異なるアルファベットで読む世代間の葛藤だった。ウズベキスタンとトルコの関係は、非常に短い時間で冷えた、アルファベットはそのままだが、基本的読み書き能力に悪影響を及ぼし、国の教育は、かなりの損失をこうむった。

 ラテン語に変える試みは、カザフスタンで重要な問題を引き起こした。カザフスタンは、80年間でアラビア語からキリル文字に移行し、この国では辺鄙な村でさえ巨大図書館ネットワークに組み込まれていた。この国は既に100%の識字率を達成しており、新アルファベットに変える上で、全人口の思考「マトリックス」全体を変える必要があり、単に大規模な財政費用を必要とするだけでなく、世代間対立を引き起こすことも意味していた。

 中央アジアの国で、可能な限り速やかにキリル文字アルファベットをラテン文字に置き換えるという欧米による試みに、地域の人々が対処した。彼らは益々この移行には意味がないことを悟り始めた。ロシア語はともあれ中央アジア諸国では第二言語で、これらの国々は地理的、経済的、政治的、言語的に欧米から遠く、彼らは使用言語がロシア語であるユーラシア経済連合の加盟国なのだ。これら状況の条件のもと、この問題は論理的対処法と多少の常識が必要で、言語問題は政治問題化するべきではないという理解が増大しつつある。

 フリーダム・ハウスや他の似たような様々な外国NGO団体が中央アジア諸国の内政に干渉し、そこに暮らす人々の言語的、文化的遺産を破壊し、明らかに彼らの憲法秩序に対する脅威、地域外部からの脅威なのだから、近年この問題が益々激しく、否定的調子が強まって議論されているのは驚くには当たらない。

 ウラジミール・オディンツォフは政治学者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/12/04/the-latin-alphabet-in-central-asia-america-s-geopolitical-tool/

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 日本語の能力ではなく、英語で話す能力を優先するという発想、植民地傀儡の考えだろう。表記、言語は、文化的にきわめて重要だろうと思う。売国傀儡は、まさにその逆。

 某ブログ・ランキング・サイトなるものがある。そこで、当ブログ、昔、80位程度になったこともあった。最近170位付近に下がっていた。昨日みると、突然圏外。引用するリンクの数で順位を決めるように見えた。順位を気にして覗いていたのではなく、どなたが引用されるか知りたくて覗いていた。某サイト、最低・圏外とランク付けするしかない。

 彼女を批判する面々の本、読んだことがない。彼らの記事が掲載された雑誌は決して買わない。表紙はながめるが。

日刊IWJガイド「伊藤詩織氏を『セカンドレイプ』しておきながら、民事裁判で伊藤氏が勝訴した途端に逃亡する面々!! 開き直る面々!!」2019.12.24日号~No.2658号

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