■ J2の第3節J2の第3節。1勝1分けのベガルタ仙台はホームのユアテックスタジアムで水戸ホーリーホックと対戦した。U-17日本代表の森山監督を招聘した仙台は開幕2試合はいずれもアウェイ戦だったので3節にしてようやくのホーム開幕戦となる。2節はアウェイで長崎と対戦したが2対1で勝利した。濱崎監督になって2年目のシーズンになる水戸はここまで1勝1敗。開幕戦はホームでいわきFCと対戦して1対0で勝利した。
ホームの仙台は「4-2-2-2」。GK林彰洋。DF高田椋、小出、菅田、石尾陸。MF工藤蒼、長澤和、オナイウ情滋、相良。FWエロン、中島元。フォワードは1節はFW中山仁が先発だったが2節からは新戦力のFWエロンが先発で起用されている。ミッドウイークに行われたルヴァン杯の1回戦はアウェイで沼津に2対3で敗れたがこの試合でゴールを決めたFW菅原龍之助とMF郷家はともにベンチスタートとなった。
対するアウェイの水戸は「4-2-3-1」。GK松原修。DF大崎航、牛澤、山田奈、石井隼。MF長尾、長井一、甲田、落合陸、野瀬。FW安藤瑞。こちらもミッドウイークにルヴァン杯の1回戦のY.S.C.C.横浜戦(A)を戦ったがカテゴリーが下となるY.S.C.C.横浜に敗れて0対1で敗れた。右SBはDF後藤田がベンチ外。レフティのDF大崎航が右SBに回ってDF石井隼が左SBで先発となった。MF新井晴が初めてベンチに入った。
■ 待ちに待ったホーム開幕戦仙台のサポーターにとっては待ちに待ったホーム開幕戦だったが前半は静かな展開になった。どちらもあまりチャンスシーンを作れなかった。仙台は2トップの一角で起用されているFW中島元が縦横無尽に動いてチャンスを演出しようとしたが相方のFWエロンは前線で孤立気味。新・エース候補のFWエロンの見せ場はなかなか訪れなかった。水戸も1トップのFW安藤瑞が孤立していい形を作れなかった。
0対0で迎えた後半はホームの仙台が押し込む展開になった。後半15分にはFW中島元のフリックからFWエロンが左足で強烈なシュートを放ったが水戸のGK松原修が好セーブを見せた。ホーム開幕戦で先制ゴールの欲しい仙台は後半17分にFWエロンとMFオナイウ情滋を下げてFW菅原龍之助とMF郷家を投入。後半28分にはFW中島元のパスから大卒2年目のFW菅原龍之助にシュートチャンスが訪れた。
後半31分にはDF小出の縦パスを上手く収めた途中出場のMF郷家がやや意外なタイミングで裏のスペースに絶妙な浮き球のパスを出すとジャストタイミングで走り出した左SHのMF相良が胸でコントロールしてからループシュート。これが鮮やかに決まってホームの仙台が先制に成功する。21歳のMF相良は早くも今シーズン2ゴール目となった。1対0で勝利した仙台は2連勝。2勝1分けと好スタートを切った。
■ 大卒2年目のボランチのMF工藤蒼生クラブワーストの16位に沈んだ2023年からの巻き返しを図る仙台はいいスタートを切った。昨シーズンは11試合未勝利を経験するなど大いに苦しんだが「モチベーター型の監督」である森山監督になって雰囲気はガラッと変わった。ずっと育成年代に携わってきた指導者なので若手をたくさん抜擢することは容易に予想できたがDF石尾陸、MF工藤蒼、MFオナイウ情滋などを主力に抜擢。チームは大きく若返った。
攻撃の中心になっているのはFW中島元になる。フォワードでも2列目でもボランチでもプレー可能。「彼をどの位置で起用するか?」は注目点だったが森山監督はフォワードの位置で起用。攻撃の中心に据えている。仙台のチャンスシーンの多くに彼が絡んでおり、ゴール数やアシスト数はここから順調に増えていくことが予想される。CFのみ、レギュラーは固まっていないが、それ以外の10人はほぼ決まった。
ボランチのMF工藤蒼は大卒2年目。2023年はJ2では未出場だった。ほぼ試合に絡めなかったが森山監督になって立場が一変。ボランチの主力として活躍している。168cm/66キロなのでサイズには恵まれていないが運動量が多くてボール奪取力も高い。攻守両面で気の利いたプレーが出来るのは大きな魅力と言える。ボランチの相方のMF長澤和は技術が高くてクレバー。ダブルボランチはいい関係を築いている。
FWエロンはまだ良さを出し切れていない。176cmの身長。オールラウンドなフォワードだと思うが「どういう形で点を取るストライカーなのか?」はまだ見えてこない。独力でゴールを奪えるタイプのストライカーではないと思うので周囲のサポートは必要になるが、先のとおり、孤立する場面は多い。MF相良竜之介の決勝ゴールは鮮やかだった。激戦区である左SHで信頼を勝ち取って中心の1人になりつつある。
■ 水戸は公式戦は3連敗・・・。敗れた水戸はJ2のリーグ戦では2連敗。ルヴァン杯の1回戦のY.S.C.C.横浜戦(A)も敗れているので公式戦は3連敗となった。開幕戦はホームでいわきFCに勝利。良いスタートを切ったが失速している。この日は12本のシュートを放った。シュート数自体は仙台と全く同じだったが惜しいシュートを放つ場面は少なかった。公式戦は4試合を戦って計2得点のみ。PKとゴラッソミドルなのでいい形をあまり作れない。
今シーズンの水戸は「4-2-3-1」を採用している。FW安藤瑞を1トップの位置で起用してトップ下には柏からレンタル移籍のMF落合陸を起用。新加入のMF落合陸は攻守両面で奮闘しているが176cmのFW安藤瑞は1トップ向きの選手ではない。長身フォワードのFW寺沼ならびにFW久保征一郎がいることを考えると『現状は「4-2-2-2」の方がベター』と言える。「4-2-3-1」のままだとゴール前の厚みは出にくい。
「4-2-3-1」にしても「4-2-2-2」にしても左右のサイドアタッカーは肝になる。MF野瀬とMF甲田が開幕から主力として起用されているがスピードのあるMF新井晴、大卒ルーキーのMF得能とMF山﨑希、大卒3年目のMF杉浦文、大卒2年目のMF井上怜など選択肢は多い。スピードや打開力のあるサイドアタッカーをたくさん擁している点は今シーズンの水戸の強みになるがまだサイドアタッカー陣が結果を残せていない。
レギュラーとして起用されている新加入のMF野瀬ならびにMF甲田にとってはアピールのチャンスと言えるがいい位置で仕掛けてチャンスを演出する場面は少ない。名古屋から育成型期限付き移籍のMF甲田はテクニックもあるので中盤でボールを受けて起点になるプレーは出来ているはアタッキングサードで仕掛ける場面は非常に少ない。早くも今シーズンが高卒3年目。数字(結果)を残したいシーズンになる。
※ 投稿日:2024年2月16日(土) (総再生数:20,766回)
※ 音声合成ソフトを利用しているのでかなり聞き取りやすくなりました。→ TOP50に入った選手に人数をクラブ別にカウントするとFW有田稜、DF岡本一などを獲得した山形で最多の7名でした。続くのはGKブローダーセンなどを獲得した岡山、MFドゥドゥやGK藤田和輝を獲得した千葉で5名です。MF西川潤、FWブワニカ啓太、MF大迫塁などを獲得したいわきFCも4名がランクイン。
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