■ 33節J1は残り2節。勝てば4位以内が確定するC大阪が18位の湘南ベルマーレと対戦。4位のC大阪は15勝7敗10分けで勝ち点「55」。2位のG大阪が土曜日に横浜FMに敗れて「59」、3位の鹿島は日曜日に試合を残していて「56」。一方の湘南は3勝22敗7分けで勝ち点「17」。6連敗中で13節の京都戦以来、勝利がない。
ホームの湘南は<4-1-2-3>。GK野澤。DF臼井、村松、阪田、島村。MFハン・グギョン、永木、坂本。FW寺川、阿部、エメルソン。今シーズン限りでの引退を表明したMF田村がベンチ入り。DF山口が出場停止で、DF阪田がスタメン出場。
アウェーのC大阪は<4-2-3-1>。GK松井。DF酒本、茂庭、上本、丸橋。MFアマラウ、マルチネス、乾、家長、清武。FWアドリアーノ。DF高橋が怪我のため欠場し、DF酒本が4試合連続スタメン。FWアドリアーノは今シーズン10ゴールをマークしている。
■ 4対0でセレッソが勝利試合はACLを目指すC大阪が一方的に攻め込む展開となった。序盤から圧倒的にボールを支配して、DF酒本とDF丸橋のオーバーラップを引き出してチャンスを作る。しかし、前半はFWアドリアーノのボレーがポストをたたくなど、決定機を逃し続けてゴールは奪えず。前半は0対0で終了する。
後半もC大阪ペース。先制ゴールが生まれたのは後半8分。セットプレーの流れからDF丸橋が強烈なシュートを放つと、これが無回転気味でネットに突き刺さってゴール。2年目のDF丸橋のスーパーゴールでC大阪が先制する。DF丸橋は今シーズン2ゴール目。さらに後半17分にもゴール右寄りでセットプレーを獲得。トリックプレーを見せて、MFマルチネスが左足で蹴ると見せかけてMFアマラウがシュート。これが湘南DFに当たってコースが変わってゴール。後半20分にはMF乾のパスからMFマルチネスが左足で決めて3点目を挙げる。
ホームラストゲームで意地を見せたかった湘南であるが、後半の半ば過ぎまでシュートゼロ。途中からMF中村が入って少し攻撃にリズムが出てきたが、後半43分にDF阪田のオウンゴールで失点。結局、C大阪が4対0で圧勝。4位以内を決定させた。
■ 4位以内が決定J2時代から湘南を苦手にしていたC大阪。2009年は、0対1、3対4、2対0のスコアで1勝2敗。特に、平塚競技場では相性が悪くて鬼門のスタジアムだったが、4対0というスコアで快勝。得失点差が「22」となってリーグトップとなって、34節で仮に引き分けた場合でも、2位のG大阪、3位の鹿島のどちらかが敗れると、3位以内が確定するという状況になった。
もちろん、天皇杯でリーグ戦で3位以内に入ったチームが優勝した場合は、リーグ戦で4位のチームにACL出場権が与えられる。C大阪は天皇杯は敗退しているが、名古屋、G大阪、鹿島の3チームともにベスト8まで残っているので、初のアジア進出の可能性はかなり高くなっている。
■ 先制ゴールは丸橋前半は0対0。ずっと試合を支配していながら先制ゴールが奪えずに、嫌な流れになりかけていたので、後半8分のDF丸橋のゴールは大きかった。DF丸橋の左足から放たれたシュートはコースも完璧で、GK野澤もどうすることも出来なかった。
DF丸橋はユース出身でプロ2年目。アジア大会で活躍したボランチのMF山口蛍と同期であり、1年目は試合出場がなかったが、2年目の今シーズン、大ブレークを果たした。シーズン序盤はDF尾亦が左サイドに入っていて、さらにはDF石神もいるが、ナビスコカップでポジションを奪うと、一気にポジションを確保。W杯の再開後は全試合でスタメン出場している。
この試合は日本代表のザッケローニ監督と原博美氏も視察に訪れていた。その目的がMF乾なのか、MF家長なのか、DF村松なのかは分からないが、DF丸橋という可能性も十分に考えられる。日本代表のDF長友もそうであるが、左サイドバックを任される選手でも右利きの選手は多く、レフティは不足している。ロンドン世代であるが、十分にフル代表入りも考えられる。
■ セレッソ躍進の要因は?4位以上を確定させたC大阪。リーグ制覇にあと一歩と迫った2005年シーズンも最終順位は5位だったので、チーム史上最高の成績でシーズンを終えることが確実になった。ACLに出場出来るかどうかは、最終節と天皇杯の結果次第であるが、チーム史上最高のシーズンとなっている。
躍進の要因はいくつか挙げられるが、
① 茂庭、上本、家長、高橋らオフの補強の成功
② 丸橋ら若手の成長
③ 新外国人のアドリアーノ、アマラウの活躍
が主なところである。特にMF香川がシーズン途中に移籍することを見越して、MF家長、MF清武を獲得したことは大きくで、シーズン当初は共に控えメンバーだったが、7節からMF家長がスタメンなって、W杯明けからはMF清武もスタメンに定着。MF家長がスタメンに定着するまでの6試合は1勝2敗3分けで得点「6」だったが、スタメン定着後は14勝5敗7分け。26試合で44ゴールを挙げている。(出場停止だった25節だった新潟戦を除く。)ゴール数こそ、4点にとどまっているが、数字に現れてこない部分での貢献度は高い。
