■ 絶好調の栃木SCがついに首位に浮上創設4年目となるJ3は25節が終了した。34節が最終節になるのでまだ先は長いが10試合負けなし中。ここ8試合で7勝1分けと勢いに乗っている栃木SCが首位に立っている。夏の移籍市場でスロベニア代表経験のあるFWネイツ・ペチュニクを獲得したが効果は絶大。ここまでの7試合で5ゴールを奪っている。絶対的な点取り屋がいない点が栃木SCの弱点だったが一転してフォワードが強みになっている。
さらに金沢から獲得したブラジル人のDFメンデスもCBの定位置を確保しつつある。190センチ/83キロという恵まれた体格で空中戦には無類の強さを発揮する。フォワード起用が続いていた188センチのDF服部康と190センチのDFメンデスがCBコンビを組むようになったが189センチのFWネイツ・ペチュニクと合わせて190センチ付近の選手が3人も加わった。栃木SCは「高さ」と「パワフルさ」が一気に増した。
栃木SCが抜け出しつつあるが、それでも2位の沼津との差は「3」で、1試合消化が少ない秋田との差は「4」なので、まだ十分な差とは言えない。2位の沼津と3位の秋田は共にスタジアムの問題を抱えているので「J2ライセンス」を取得できなかった。2位以内に入ったとしてもJ2に昇格することはできないが市民や県民に存在をアピールして行政の重い腰を上げるためには「2位以内に入ること」が必要になってくる。
表1. 25節を終えた時点での順位表
順位 | チーム | J2ライセンス | 勝点 | 試合 | 勝 | 分 | 敗 | 得点 | 失点 | 得失点差 |
1 | 栃木SC | 〇 | 49 | 24 | 14 | 7 | 3 | 37 | 19 | 18 |
2 | アスルクラロ沼津 | × | 46 | 24 | 13 | 7 | 4 | 53 | 22 | 31 |
3 | ブラウブリッツ秋田 | × | 45 | 23 | 13 | 6 | 4 | 39 | 20 | 19 |
4 | カターレ富山 | 〇 | 40 | 24 | 11 | 7 | 6 | 28 | 18 | 10 |
5 | 鹿児島ユナイテッド | 〇 | 39 | 23 | 12 | 3 | 8 | 31 | 25 | 6 |
6 | FC琉球 | 〇 | 38 | 24 | 10 | 8 | 6 | 35 | 27 | 8 |
7 | 長野パルセイロ | 〇 | 38 | 24 | 10 | 8 | 6 | 23 | 15 | 8 |
8 | ギラヴァンツ北九州 | 〇 | 36 | 23 | 11 | 3 | 9 | 31 | 20 | 11 |
9 | 藤枝MYFC | × | 36 | 23 | 10 | 6 | 7 | 37 | 31 | 6 |
10 | 福島ユナイテッド | × | 30 | 24 | 9 | 3 | 12 | 26 | 34 | -8 |
11 | FC東京U-23 | × | 28 | 23 | 8 | 4 | 11 | 24 | 36 | -12 |
12 | SC相模原 | × | 25 | 23 | 6 | 7 | 10 | 19 | 28 | -9 |
13 | Y.S.C.C.横浜 | × | 24 | 23 | 6 | 6 | 11 | 26 | 35 | -9 |
14 | グルージャ盛岡 | × | 21 | 24 | 5 | 6 | 13 | 24 | 38 | -14 |
15 | セレッソ大阪U-23 | × | 20 | 22 | 4 | 8 | 10 | 23 | 31 | -8 |
16 | ガイナーレ鳥取 | 〇 | 18 | 23 | 4 | 6 | 13 | 23 | 46 | -23 |
17 | ガンバ大阪U-23 | × | 16 | 24 | 5 | 1 | 18 | 16 | 50 | -34 |
■ 厳しい状況になっている長野パルセイロ4位の富山はここに来て失速中。ここ7試合では1勝4敗2分けとなる。24試合でわずか18失点なので守護神のGK永井堅を中心とした守備陣は良く頑張っているが24試合で28得点のみというのは寂しい数字である。FW苔口、FWパブロ、MF佐々木一輝、MF佐々木陽次、MF衛藤、FW萱沼などタレントはいるので2014年以来のJ2復帰のためには攻撃陣の奮起が必要になってくる。一刻も早く、再浮上のきっかけをつかみたい。
