■ 賞金ならびに分配金の額の大幅アップが確実Jリーグは2017年からDAZN社と10年間で約2,100億円という大型契約を締結したが、これによって賞金や分配金の額の激増が確実。必然的に各クラブが補強に費やすことが出来るお金も増加するので今オフはJ1の有力クラブが例年以上に積極的な動きを見せることが予想されていたが、早くもFW大久保(川崎F)、FW小林悠(川崎F)、DF岩波(神戸)といったビッグネームに資金力のあるクラブが強い関心を示している。
その他ではDF昌子(鹿島)やFWハモン・ロペス(仙台)やFWラファエル・シルバ(新潟)やFWペドロ・ジュニオール(神戸)やDFファビオ(横浜FM)やDF金正也(G大阪)などにも移籍話が浮上しているが例年と大きく異なるのはターゲットになっている選手の所属クラブである。川崎Fや鹿島やG大阪や横浜FMといった「Jリーグの中で上の上」にランクされるクラブの主力級の選手がこれだけ狙われるのはかなり珍しい。
過去数年を振り返ってみてもJ1の中位あるいは下位のクラブで目立った活躍を見せた選手がJ1の有力クラブのターゲットになることが多かった。昨オフを例に出すとDF遠藤航(湘南→浦和)、MF永木(湘南→鹿島)、MF水沼(鳥栖→FC東京)、FW阿部拓(甲府→FC東京)、MF伊東純(甲府→柏)あたり。J1の有力クラブがタイトル争いをするライバルクラブの主力級の選手を引き抜こうとすること自体がかなり珍しいと言える。
■ 破格の条件を提示するとみられる神戸&G大阪昨オフは8クラブほどが獲得に乗り出したリオ五輪代表のDF遠藤航が「Jリーグの移籍市場の目玉」になったが、今オフはすでに名前を挙げたFW大久保(川崎F)とFW小林悠(川崎F)とDF岩波(神戸)の3人に大きな注目が集まっている。動向が大いに注目されるが、中でもFW小林悠に対する各クラブの評価は極めて高い。ここまでJ1で15ゴールを挙げているが日本代表にも定着しつつある。「もっとも旬な選手」と言える。
まず、「来シーズン以降も川崎Fとの契約が残っているので移籍金が発生する。」と言われており、獲得のために必要な移籍金に関しては1億円という具体的な数字も出ている。さらに年俸に関しては獲得に名乗りを挙げている神戸は「年俸1億円の複数年契約を提示した。」と報道されている。日刊スポーツの選手名鑑を見ると今シーズンのFW小林悠の年俸は推定で3,000万円なので3倍以上となる破格の金額である。
プロ野球でもJリーグでもお金にこだわり過ぎる選手は批判の対象になりやすいが、プロ選手の場合、お金(年俸や移籍金)はプレーヤーとしての価値を示す分かりやすい数字である。日本人プレーヤーの場合、そういう選手はほぼいないと思うが、「自分のことを1円でも高く評価してくれるチームを選択する。」というのは必ずしも悪いことではない。むしろ、ある意味ではもっともシンプルな考え方と言える。