日本代表の総括の第一弾です。今大会の、日本代表23選手の評価です。ピッチ外の状況は分からないので、あくまで、ピッチ上のプレーで感じた印象のみです。出場機会のなかった選手については、コメントは難しいので省きます。
楢崎正剛 -なし。
土肥洋一 -なし。
川口能活 6.5数々の印象的なセーブを見せた。特に、クロアチア戦のPKストップは、大会のハイライトのひとつ。ミスらしいミスは、オーストラリア戦のロングスローへの対応ミスだけだったが、そのミスが致命的となった。敏捷性とキャッチングの安定感は際立つが、高さへの対応で限界も見せた。
茂庭照幸 5.0坪井に代わって、オーストラリア戦で途中出場したが、結果的には、1点リードを守りきれなかった。1失点目につながった、イエローカードを取られたシーンは、相手のシミュレーションにも見えるが・・・。
駒野友一 5.0初戦に加地に代わって先発出場。精力的に右サイドをオーバーラップしてチャンスを演出したが、ラストパスの精度があまりにも低かった。
宮本恒靖 4.5オーストラリア戦、クロアチア戦と、優れたカバーリング能力を見せ付けたシーンもあったが、いかんせん、パワープレーのときの、競り合い能力のなさをさらしてしまった。ただ、これは、宮本のせいだけではない。
中田浩二 5.0ブラジル戦の後半途中からボランチで起用されたが、効果的なプレーは出来ず。フル出場を果たした前回ワールドカップと比べると、不本意だったに違いない。
三都主アレサンドロ 6.0この4年間、パフォーマンスに対して大きな批判を受けてきたが、ドイツでは、素晴らしいプレーを披露した。明らかに、日本の左サイドからの攻撃は、相手にとって、要警戒すべきポイントのひとつになっていた。残念なのは、3バックのときのポジショニングが中途半端で、オーストラリア戦で、左サイドの守備が破綻したこと。加地と三都主のプレーは、4バックのときの方が良かった。
坪井慶介 3.5オーストラリア戦の途中交代と、ブラジル戦でのロナウドへの対応のまずさで、大きく減点した。今大会では、相手のドリブル突破に対して、常に受身で、非常に対応がまずかった。
加地亮 6.5オーストラリア戦の欠場が悔やまれる。クロアチア戦でも、ブラジル戦でも、相手のサイドプレーヤーとの争いでは、常に優勢だった。今の加地なら、世界中のどのクラブでも、右サイドバックでレギュラーポジションを獲得できるだろう。
中澤佑二 5.5 少なくとも、高さでは、世界と互角に戦えていた。宮本や坪井の穴を埋めつつ、クロスへの対応も間違いがなかった。ただし、世界的なセンターバックになるためには、強さと硬骨さが足りなかった。できれば、ワールドカップ後に、欧州のリーグにチャレンジしてほしい。
遠藤保仁 -ジーコ監督は、いったい、遠藤をどういう場面で使うつもりだったのだろうか?
中田英寿 5.0パスミスが多く、彼、本来の出来ではなかった。ボクは、日本が、グループリーグを突破出来なかった最大の原因は、ボランチの中田の位置でボールが落ち着かなかったことだと思う。こんなに、パスミスの多いヒデは記憶にない。ただ、それでも、ピッチ上で、一番戦っていたのは、ヒデだった。その姿は、感動的ですらあった。
大会後の報道で、「中田がチーム内で孤立していた」とか、「WBCのときのイチローのようにはなれなかった。」というような記事を目にするが、あまりにも的外れで、論じる価値もない。フランスワールドカップの予選以来、日本サッカー界は、ヒデに頼りすぎてきた。これから、日本代表の試合のときには、彼のかかえる負担をできるだけ軽くしてあげたい。ブラジル戦の試合終了のホイッスルと同時にピッチに倒れこんで、彼の体は限界で悲鳴を上げた。
小笠原満男 6.0クロアチア戦、ブラジル戦と先発出場し、ハイパフォーマンスを見せた。オーストラリア戦で、ボールの落ち着きどころがなかった日本代表は、小笠原の存在で息を吹き返した。悔やまれるのは、ブラジル戦のジーコ采配。あの場面は、小笠原 outではなく、中村 outが正解だったのではないか?
中村俊輔 5.0体調不良もあり、本来の出来からは程遠かった。相手のDFのマークが集中したが、かわすことも、振り切ることもできなかった。中村中心のチームで、中村が活躍できなければ、世界大会で勝利を奪うことは難しい。
福西崇史 4.5オーストラリア戦、クロアチア戦の前半と、運動量が乏しく、相手の中盤のキーマンを捕まえ切れなかった。不動のレギュラーが一転、大会期間中に、稲本にポジションを奪われた。
稲本潤一 5.5福西の不調で、大会途中からレギュラーに復帰。精力的な動きで、中盤を活性化させたが、2002年のときのようなチームを勝利に導く活躍は出来なかった。厳しいことをいうと、この選手は、守備だけこなしていればOKというようなレベルのボランチではない。オールラウンドな稲本の復活を望みたい。
小野伸二 3.0チーム最低点。オーストラリア戦の不出来が大きな減点要因になった。あの場面で、小野なら、うまく試合をコントロールしてクローズしてくれるというジーコ監督の期待に応えるためには、あまりにも、体調が整っていなかった。本調子でない中、小野の3度目のワールドカップは終わったが、ボクは、小野伸二がこのまま終わる選手だとは思わない。心からの復活を期待する。
高原直泰 4.0エースストライカーが、無得点で大会を終えたなら、批判は逃れられない。オーストラリア戦では、切れのある動きを見せて、期待感を抱かせたが、クロアチア戦では沈黙した。高原に必要なのは、まずは、クラブでゴールを量産すること、そして、代表でも価値のあるゴールを奪って、チームメートの信頼を獲得すること。ポテンシャルは十分だが・・・。
巻誠一郎 5.5出場機会のあったブラジル戦では、精力的な動きを見せて、相手のセンターバックと対決したが、決定機は作れなかった。ただ、持てる力は、全て発揮した。
柳沢敦 4.0オーストラリア戦では、スピードに乗ったドリブルから、何度かカウンターからチャンスを作ったが、最後の場面で精度を欠いた。ただ、この柳沢の特性は、初めからわかっていたことで、いまさら批判してもしょうがない。総合力で、柳沢を上回るフォワードがいなかったことが問題。
大黒将志 4.53試合とも交代で出場したが、全く仕事は出来なかった。中途半端に下がってきてボールを奪われて、決定的なピンチの場面を招くことも多く、トップレベルでの試合経験不足を感じた。大黒の選考は、正しかったのか?
玉田圭司 6.5ブラジル戦のゴールは、ファンタスティックとしかいいようがない。玉田の選考については、いろいろと批判もあったが、その声は、ゴールで封じ込めた。悔やまれるのは、クロアチア戦でのシュートミス。
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