■ JリーグアウォーズJリーグは全日程が終了して、12月3日(月)にJリーグアウォーズが開催された。MVPは広島のFW佐藤寿、ベストヤングプレーヤー賞は鹿島のMF柴崎、フェアプレー個人賞は広島のFW佐藤寿、最優秀副審賞は相樂亨さん、最優秀主審賞は西村雄一さん、最優秀監督賞は広島の森保監督、最優秀育成クラブ賞はコンサドーレ札幌となった。
FW佐藤寿のMVP受賞については、「文句なし」と言える。仮に、最後に仙台に抜かれてチームが2位に終わっていたとしても、FW佐藤寿がMVPに選ばれていただろう。他の選手と比較しても、パフォーマンスは頭1つ抜けており、極めて妥当な結果と言えるだろう。
最優秀育成クラブ賞は札幌となったが、これも異論はない。「ユース・育成年代において功績を挙げたクラブを表彰する。」と規定されているので、誤解されがちであるが、今年度のトップチームの成績とは、ほとんど関係がない。今年もユースから6人の選手がトップチーム昇格を果たしており、主要大会の成績もいいので、妥当な判断と言えるだろう。
それ以外で気になったのは、最優秀副審賞である。最優秀主審賞と最優秀副審賞については、ここ数年、西村雄一さんと相樂亨さんの独壇場となっているが、一般人では、誰が副審として優秀なのか、判断するのは難しい。相樂亨さんは副審として世界的にも評価が高いが、一度、相樂亨さんの動きだけに注目して、試合を観たいところである。
■ ベストイレブンに関して(1)ここまでは、大きな違和感はないが、ベストイレブンについては、「あれっ」と思うところはある。一番は、J2に降格したG大阪のMF遠藤が選出されていることである。これが妥当なのか、否か。個人的には、今年のパフォーマンスは、ベストイレブンには値しないと思う。
まず、選考方法を確認すると、「同年、J1リーグ戦17試合以上に出場した者から、Jリーグの監督・選手による投票結果を基に各ポジションの投票数の上位選手から「優秀選手賞」が選出されて、その中から活躍が顕著だった選手11名をベストイレブンに選出する。」となっている。
ルールとしては、GKは1名で、外国籍選手は3名以内となっている。(アジア枠として1名まで追加可)。また、DF、MF、FWに関して、人数は決まっていないので、1995年のように「4-2-4」になるときもあるし、また、1993年のように「5-3-2」になることもある。
■ ベストイレブンに関して(2)サッカーコラム J3 Plus+では、毎年、J1とJ2のベストイレブン(1stチームから4thチームまで)を選出しているが、2012年については、実際に選出されたメンバーと大差はなかった。全く同じだったのは、GK西川、DF駒野、DF闘莉王、MF青山敏、MF高萩、FW佐藤寿、FWウイルソン、FW豊田の8名で、違ったのは3名である。
Jリーグのベストイレブンに選ばれた選手では、MFレアンドロ・ドミンゲスは2ndチーム、DF水本は3rdチームに選んでいて、MF遠藤だけが選外だったので、やはり、MF遠藤の選出に関しては、違和感を感じてしまう。名前が呼ばれたとき、本人も驚いていたが、「これは違うのでは?」と感じた人は多かったと想像できる。
もちろん、チームはJ2降格となったが、G大阪はリーグトップの67得点を挙げている。その中で、MF遠藤の果たした役割は大きかったので、「明らかにおかしい。」というわけでもないが、疑問の残る選出だったことは間違いないだろう。
■ 誰が妥当だったか?では、誰がベストイレブンにふさわしかったのか。「サッカーコラム J3 Plus+」のベストイレブンを選出したとき、中盤の選考理由について、以下のように記述している。
→ 中盤の1stチームは、青山敏、阿部、藤田、高萩の4人を選出した。この中で序列をつけると、1番目が藤田で、2番目が阿部で、高萩と青山敏については、2ndチームの森崎和、角田、レアンドロ・ドミンゲスなどと、どちらが上なのか、かなり迷ったが、優勝に大きく貢献した点と大きな怪我もなくコンスタントに活躍してゴールに絡むプレーを多く見せたことを評価して高萩と青山敏を1stチームに選出した。
2ndチームは、他には、中村憲、中村俊の2人を選んでおり、3rdチームは、高橋、山口螢、ミキッチ、梅崎、山田、ジョルジ・ワグネルを選出した。この中で、ミキッチは、秋以降、怪我もあって試合に出場できないケースが多かった点がマイナスとなったが、打開力はリーグナンバー1であり、前半戦の活躍は目覚ましかった。このとおり、ミッドフィールダーに関しては、鳥栖のMF藤田が「今シーズンのベストMFだった。」と評価している。よって、「藤田がベストイレブンどころか、優秀選手にも選ばれていない。」というのは、今回の一番の謎であり、遠藤のベストイレブン選出以上に違和感を感じるところである。
プロ野球のベストナインの投票資格を持つのは、「記者で、全国の新聞、通信、放送各社に所属していて、5年以上プロ野球を担当している人」となっていて、Jリーグのベストイレブンは、先のとおり、Jリーグの監督・選手が選出している。
もちろん、プロ野球の方も、毎年、選考結果で揉めているので、どちらがいいとは言えない。そして、全ての人が納得できるメンバーを選ぶことは無理な話ではあるが、「ベストイレブン」あるいは「優秀選手賞」というのは、選手にとっては、かなりの勲章なので、ツッコミどころが少なくて、多くの人が納得できるメンバーを選んでほしいところである。
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