■ J2の第10節J2の第10節。3勝2敗4分けで10位とまずまずの位置に付けているいわきFCはホームの「ハワイアンズスタジアムいわき」で清水エスパルスと対戦した。降格2年目の清水は6勝2敗1分けで勝ち点「19」。岡山を抜いて首位に再浮上した。2023年のこのカードはIAIスタジアム日本平で行われた14節の試合は9対1、ハワイアンズスタジアムいわきで行われた39節の試合は7対1。いずれも清水が大勝している。
ホームのいわきFCは「3-4-2-1」。GK立川。DF五十嵐、照山、大森理。MF大西悠、山口大、加瀬、大迫塁、西川潤、谷村海。FW有馬幸太郎。ここ最近は途中出場で好プレーを続けていたFW有馬幸太郎が開幕戦以来のスタメンとなった。2節以降は8試合連続で途中出場している。神村学園高出身で高卒2年目のMF大迫塁は3試合連続スタメン。9節の横浜FC戦(A)では直接FKでプロ初ゴールを記録した。
対するアウェイの清水は「4-2-3-1」。GK権田。DF北爪、高橋祐、住吉ジェラニレショーン、山原怜。MF宮本航、中村亮、ルーカス・ブラガ、乾、カルリーニョス・ジュニオ。FW北川航。怪我で離脱していたMF乾ならびにFW北川航がスタメンに復帰。ともに9節の甲府戦(A)で途中出場したがどちらも4試合ぶりのスタメンとなる。新戦力のFWドウグラス・タンキが8節の徳島戦(H)以来。2度目のベンチ入りを果たした。
■ 3対2で競り勝った清水エスパルス試合は開始早々の前半7分にアウェイの清水が先制に成功する。巧みなコントロールからボールをキープしたFW北川航が左サイドから抜け出してファーサイドに左足でグラウンダーのクロスを入れるとMFルーカス・ブラガが合わせて清水が先制に成功する。さらに直後の前半9分にもMF宮本航の裏へのパスから抜け出したFW北川航がキックフェイントで相手をかわしてからMF乾にラストパス。大きな追加点を奪った。
2点を追ういわきFCだったがここからいい戦いを見せた。前半22分にMF谷村海のパスを受けたMF西川潤が得意の左足でゴラッソミドルを決めて1点差に迫った。MF西川潤は8節の藤枝MYFC戦(H)以来。今シーズン2ゴール目となった。2対1で迎えた後半開始からいわきFCはDF大森理を下げてDF石田侑を投入。1点差になった後はいわきFCが攻め込んだ。両WBのMF加瀬やMF大迫塁もチャンスに絡んだ。
清水にとっては嫌な時間帯がずっと続いていたが後半23分にゴールライン上で粘ったDF山原怜の折り返しをFW北川航が押し込んで大きな3点目を奪った。FW北川航は1ゴール2アシストの大活躍だった。いわきFCも後半35分に途中出場したMF山下優のCKからMF谷村海が合わせて1点差に迫ったが追いつくことは出来なかった。3対2で逃げ切った清水は首位をキープ。10節を終えた時点で7勝2敗1分けとなった。
■ FW北川航也が1ゴール2アシストの大活躍!2023年のこのカードは清水が2試合とも大勝した。2試合で計16得点。昇格1年目のいわきFCを子ども扱いしたがこの日もいきなり前半7分と前半9分にゴールを奪った。昨シーズンと同じようなゴールラッシュを見せるかに思えたが今シーズンのいわきFCは一味違う。勝ち点を奪うことは出来なかったが首位チームを相手に非常にいい戦いを見せた。後半の終了間際にもFW近藤慶が惜しいシュートを放った。
清水は苦しみながらも3対2で勝利したがFW北川航とMF乾がスタメンに戻ってきた効果はやはり絶大だった。FW北川航は1ゴール2アシスト、MF乾も2点目のゴールをゲットした。FWチアゴ・サンタナとFWオ・セフンが抜けた1トップはFWドウグラス・タンキがまだ1試合の出場のみ。コンディションに問題を抱えているのか、今のところは全く戦力になれていない。大きな誤算と言えるがFW北川航がよく頑張っている。
秋葉監督の信頼を得てスタメンで固定されていることが精神的な部分でプラスの影響をもたらしていると思うが周りが良く見えている。この日は2つのゴールをアシスト。ポストプレーでもチームに貢献している。この日はベンチに入ったものの、FWドウグラス・タンキに出番はなし。彼が大きく出遅れたことを考えると「今後もFW北川航がフォワード陣の中心になるのは確実」と言える。充実したシーズンになっている。
守備陣は2失点したものの、好調ないわきFCの攻撃陣を相手に奮闘した。守備の要になっているのは広島からレンタル移籍のDF住吉ジェラニレショーンになる。9節の甲府戦(A)では後半の終了間際に決勝ゴールを決めてヒーローになったがここまでのJ2でベストイレブン級の活躍を見せている。高さと強さを生かした守備は圧巻。広島では思うように出番を得られなかったがJ2であれば大きな違いを生み出せる。
■ 奮闘したいわきFCだったが・・・。いわきFCは14本のシュートを放った。清水は8本だけ。CKを獲得した回数もいわきFCが8回、清水はゼロ。早々に2失点して追いかける展開になったものの、いわきFCが主導権を握る時間帯は長かった。昨シーズンはホームでもアウェイでも惨敗を喫した清水戦というのは「昨シーズンからどこまで成長できているのか?」を知る上で格好の対戦相手だったがチームがいい方向に進んでいることを示す試合になった。
前半22分に生まれたMF西川潤のミドルシュートでのゴールが試合の流れを大きく変えた。MF西川潤は移籍後2ゴール目。8節の藤枝MYFC戦(H)で決めた移籍後初ゴールはPKだったので流れの中では初。得意の左足のミドルだったが素晴らしいコースに飛んで行った。ビューティフルゴールだった。体力的な問題なのか、後半は消えてしまったが、前半は躍動。首位を走る清水との試合でも違いを生み出した。
悔やまれるのは失点の仕方になる。3失点ともやや安易な対応だった。1失点目はタッチライン上での攻防でDF照山が上手くかわされてしまった。2失点目もDF照山が簡単に裏を取られたプレーがきっかけ。ここまで素晴らしい働きを見せていたDF照山だったがこの日は低調。万能型のフォワードであるFW北川航に翻弄されてしまった。2023年のJ3のベストイレブンのDF照山にとってはいい経験になったと思われる。
3失点目は特別指定選手のDF五十嵐のプレーが甘かった。ゴールラインを割りそうなボールだったが油断をしてDF山原怜に拾われてしまった。プロの世界だとちょっとした油断が大きな失点につながってしまう。1対2のスコアになった後はずっといわきFCが優勢。同点に追いついても全く不思議はない時間帯が長く続いていたことを考えると3失点目は極めて勿体なかった。こちらもいい経験になっただろう。
※ 投稿日:2024年3月20日(水) (総再生数:5,116回)
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