■ 16位と低迷するガンバ大阪クルピ監督を招聘したガンバ大阪だったが15節を終えた時点で4勝8敗3分けで勝ち点「15」。入替戦圏内となる16位と低迷した。その上、天皇杯の2回戦では関西学院大に延長戦の末に1対2で敗れるという失態。破格の好条件で監督に迎え入れられたクルピ監督の立場は相当に危うくなっている。W杯の中断期間中に監督交代が実施されても何ら不思議はない成績である。2度目のJ2降格の危機を迎えている。
今のG大阪はかなり不思議なチームである。MF遠藤やMF今野やMF藤本淳といった百戦錬磨のベテランがいて、GK東口はロシアW杯の日本代表メンバーに選ばれた。DF藤春、MF倉田、DF三浦弦、MF米倉はハリルJAPANでプレーした経験のある選手で、FW長沢駿は2017年に2桁ゴールを記録。DF初瀬、MF高木彰、MF中村敬は森保JAPANに選出された経験があって、MF市丸やMF食野やMF福田湧も有望株である。
しかも、外国人選手もFWファン・ウィジョ、MFアデミウソン、MFマテウス、DFファビオ、DFオ・ジェソクと個々の質は高い。他にもMF泉澤がいて、MF井出もいる。「タレント軍団」と呼ばれても全く不思議はないほど優秀な選手を多く揃えているが実際には今のG大阪のことを「J1有数のタレント軍団」と呼ぶ人はほとんどいない。むしろ、「戦力が不足しているので下位に低迷するのもやむなし」と考える人が多い。
結局、「峠を過ぎたベテラン」と「ポテンシャルは高いが現状はJ1の舞台で大きな存在感を発揮できるほどではない若手」の割合が高くて、FWアデミウソンなどケガの影響で力を出せていない選手も少なくない。「働き盛りの年齢の選手」の頑張りが不足していることがネームバリューほどのタレント力を感じない大きな理由になっていると考えられる。タレントは多いが16位という順位が不釣り合いな順位には思えない。