■ ストライカーの差が明暗を分けるケースは多い。昨今のサッカー界は「3バック(≒5バック)」が流行しているが「人数をかけてスペースを消すことができればある程度は守り切れる。」と言える状況になりつつある。引いて守る相手に対してしっかりとパスを回して決定機を生み出すことができるチームはやはり少ない。リーグを代表する強豪クラブであっても「引いて守るチーム」からゴールを奪うのは難しい。この点はJリーグでも欧州リーグでもあまり変わらない。
J2も成熟したリーグになってきたので「一定以上の守備力」を持ったチームが増えてきたがそういう環境の中で差が付きやすいのはやはりストライカーである。J1昇格を勝ち取るためには「1人で20ゴール程度を記録するストライカーが必要」と言われることが多いが「ここぞのチャンスで決められるのか?否か?」が勝敗の分かれ目になることは多い。J2の上位を走るチームには必ず頼りになるストライカーがいる。
今夏の移籍市場でFWジェイを獲得した札幌は「J1残留」まであと一歩に迫っており、同じくFWリンスを獲得した甲府も何とか15位を維持しているが、大宮のFWトスカーノや新潟のFWタンキは期待に応える働きはできていない。J1の残留争いは「今夏に獲得したストライカーがどれだけチームに貢献できたのか?」で差が生じる形になっているが、強力なストライカーが加わるとチームはガラッと変わる。
■ 余剰戦力になりつつあるFW金園(札幌)当然、J2の中でも規模の大きいクラブは実績のあるストライカーを獲得できる確率がアップするが中規模以下のクラブになるとなかなか難しい。ただ、この点を強化しないと上位進出は果たせないので「頼りになるストライカー探し」がメインテーマになるチームは多いが「場合によってはJ2の貧乏クラブでも獲得のチャンスがあるのでは?」と思われる実績のあるストライカーとしてはFW金園(札幌)が挙げられる。
昨オフに仙台から札幌に加入したがJ1では15試合でノーゴールと結果を出せていない。夏に加入したFWジェイがゴールを量産しているのとは対照的。厳しいシーズンになっている。去就に関するニュースは今のところは流れていないがFW都倉がいて、FWジェイがいて、FWヘイスもいるので明らかにCF系の選手の中で余剰戦力になりつつある。J2の貧乏クラブが狙えるストライカーとしては最大級の選手と言える。
熊本で結果を残して磐田にステップアップしたFW齊藤和は今シーズンも苦しいシーズンになっている。U-20日本代表のFW小川航が怪我をして長期離脱しているのでCFのポジションは層が薄くなっているがなかなかチャンスは与えられなかった。28才と働き盛りの年齢の選手が2年連続で思うような活躍ができずにいるのは勿体ない。FW金園と同様でJ2の貧乏クラブでも獲得できるチャンスがありそうな選手である。
■ 大化けする可能性はあるFW鈴木武蔵(松本山雅)有名どころではFW鈴木武蔵(松本山雅)の名前を挙げることができる。新潟で結果を残せずに夏に松本山雅に移籍したがチャンスをつかめなかった。能力の高さは折り紙付きであるが、やはり、FW高崎という絶対的なエースのいるチームに期限付き移籍しても出番は限られる。移籍先のチョイスミスだったように思うが安定して出場機会が見込めるJ2の中規模以下のクラブでプレーしたら覚醒する可能性はある。
当然のことながら、「即戦力として確実に計算できる。」というストライカーをゲットするのは貧乏なクラブでは難しい。何事もバランスが必要であるが「化けたら見返りが大きそうな選手」を狙うのも時には必要である。新潟に戻る選択肢もあると思うがFW河田というニュースターが生まれつつあるので立場的には厳しいと推測できる。高さとスピードを兼ね備えたFW鈴木武蔵が化けると面白いことになるが・・・。
若手の中では2020年の東京五輪の候補の1人に挙げられるFW岸本(C大阪)は狙い目と言える。ともにC大阪U-23での成績になるが2016年は18試合で6ゴールを記録。今シーズンもここまで25試合で9ゴールを挙げている。順調に力を付けているがそれでもC大阪のトップチームで活躍するのはまだ難しい。今オフにJ2のクラブに期限付き移籍する可能性は高いので動向が注目されるストライカーの1人である。
■ 大学時代からライバル関係にあった2人C大阪は保有する選手の数がJリーグの中で最も多いクラブの1つなので出場機会を欲してオフにチームを離れる選手も多くなることが予想されるが大卒2年目のFW澤上(C大阪)もJ2のクラブにとっては狙い目になる。ハードワークの出来る選手なので「リードした終盤の逃げ切り要員」として重宝されているがサイズにも恵まれていてストライカーとしての能力は高い。J2で出場機会を確保してブレイクする可能性はある。
FW澤上とは大学時代からライバル関係にあるFW呉屋(G大阪)もプロ入り後は苦戦を強いられている。怪我の影響もあっても今シーズンも力を発揮できていない。クルピ監督の就任が確実視されているが、一旦、環境を変えてJ2のクラブに修行に出してもいい時期に入っている。「点を取る。」という部分に関しては特別な才能を持っている選手なのでJ2であればゴールを量産しても不思議はないストライカーである。
最後の1人としてFW平山(仙台)の名前を挙げたい。国見高時代は怪物として名を馳せたFW平山も32才。ベテランの域に入っているが心機一転で加入した仙台でもケガに悩まされて残念なシーズンになっている。仙台は若手が台頭してきたので余剰戦力になりつつあるが能力が高いのは明らか。当然、抜群のネームバリューを持った選手なのでJ2の貧乏クラブが獲得できるといろいろな意味でプラスの効果が生まれる。
J2の貧乏クラブの狙い目と言えるのは・・・。 ・FW 金園英学 (コンサドーレ札幌)
・FW 齊藤和樹 (ジュビロ磐田)
・FW 鈴木武蔵 (松本山雅)
・FW 岸本武流 (セレッソ大阪)
・FW 澤上竜二 (セレッソ大阪)
・FW 呉屋大翔 (ガンバ大阪)
・FW 平山相太 (ベガルタ仙台)
2017/10/31
【Jリーグ】 J2の貧乏クラブが狙うべきJ1所属の若手アタッカー(7名)
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