■ 第22節J2の第22節。9勝3敗4分けで勝ち点「31」のジェフ千葉と、7勝5敗4分けで勝ち点「25」のコンサドーレ札幌の対戦。札幌はフクアリでの試合を得意にしていて、過去の5試合で無敗と相性がいい。札幌にとっては、勝つと千葉との勝ち点差が「3」となって、昇格レースに加わることができる大事な試合である。
ホームの千葉は「4-2-3-1」。GK岡本。DF山口慶、竹内、ミリガン、坂本。MF佐藤勇、村井、林、米倉、深井。FWオーロイ。元日本代表のMF村井がボランチで先発。今シーズンは初スタメン。MF伊藤は怪我のため離脱中で、右サイドはMF林。元日本代表がMF藤田がベンチ入りを果たした。
対するアウェーの札幌は「4-2-3-1」。GK李昊乗。DF日高、山下、河合、高木。MF宮澤、岩沼、古田、砂川、近藤。FW内村。昨シーズンのフクアリの試合ではMF古田が2ゴールをマークしている。リーグ戦で4ゴールを挙げているFW横野がベンチに控える。
■ ジェフが快勝試合は立ち上がりからホームの千葉の一方的な展開となる。FWオーロイ、MF米倉、MF深井、MF林の攻撃陣がうまく絡んで厚みのある攻撃を見せると、前半ロスタイムにMF村井の左足から先制ゴールが生まれる。
バイタルエリアでボールをもったMF村井が左足でミドルシュートを放つと、最初のシュートはブロックされるが、こぼれ球が再びMF村井のところにこぼれてくる。これを同じように左足で強烈なシュートを放つと、ネット隅に突き刺さって千葉が先制する。MF村井は今シーズン初ゴール。前半は1対0で千葉がリードして折り返す。
後半も千葉ペースで進む。後半14分に左サイドでスローインを獲得すると、DFミリガンが得意のロングスローを入れると、札幌のGK李昊乗がかぶってしまってクリアできずに、その裏に入ってきたDF竹内がヘディングシュート。最初のシュートはポストに直撃するが、跳ね返ってきたボールがDF竹内の体に当たってゴールイン。2対0とリードを広げる。DF竹内は今シーズン6ゴール目。試合はそのまま2対0で千葉が勝利。勝ち点「34」となって2位をキープした。一方の札幌は7試合ぶりの敗戦で9位に転落した。
■ 4強の昇格争いとなってきたJ2スコアこそ「2対0」だったが、試合は千葉の一方的な展開で、シュート数も千葉が26本だったのに対して、札幌は5本だけ。札幌のチャンスは前半のMF砂川のフリーキックくらいで、千葉にとっては危なげない試合だった。
これで千葉は勝ち点「34」となったが、首位のFC東京が「35」で、3位の徳島が「34」で、4位の栃木SCが「33」。5位の北九州が「27」で、6位の鳥栖と7位の熊本が「26」で続いているが、4位の栃木SCと5位の北九州との差が「6
」と広がってきて、J2は「4強」といえる状況になってきた。
「大本命」と言われながら出遅れていたFC東京も、ここ11試合は8勝3分けと好調で、千葉、徳島、栃木SCの3チームも取りこぼしはあるが、まずまず順調に勝ち点を重ねていて、シーズン折り返しの段階で、いい位置に付けている。徳島、栃木SC、北九州、鳥栖、熊本はJ1未経験のクラブであるが、昇格の有力候補と言われていた横浜FCや京都が出遅れたので、初のJ1昇格を果たすチームが出てくるかもしれない。
■ MF村井が先制ゴール千葉は、MFファン・ゲッセルとMF伊藤が欠場となったため、MF村井がボランチで起用されたが、これが成功した。MF村井は左サイドのスペシャリストなので、ボランチのイメージはほとんどない選手であるが、ボールをキープ出来て、つなぎも正確なので、ボランチもそつなくこなした。
今シーズンは出場機会に恵まれていないが、最大の武器である左足は錆びついておらず、ミドルシュートを中心にシュート5本。うまくミートしたシュートがほとんどで、ゴールにつながったシュート以外にも、可能性を感じさせるシュートがあった。
千葉はFWオーロイのところにロングボールを入れてくることが多くて、こぼれ球を拾って二次攻撃につなげるのがスタイルとなっているが、ミドルシュートが得意なボランチがいると得点のチャンスは膨らんでいく。
■ 札幌は完敗対する札幌は、勝つと5位に浮上することができたが、完敗を喫して9位。上位との直接対決で差を縮めたかったが、逆に離されてしまった。GK李昊乗の好セーブが何度かあったので、2失点に抑えることができたが、ほとんどゴールチャンスもなくて、いいところが出せなかった。
痛かったのは、前半のロスタイムの失点である。前半から圧倒されていたが、0対0でしのぐことができていたら、流れは変わっていたかもしれない。MF村井のシュートが見事だったので、止めるのは難しいシュートだったが、最初のシュートのこぼれ球が、MF村井のところにこぼれてしまうというアンラッキーもあった。
■ 岡山一成 デビュー札幌は0対1というスコアだった後半11分にDF岡山を投入。新加入のDF岡山はこれが、札幌でのデビュー戦となった。MF近藤との交代だったので、3バックにするという選択肢や、DF岡山をフォワードで起用するという選択肢もあったが、ノーマルにセンターバックで起用してきて、DF河合がボランチに上がることになった。
札幌はボランチのMF芳賀を欠いていることもあって、ボランチのポジションで絶対的な存在がいない。もし、DF岡山がセンターバックのスタメンで起用できるようだと、展開力と守備力のあるDF河合をボランチで起用できるので、攻守ともに安定しそうで、なかなかゴールに結びついていないセットプレーも強力になる。
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