また、中断明けから、左サイドにDF丸橋が定着したことも大きい。それまではDF尾亦が起用されていたが、攻守ともに今一つのプレーが続いており、ウイークポイントになっていたが、DF丸橋が入って穴がなくなった。FW古橋が移籍してからセットプレーのキッカーがいなかったが、DF丸橋が務めるようになって、セットプレーからゴールが生まれるようになったことも大きかった。
■ ホームで完敗一方の湘南はホーム最終戦で完敗。相性の良かったC大阪戦であったが、力の差を見せつけられる試合となった。後半に失点するまではなんとか耐えていたが、先制点を奪われると、どうしようもなくなった。1点を取られた後、チームが崩れかけていたので対処したかったが、ベンチも手を打てなかった。
今シーズンの湘南は得点力もそれほど高くないので、相手にリードされてしまうと、策がなくなって大量失点するケースが多かった。DFジャーンが怪我がちで、最終ラインは若い選手が多く、一度、崩れると立ち直ることができなかった。
■ 田村雄三の引退もともと、J2時代から引いて守るカウンターのチームではなくて、リスクを冒して攻撃に人数をかけてゴールを狙うタイプのチームであるが、リスク管理の仕事をしていたMF田村の貢献度は非常に高くて、MF田村が2009年のJ1昇格の立役者の一人であったことは間違いないが、両ひざの状態が良くないようで、27歳という若さで現役を引退することになった。この日はベンチ入りしただけで出場機会はなかったが、11月14日の清水戦(30節)ではスタメンで出場しており、まさかの引退発表となった。
「100%で練習できないこと、プロとしてごまかしながらプレーすることはできないという思いもあって決断しました。」というコメントを出しているが、今シーズンは、試合に出場していても、万全とは程遠いコンディションであったことが想像できる。MF田村がアンカーで構えているときと、そうでないときでは、湘南のサッカーに大きな違いが出た。湘南の中で、代わりの利かない選手であった。
「今シーズン、MF田村が万全な状態でプレーできていたら・・・。」というのは、誰もが考えることである。
人気エントリー 湘南ベルマーレ編 (ベスト10)第01位 1079 2008/05/30
中田英寿のいない日本代表チーム第02位 1674 2009/06/01
快進撃を続けるベルマーレの数字上の矛盾第03位 1878 2009/11/22
【甲府×湘南】 夢のJ1に近づいた日 (生観戦記#13)第04位 1210 2008/10/19
【湘南×熊本】 菊池大介 17歳 (生観戦記 #13) 第05位 0727 2007/09/10
【湘南×東京V】 3982人の目撃者第06位 0819 2007/11/22
【仙台×湘南】 加藤望 38歳の輝き第07位 0420 2006/11/19
【湘南×愛媛】 憂愁のひらつか (生観戦記 #10)第08位 2185 2010/11/15
【清水×湘南】 ベルマーレのJ2降格の原因は?第09位 1887 2009/11/30
【湘南×草津】 ブレークする中村祐也 第10位 1894 2009/12/05
【水戸×湘南】 ベルマーレ 悲願のJ1昇格が決定!!!
- 関連記事
-
ガンバファンです。どんなにお膳立てをしてあげても、シュートを打たない&ゴールを外しまくった、そんな家長選手が大嫌い(ガンバファンの誰もが、家長選手に対して悪い印象しかないはず…)。五輪代表で家長選手が騒がれている時も、ガンバファンからすると、「違う…家長選手はそんな良い選手じゃない。西野監督のがっくりしている姿を見てみて…」と思っていました。
そんなに活躍できています?最近見たセレッソの試合だと、相変わらずの怖さの無さぶりだったのですが…うまいけれど、怖さが無い、ゴールを取られる気がしない、そんな印象です(こんなに辛口になるほど、ガンバでの家長選手はひどかった…)。
日本代表、世界最強、Jリーグ代表の投票サイトを開設しました。是非、お越しください。
http://www3.ocn.ne.jp/~hara_tax/nihon_poll.htm
トラックバックURL:https://llabtooflatot.blog.fc2.com/tb.php/2211-757f2cf1
←ベルマーレクィーン&マーメイドと、 ←799型の大画面ハイビジョンだけ? (Ser.5131) 一方、J1昇格と引き換えに失ったものは、ジャーンはじめ数知れず。 昨日は、 ←田村雄三が。・゚・(ノ∀`)・゚・。 20101128_ベルマーレホーム最終戦後の田村雄三あいさつ1 選…
| トップページ | 人気ブログランキング | Jリーグブログ村 | 全記事一覧 (2018年-2023年) | お気に入りに追加 |