■ 決勝戦 Jユース選手権は決勝戦。初優勝を目指す横浜Fマリノスユースと、FC東京U-18の対戦となった。マリノスユースは準決勝で東京Vユースに2対0で勝利を飾った。注目はトップチームでもプレーしているFW小野裕二。J1では17試合で3ゴールを挙げている。
対するは2連覇を目指すFC東京U-18。昨年度の大会はFW重松の活躍もあって広島ユースに2対0で勝利している。ここ5大会で4度目の決勝進出。2007年、2009年に日本一になっている。準決勝は1対0で京都サンガユースを下している。
■ 延長戦の末・・・試合は前半早々に横浜FMがDF星のゴールで先制。しかし、東京も前半30分にMF江口のゴールで追いついて前半は1対1で終了する。後半は、両チームともになかなかシュートまで持っていけない展開となるが、後半12分に横浜FMがMF松本のドリブルからPKを獲得すると、MF松本が自ら決めて2対1とリードを奪う。その後、FC東京はMF岩木がミドルシュートを決めて2対2。再び、同点に追いつく。
点の取り合いとなった試合は後半33分に横浜FMが右サイドからMF松本がクロスを上げると途中出場のFW高橋がうまく合わせて3対2とこの試合で三度目のリードを奪う。それでも諦めないFC東京は試合終了間際にゴール前に飛び込んだMF江口がこの試合2点目を決めて3対3。試合を振り出しに戻す。
15分ハーフの延長戦に進んだ試合は、延長前半10分に横浜FMが勝ち越しに成功する。右サイドからのクロスに対して162㎝のMF松本がうまく頭で合わせて4対3とまたしてもリードを奪う。その後、FC東京もMF武藤を中心に反撃を試みるが、追いつくことは出来ず。結局、4対3で横浜FMが勝利。見事に日本一に輝いた。
■ マリノスが日本一点の取り合いになった試合を制したのはマリノスユース。2回戦の清水戦が5対4、準々決勝の広島戦が5対3と今大会は打ち合いの試合を制してきたが、決勝もその流れとなって、リードを奪っても守りきれない弱さも見せたが、攻撃のタレントが要所で活躍を見せて初優勝を飾った。
輝いたのは、来シーズンからのトップチーム昇格が決定しているMF松本翔。1点目のゴールにつながるミドルシュート、2点目のPK奪取とゴール、3点目の見事なアシスト、4点目のヘディングでの決勝ゴールと、チームの4つのゴール全てに絡む大活躍を見せた。最後の大会で日本一になってプロの道に進むことになるが、ドリブルだけでなくキックの精度が高い点に魅力を感じる選手であり、3点目のアシストはクロスの質が非常に高くて見事な軌道だった。
■ 小野は不発注目されたFW小野であったが、この試合はゴールに絡むことは出来なかった。FW小野の1トップ気味の布陣であったが、前の4人は自由にポジションを変わって流動的にプレーしていたが、FW小野はドリブルでもなかなか突破できずに苦戦した。
J1では十分に通用している選手なので、ユースの試合では頭一つ抜けたプレーを見せるかと思われたが、そこまでの存在感はなかった。J1でプレーしていたので、疲れもあったのかしれないし、プレッシャーもあったのかもしれない。ただ、キープ力や最後まで落ちない運動量はさすがであり、高校を卒業して、来シーズンは本格的にプロの世界で進むことになる。
J1ではシュートシーンは作ることが出来ていたので、そこを確実に決められるようになることが現時点での課題であり、前線からのアグレッシブな守備やキープ力はこれまでの日本人のアタッカーにはあまりなかったものがあるので、オールラウンドな活躍を期待したいところである。
■ 準優勝のFC東京先行されながらも3度も追いついたFC東京だったが、及ばずに2連覇はならなかった。マリノスユースはFW小野とMF松本のトップチーム昇格が決まっているが、FC東京はトップチームに昇格する選手はいない。ただ、タレント力では負けておらず、MF武藤、FW前岡ら好選手が多かった。
下部組織が充実しているクラブというと、ガンバ大阪やサンフレッチェ広島の名前が上がるが、FC東京も負けてはおらず、ここ数年の実績はトップクラスであり、毎年のように好チームを作ってくる。この安定感は見事であり、いつもユースはタフで勝負強いチームに仕上げてくる。「ユースの目的は大会で勝つことではない。」という意見もあるが、これだけ高レベルの選手を毎年、輩出しているということは、クラブの財産になるだろうし、日本サッカーの財産にもなるだろう。
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