5位の鹿児島と6位のFC琉球はダークホース的な存在と言える。どちらも昨シーズンは「J2ライセンス」を取得できなかったが今シーズン初めて「J2ライセンス」を取得することが出来た。クラブとして大きな前進となったのでクラブを取り巻く空気はポジティブである。鹿児島は波が激しくて「調子のいい時期」と「悪い時期」が交互に訪れる。今はあまりいい流れではないが、連勝するだけの力はある。
J3で足踏みが続いている長野は勝ち点「38」で7位。2位の沼津との差は「8」なので厳しい状況になっている。逆に長野は調子の波は少なくて2連勝が2回、2連敗が1回。勝ったり負けたりを繰り返している。24試合で15失点というのはJ3最少となるが24試合で23得点というのはJ2昇格を狙うチームとしては少なすぎる数字である。長野の慢性的な課題になっているが今シーズンも「得点力不足」に悩まされている。
■ 逆転での自動昇格はあり得る鹿児島ユナイテッド17クラブの「残りの対戦相手の平均順位」を小さいチームから順番に並べてみると表2のようになる。上位4チームとの対戦を全て残している長野が最少で「6.75」。かなり厳しい日程になっている。2位と自動昇格圏に付ける沼津は「7.88」で4番目。こちらもかなり厳しい日程になっている。首位に立つ栃木SCは「9.13」で9位タイ。普通程度と言える。栃木SCは上位との試合も下位との試合も満遍なく残している。
1試合消化が少ない秋田はここ8試合で2勝4敗2分けと苦しんでいるが「10.22」で14番目。1試合消化が少ないことも加味すると首位に立つ栃木SCにとっては最も警戒すべき相手と言える。4位の富山は「9.63」で12番目。同様にここに来て調子を崩しているが残りの対戦相手はまずまず恵まれているので早く気持ちを切り替えて反撃体制を整えたい。30節に予定されている秋田戦(H)が大一番となるだろう。
表2を見ると鹿児島ユナイテッドが大逆転で自動昇格の切符を勝ち取る可能性はそれなりに高いと考えられる。「11.44」というのは17クラブの中で最高の数字となる。上位戦は28節の沼津戦(H)のみ。ほとんどが2桁順位のチームとの対戦になる。当面のターゲットとなる2位の沼津との差は「7」なので勝ち点差はそれなりに広がっているが鹿児島は1試合消化が少ない。鹿児島の戦いぶりからも目が離せない。
表2. 残りの対戦相手の平均順位 (25節終了時点)
ランク | 順位 | 勝ち点 | 残り試合数 | チーム | 平均順位 |
1 | 7 | 38 | 8 | 長野パルセイロ | 6.75 |
2 | 9 | 36 | 9 | 藤枝MYFC | 7.56 |
3 | 16 | 18 | 9 | ガイナーレ鳥取 | 7.78 |
4 | 2 | 46 | 8 | アスルクラロ沼津 | 7.88 |
5 | 12 | 25 | 9 | SC相模原 | 7.89 |
6 | 10 | 30 | 8 | 福島ユナイテッド | 8.50 |
7 | 8 | 36 | 9 | ギラヴァンツ北九州 | 8.78 |
8 | 14 | 21 | 8 | グルージャ盛岡 | 9.00 |
9 | 1 | 49 | 8 | 栃木SC | 9.13 |
9 | 6 | 38 | 8 | FC琉球 | 9.13 |
11 | 15 | 20 | 10 | セレッソ大阪U-23 | 9.40 |
12 | 4 | 40 | 8 | カターレ富山 | 9.63 |
13 | 13 | 24 | 9 | Y.S.C.C.横浜 | 10.11 |
14 | 3 | 45 | 9 | ブラウブリッツ秋田 | 10.22 |
15 | 11 | 28 | 9 | FC東京U-23 | 10.33 |
16 | 17 | 16 | 8 | ガンバ大阪U-23 | 11.25 |
17 | 5 | 39 | 9 | 鹿児島ユナイテッド | 11.44 |
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