■ 第14回3節の東京ヴェルディ戦で勝利しJ2初勝利を飾った昇格1年目のギラヴァンツ北九州。4試合を終えて1勝2敗1分けという成績を残している。対するジェフ千葉は2勝1敗1分け。3節の徳島ヴォルティス1対3と敗れたが、4節のザスパ草津戦は2対1で逆転勝利を飾った。
ホームの北九州は<4-4-2>。GK水原。DF重光、川鍋、長野、日高。MF桑原、村松、関、佐野。FW大島、中島。DF冨士が怪我のため長期離脱中でDF日高が左サイドバックで先発。2009年は水戸でプレーしたMF村松がスタメン出場。中盤はダイヤモンド型でトップ下にMF佐野。2トップはFW大島とFW中島。
対する千葉は<4-1-2-3>。GK櫛野。DF鎌田、茶野、ミリガン、渡邊。MF山口、工藤、佐藤勇、アレックス、倉田。FWネット・バイアーノ。FW巻、FW深井、MF太田、MF中後、DF坂本がベンチに控える。
■ 3対0の勝利試合はアウェーの千葉が主導権を握る。激しいプレスで北九州の自由を奪い、中盤からの果敢な飛び出しで分厚い攻撃を見せる。前半9分には自陣でのフリーキックからカウンター。北九州の守備への切替がやや遅れたことを見逃さず、DF渡邊→MF佐藤勇→FWネットとつないで、FWネットが得意の左足でゴール。
さらに前半25分にも直接フリーキックのチャンスを獲得。FWネットのシュートをGK水原が正面にはじくとつめていたMF倉田が蹴り込んで追加点。2対0とリードを広げる。前半は2対0で終了。
後半12分にもMF佐藤勇のパスからMFアレックスが決めて3点目を挙げる。MF佐藤勇は2アシストの活躍。北九州はセットプレーから何度かチャンスを作るがゴールは奪えず。結局、3対0で千葉が勝利。今シーズン3勝目を飾った。
■ カムバックした佐藤勇人開幕からスッキリした形の勝利がなかった千葉だったが、昇格組の北九州を相手に攻守ともに圧倒し、3対0の勝利。FWネット、MF倉田、MFアレックスという前の3人が共にゴールを挙げる活躍で、完勝となった。
1ボランチに名古屋から加入のMF山口を置いて、その前の5人がかなり流動的に攻撃に参加して行くスタイルがようやく形になりかけてきたが、やはりMF佐藤勇の存在が大きいといえる。MF工藤とともに攻撃と守備をつなぐ重要な役割を任されているが、攻守にわたって気の利いたプレーを見せている。
いいタイミングで攻撃にも参加し、2アシスト。共に優しいパスを前線に送って、「決めるだけ」というパスをFWネットとMFアレックスの左足に届けた。2008年に京都サンガに移籍したが、今オフに千葉に復帰。この2年間、千葉は攻撃の流動性が不足していて、どうしても個人のドリブルに頼る攻撃が多く、単発な攻撃に終始することが多かっただけに、復帰したMF佐藤勇の存在は大きい。
■ 左サイドのDF渡邊圭二この試合は左サイドバックで起用されたDF渡邊の出来も非常に良かった。4節の草津戦に続いてスタメン出場を果たしたが、正確なプレーで攻撃の起点の1つとなった。前半9分のFWネットのゴールにつながったカウンターのシーンでも起点になっていて、技術の高さが際立った。
DF渡邊は2008年まで名古屋グランパスでプレー。2009年は北信越1部リーグでサッカーの専修学校である「JAPANサッカーカレッジ」に所属していた選手である。プロ選手としては1年のブランクがあるが、判断のスピードや技術の高さはさすがのものを感じさせた。
千葉はDFアレックスを左サイドバックで起用することもあったが、DFアレックスが左サイドバックに入るとビルドアップの確実性は増すが、DFアレックスはもっと高い位置でプレーした方が相手に脅威を与えることが出来る。ただ、昨シーズン、DFアレックスが最終ラインにいないとうまくビルドアップできないという試合もあったので使いどころに悩むところであるが、DF渡邊の左サイドでの起用に目処が付けば、チームにとっても大きい。
■ 正確さを欠いた北九州対する北九州は千葉のプレスに苦しんだ。試合途中にトップ下のMF佐野のポジションがやや低めになって、MF佐野の位置から好パスが出るようになったが、DFミリガンを中心とする千葉の最終ラインを崩すことは出来なかった。FW大島とFW中島の2トップも奮闘したが、経験豊富な千葉を相手に思うようなプレーは出来なかった。
後半開始から、MFウェリントンとFW池元を投入。FW池元の積極的なドリブルは効果を発揮したが、ペナルティエリア内で相手に恐怖を与えられるような選手はおらず、5試合で2ゴールと得点力では他のチームと比べると見劣りしてしまう。
関連エントリー (ギラヴァンツ北九州)1714 2009/07/26
【JFL:刈谷×北九州】 アマラオ 42歳の現役復帰 (生観戦記 #8)1962 2010/02/15
【PSM:北九州×岡山】 天才少年・佐野裕哉の巻き返し人気エントリー ジェフ千葉編 (ベスト10)第01位 1262 2008/12/06
【千葉×FC東京】 奇跡のエンディング第02位 0875 2007/12/16
オシムジャパンを殺したのはセルジオ越後か? 第03位 1211 2008/10/20
【千葉×東京V】 巻誠一郎という男 (生観戦記 #14)第04位 1101 2008/06/19
DF水本裕貴の退団とカンテーラについて第05位 0397 2006/11/03
【ナビスコ決勝:鹿島×千葉】 心を打つ千葉のサッカー 第06位 0521 2007/03/11
【千葉×清水】 フクアリという名の劇場で (生観戦記 #4)第07位 0648 2007/07/14
オシムはジェフの選手を「ひいき」してはいないか? 第08位 0762 2007/09/30
【千葉×FC東京】 これ以上ないほどのエレガントさ 第09位 0944 2008/02/19
イビチャ・オシム監督がPK戦を見ることができなかった尊い理由第10位 1015 2008/04/13
【千葉×大宮】 きっと新居辰基が救世主になる!!! (生観戦記 #4)
- 関連記事
-