■ GLの初戦の相手はU-23パラグアイ代表パリ五輪は7月26日(金)に開会式が行われるが開会式に先立って男子サッカーがいよいよスタートした。U-23アジア杯を制覇してアジア王者として大会に参加するU-23日本代表はGLの初戦で南米王者のU-23パラグアイ代表と対戦した。パラグアイは南米予選ではアルゼンチンと引き分けてブラジルには1対0で勝利している。オーバーエイジも活用して銀メダルを獲得した2004年のアテネ五輪の再現を目指す。
日本は「4-2-3-1」。GK小久保玲央ブライアン(シントトロイデン)。DF関根大(柏)、DF高井幸(川崎F)、DF木村誠(鳥栖)、DF大畑歩(浦和)。MF藤田譲瑠チマ(シントトロイデン)、MF山本理(同)、MF三戸(ロッテルダム)、MF平河悠(ブリストル・シティ)、MF斉藤光(ロッテルダム)。FW細谷(柏)。フランス戦はベンチスタートだったDF大畑歩とFW細谷がスタメン出場。DF半田陸(G大阪)は無念の離脱となった。
ベンチスタートになったのはGK野澤大志ブランドン(FC東京)、DF西尾(C大阪)、DF鈴木海(磐田)、MF川崎颯(京都)、MF荒木遼(FC東京)、MF佐藤恵(ブレーメン)、FW藤尾(町田)の7名。怪我をしたDF半田陸に代わって磐田のDF鈴木海がメンバー入り。左右のSBをこなすDF内野貴(デュッセルドルフ)がバックアップメンバーとして帯同することになった。SBの専門家のDF半田陸が抜けたことで両SBはかなり手薄になった。
■ アジア王者の日本 vs 南米王者のパラグアイアジア王者の日本 vs 南米王者のパラグアイの試合は日本ペースになった。前半19分にMF斉藤光のスルーパスから抜け出したDF大畑歩がグラウンダーの折り返し。エリア内でボールを受けたMF三戸が右足で決めて日本が先制に成功する。前半25分にはMF平河悠へのラフプレーでパラグアイの10番の選手にレッドカードが提示される。パラグアイは前半の半ばで10人になった。前半は1対0で折り返した。
後半の序盤はギアチェンジしたパラグアイがチャンスを作ったが後半18分にMF斉藤光のクロスから164cmのMF三戸がヘディングで合わせて大きな追加点を奪った。さらに後半24分には右サイドから途中出場したMF佐藤恵がクロス。MF斉藤光がつないだボールをレフティのMF山本理が左足で流し込んでダメ押しの3点目を奪った。JFAアカデミー福島出身のMF三戸は2ゴール、MF斉藤光は2アシストの活躍だった。
さらに後半36分に途中出場したMF荒木遼のFKからFW藤尾がヘディングで合わせて4点目。後半43分にはFW細谷のパスから抜け出したFW藤尾がキーパーとの1対1の決定機をしっかりと決めて5点目のゴールを奪った。J1の町田でプレーするFW藤尾も途中出場ながら2ゴールの大活躍だった。5対0で大勝した日本が大事な初戦で勝ち点「3」を獲得した。パラグアイはまさかの5失点。厳しいスタートを切った。
■ MF三戸舜介が2ゴールの大活躍!どんな大会でも初戦は難しい。緊張もあって力を出し切れないケースは多いがまさかの完勝。夢のスコア(夢スコ)での大勝だった。大きかったのは前半19分のMF三戸の先制ゴールになる。上手く左サイドを崩してチャンスを作った。エリア内でボールを持ったMF三戸へのチェックは甘かったがリプレーを見るとFW細谷が上手く相手DFをブロックしていることが分かる。「FW細谷のファインプレーだった。」と言える。
MF三戸は後半18分にもヘディングで2点目のゴールをゲット。この日の主役になった。その後、3点目を取れるチャンスもあった。五輪の舞台でハットトリック達成となると大快挙だったが2点目のヘディングの場面は躍動感があった。164cmなので背は低いがダイナミックに合わせた。世界大会になると「先制ゴール」と「追加点のゴール」は普段のリーグ戦と比較しても重要になってくる。価値ある2ゴールだった。
10番のMF斉藤光も2アシストの活躍だった。1点目のMF三戸のゴールをアシストしたDF大畑歩にスルーパスを出したのもMF斉藤光だったのでたくさんのゴールに絡んだ。鮮やかだったのはMF三戸のヘディングでのゴールをアシストしたプレー。華麗にドリブルでかわしてから正確なクロスを入れた。左右のサイドハーフの打開力は大岩JAPANの大きな武器となる。GLの初戦から10番の仕事をしっかりと果たした。
MF平河悠の突破力は欠かせない武器なので彼の負傷交代は残念だった。がっつりと踏まれたところは確認できたが強く踏まれたので「実は骨折」という可能性もゼロではない。軽傷であることを祈りたいが代わって出場したMF佐藤恵のプレーはまずまず良かった。持ち味であるパワーとスピードを生かして右サイドから何度かチャンスを作った。後半24分の3点目のMF山本理のゴールをお膳立て。アピールに成功した。
■ 「万能型のフォワード」から「超・万能型のフォワード」へこのチームのエースであるFW細谷は自身のゴールこそなかったが1トップの位置で奮闘した。ポストプレーを得意にしている選手ではないが持ち味である体の強さを生かしてしっかりとボールをおさめた。先のとおり、1点目のMF三戸のゴールはFW細谷の隠れたファインプレーが生んだ。プレーに関与する回数はあまり多くなかったがプレーの質は高かった。「CFとして素晴らしいプレーを見せた。」と言える。
FW藤尾は途中出場ながら2ゴール。大きなインパクトを残した。FW細谷がピッチに残ったのでフォワードではなくて右サイドハーフの位置でプレーしたがサイドの位置で絶大な存在感を発揮した。多彩な能力を持った選手なのでサイドハーフでも十分にやれると思うが仮に負傷交代したMF平河悠がしばらくプレーできないのであれば「FW細谷とFW藤尾をスタメンで併用する。」というのは十分に考えられる。
C大阪U-18の頃から「万能型のフォワード」として評価が高かったが、高さがあって、身体能力も高くて、ヘディングが強くて、ポストプレーも出来て、運動量が多くて、守備意識も高くて、フリーランニングも出来る。「万能型のフォワード」はプロの世界に入ると「器用貧乏になるケース」も多々あるがFW藤尾はプロの世界で揉まれて「超・万能型のフォワード」になりつつある。CFとして武器をたくさん持っている。
日本とパラグアイの試合の後に行われたイスラエルとマリの試合は1対1のドロー。ともに勝ち点「1」を獲得した。なのでグループDは日本が勝ち点「3」、イスラエルとマリが勝ち点「1」、パラグアイは勝ち点「0」となった。日本は次のマリ戦で勝利したら早くもGL突破が確定する。また、失点差のことを考えると「残り2試合が0勝1敗1分けでもGL突破はほぼ確実」と言える。初戦で5対0の大勝は色々な意味で大きい。
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