■ J2で猛威を振るった外国籍の大型ストライカー2015年のJ2は大型フォワードの活躍が目立った。FWムルジャ(大宮)が36試合で19ゴール、FWジェイ(磐田)が32試合で20ゴール、FWウェリントン(福岡)は途中加入ながら18試合で7ゴール。J1昇格に大きく貢献したがJ1の舞台でも活躍中。FWムルジャは4試合で2ゴール、FWジェイは3試合で4ゴール、FWウェリントンは4試合で3ゴール。早くも存在感を発揮しておりJ1の中でもトップクラスのフォワードと言える。
FWムルジャ(大宮)は187センチとサイズに恵まれているが空中戦はそれほど強くない。J2時代の2015年の「敵陣空中戦勝率」は23.7%。FWジェイは66.5%で、FWウェリントンは53.9%だったことを考えると意外なほど空中戦で勝てていないが、裏を取るときのスピードは相当なレベル。何よりもシュートが上手なので相手からすると厄介である。MF家長らチャンスメークできる選手は多いのでゴール量産も期待できる。
FWジェイは怪我を抱えていたので開幕戦は欠場。2節でJ1デビューを飾ったがいきなり浦和戦(A)で途中出場で決勝ゴールを記録。4節の福岡戦(H)では2ゴールを記録するなど4節終了時点でJ1の得点ランキングのトップに立った。体の使い方が上手でキープ力が抜群。怪我が多いのは難点と言えるが、高さと強さだけでなく上手さも持っている。運動量は多くはないが老獪なプレーで相手CBを手玉に取ることができる。
FWウェリントンはここまで3ゴール。いずれもMF末吉のプレイスキックから。分かっていても止められない福岡の武器になっている。守備の部分で少なくない課題を抱えているFWムルジャやFWジェイと比較すると献身的なプレーができるのもFWウェリントンの魅力と言える。チョウ・キジェ監督率いる湘南で揉まれたこともあって「ここまで守備面で貢献するブラジル人フォワードはいない。」と言われるほど。
■ 日本人の大型フォワードで期待できるのは???日本人の大型フォワードの台頭も期待されるが、大きな可能性を感じるのはFW山崎凌(徳島)とFW瀧谷(岐阜)の2人。前者は鳥栖から期限付き移籍した大卒2年目で、後者は開幕直後の3月1日(火)に加入が発表された大卒ルーキーとなるがともに187センチとサイズに恵まれている。FW山崎凌はポストプレーヤーというよりは裏への飛び出しが一番の武器。3節の山形戦(H)で決めた2つのゴールは圧巻だった。
一方のFW瀧谷は最前線で体を張ったプレーでチームに貢献するタイプである。FWエヴァンドロが怪我をして戦線を離脱したことがきっかけで出番が回ってきたが、彼が最前線でプレーするようになってからFC岐阜は息を吹き返した。オフ・ザ・ボールのときの動きの質など課題はたくさんあるが、エネルギッシュにプレーできるのは魅力。4節の愛媛FC戦(H)ではJリーグ初ゴールを記録。3対0の勝利に大きく貢献した。
大卒ルーキーの中ではFW富樫(横浜FM)もここまで2ゴール。3節の新潟戦(A)と4節の鳥栖戦(H)で2試合連続ゴールを決めてFW伊藤翔から1トップのポジションを奪いつつある。FWカイケというブラジル人選手の加入が決まったのでポジションが安泰というわけではないが、FW伊藤翔と比べるとゴール前に飛び込んでいくときの迫力があるので相手に恐さを与えることができる。父親が日本人で母親がアメリカ人となる。
■ ライバル関係にある2人の大卒ルーキー日本人の若手では19歳のFW北川(清水)のプレーに注目したい。FW鄭大世が怪我で欠場していることもあって開幕からスタメンのチャンスを得ている。アタッカータイプで期待の若手はたくさんいるが、最前線でプレーできる期待の若手フォワードはなかなか出てこない。179センチとまずまずのサイズがあって、スピードがあって、技術が高くて、ゴール前で落ち着いたプレーができるFW北川は稀な逸材である。
移籍組の中ではFW永井龍(長崎)が目立っている。ここまで4試合で2ゴールを記録。1トップの位置で大きな存在感を発揮している。C大阪の下部組織でプレーしていた頃から将来を嘱望されたストライカーだったが層の厚いC大阪の攻撃陣ではチャンスをつかめず。完全移籍で長崎に加入したがここまでは高木琢也監督の期待にこたえている。(決定力を除くと)ストライカーに必要な要素を高いレベルで備えている。
ともに大阪のクラブに加入した大卒ルーキーのFW呉屋(G大阪)とFW澤上(C大阪)は大学の頃から比較されてきたが、早い時期にトップチームデビューを飾った。言うまでもなく、両チームはフォワードの層が厚い。G大阪の場合はFWパトリックやFW長沢駿、C大阪の場合はFWリカルド・サントスやFW田代有やFW玉田とポジションを争うことになるので相当にタフな環境であるが、すでに光るプレーを見せている。
FW呉屋は得点感覚が抜群。先日のJ3リーグの試合で初ゴールを記録したが、点を取る感覚は並外れたものがある。点を取る部分以外での質を上げることが目下の課題と言えるが、これから過密日程になるので十分に出場のチャンスはあるだろう。一方のFW澤上は3節の群馬戦(H)でJ2デビューを飾ったが身体が強くて高い将来性を感じさせる。左足を得意としており、元日本代表のFW久保(広島など)を連想させる。
2016年に注目すべきJリーガー (フォワード編) FW ムルジャ (大宮アルディージャ)
FW ジェイ (ジュビロ磐田)
FW ウェリントン (アビスパ福岡)
FW 山崎凌吾 (徳島ヴォルティス)
FW 瀧谷亮 (FC岐阜)
FW 富樫敬真 (横浜Fマリノス)
FW 北川航也 (清水エスパルス)
FW 永井龍 (V・ファーレン長崎)
FW 呉屋大翔 (ガンバ大阪)
FW 澤上竜二 (セレッソ大阪)
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