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【J1】名古屋グランパスの補強ポイントについて考える。(2018年夏の移籍市場) | | |　

■　13試合勝ちなしで中断期間に突入

苦しみながらも何とか昇格プレーオフを制して「1年でのJ1復帰」を果たした名古屋は開幕2連勝。好スタートを切った。3節も引き分けだったので開幕から3試合負けなしだったが4節の川崎F戦(H)からまさかの8連敗。豪雨の中での試合となった12節のC大阪戦(H)はスコアレスドローで連敗を「8」で止めることが出来たが未勝利記録は止まらず。結局、13試合勝ちなしでW杯の中断期間を迎えることになった。

残留圏となる15位の長崎との差は「8」、入替戦圏となる16位のG大阪との差は「6」、17位の鳥栖との差は「4」。大変な状況で中断期間に突入した。これだけ勝利から遠ざかっているチームなので「監督交代」を求める声は非常に大きいが現状は動きなし。フロントには風間監督を斬る考えは無いようだ。交代期を逃してJ2に降格した2016年の小倉監督の時と同じ失敗を繰り返したくないのは言うまでも話である。

　→　2016/08/27 　【J1】名古屋グランパスの小倉監督の休養と監督交代ブーストについて

「監督交代などスタッフの変更はない。」というのであれば夏の補強で戦力をアップさせて乗り切るしかないがJ2だった2017年も夏の初めまでは煮え切らない展開だった。「このままだとJ1昇格は難しいだろう。」という雰囲気だったが夏の補強でMFガブリエル・シャビエルを獲得すると雰囲気は一変した。スーパーな活躍を見せたMFガブリエル・シャビエルがチームを牽引して何とかJ1に復帰することが出来た。

■　最優先補強ポイントはCB

言うまでもなく、名古屋というクラブはJ1屈指の資金力を持ったクラブである。「今夏に名古屋がどんな補強をするのか？」に注目している人は多いだろう。今シーズンもJ1の残留争いは大混戦になっているが、16位のG大阪や17位の鳥栖だけでなく、12位の湘南や13位の横浜FMや14位の浦和あたりのチームも名古屋の動きを警戒しているだろう。名古屋が後ろから追ってくる状況は極めて不気味である。

15節を終えた時点では14得点/30失点となるが失点の多さは致命的である。どう考えても「名古屋の補強ポイントはCBである。」と言える。開幕からしばらくの間は高校3年生のDF菅原がCBの位置で起用されたが右SBがベースポジションとなる選手なのでCBで起用するのは無理があった。右SBとしてのポテンシャルは超・一級品であるがCBとしては平凡である。「CBで起用するのは酷」と言わざる得ない。

DFウィリアン・ホーシャとCBを組むケースが多かったが彼も安定感のある選手とは言い難い。他にはDF櫛引やDF畑尾やDF新井一などがCBをベースポジションにしているがこの顔ぶれでJ1を戦い抜くのは不可能に近い。開幕前から多くの人が指摘していた通り、「CBの補強に力を入れるべきだった。」と言える。今夏の最優先補強ポイントは言うまでもなくCBのポジションである。頼りになるCBを獲得したい。

難しいのは風間サッカーを継続するのであればCBの選手にも「高いフィード力」が必要になってくる点である。フィードの苦手なCBは好まずにボランチの選手をCBにコンバートすることが多い監督なので中途半端なCBを獲得しても見向きもされない可能性はある。このまま風間監督を支えていくのであれば風間サッカーに合った「技術力と判断力に優れたCB」を獲得したい。出来れば複数のCBを獲得したい。

■　コストパフォーマンスは良くないFWジョー

キーパーは新加入のGKランゲラクが奮闘した。孤軍奮闘する試合も目立った。控えには経験豊富なGK楢崎がいて、さらにGK武田洋やGK渋谷もハイスペックなキーパーである。このポジションに関しては補強は全く必要ない。SBは「右がDF宮原、左がDF秋山陽」というのが基本形になるが左サイドに関してはDF和泉やDF櫛引などもプレー可能。DF内田健もいるのでCBなどと比べると補強の優先順位は高くない。

「CBの次に補強が必要なポジション」というとボランチになる。開幕からずっとMF小林裕が起用されていたがここ最近はスタメンから外れるケースが多くなっている。MFワシントンもいるが下がり目の位置からボールを動かすことが出来る選手ではない。風間サッカーの肝となるポジションになるがここが安定しなかった点が勝てなかった1つの大きな理由に挙げられる。ボランチの補強も必須と言える。

攻撃的なポジションはFWジョーとMFガブリエル・シャビエルが中心となる。2017年のJ2で大ブレイクした22才のMF青木亮がJ1の舞台で苦労しているのは想定外だった。大きな誤算と言えるが大学2年生で特別指定選手のMF児玉が活きのいいプレーを見せている。ベテランのFW玉田も古巣となる15節の柏戦(H)で今シーズン初ゴールを挙げるなど健在。CBならびにボランチと比べると補強の優先度は低い。

元ブラジル代表のFWジョーはここまで15試合で6ゴール。このペースだと「年間で13ゴール or 14ゴール」になるので悪いペースではない。まずまずのペースと言えるが、やはり、20億円以上とも言われる大金がかかっているのでコストパフォーマンスはあまり良くない。FWジョー以外にCFタイプの選手がいないのもチームの弱点になっているので「FWジョーの負担を減らすことが出来るCF」も出来れば獲得したい。

表1. 名古屋グランパスの各種のスタッツ (15節終了時点)

項目	J1平均	自チーム		相手チーム
項目	J1平均	平均	順位	平均	順位
シュート	12.8	10.80	18	14.00	15
枠内シュート	4.2	3.67	15	4.93	16
枠内シュート率	32.8%	34.0%	7	35.2%	14
ドリブル	13.3	12.53	9	12.73	6
パス	476.6	564.20	3	444.33	3
クロス	16.1	10.67	18	16.00	8
直接FK	13.6	16.33	2	11.87	3
間接FK	2.3	4.60	2	1.40	1
CK	5.0	4.20	16	4.80	10
スローイン	22.6	22.07	11	21.33	5
タックル	22.6	19.07	17	27.20	16
クリア	24.9	21.60	15	26.67	15
インターセプト	2.2	2.27	6	3.07	17
オフサイド	2.2	1.40	16	4.60	17
警告	1.2	1.47	5	0.73	16
30ｍライン進入	43.0	42.73	9	43.13	7
ペナルティエリア進入	14.0	12.73	12	15.67	15
侵入率 (ペナ/30m)	32.6%	29.8%	16	36.3%	15
スプリント	－	156.00	17	167.13	9
ボール支配率	50.0%	52.3%	6	47.7%	6