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【ザスパ群馬×ファジアーノ岡山】千両役者のMFガブリエル・シャビエル。初出場で劇的な逆転ゴール！ | | |　

■　J2の第6節

J2の第6節。0勝3敗2分けと開幕から勝ちなし。J2の20クラブの中で唯一の未勝利クラブとなったザスパ群馬はホームの正田醤油スタジアム群馬でファジアーノ岡山と対戦した。昨シーズンの順位は岡山が10位、群馬は11位だったが、両クラブの序盤戦は好対照。岡山は開幕から5試合負けなし。4勝1分けで首位を走っている。2位の清水は4勝1敗で勝ち点「12」。岡山と清水が自動昇格圏に位置する。

ホームの群馬は「3-4-2-1」。GK石井僚。DF大畑隆、城和、中塩。MF天笠、風間宏希、田頭、川上エドオジョン智慧、佐藤亮、高澤。FW平松宗。3連敗中で、かつ、中3日ということが関係しているのか、スタメンを大きく入れ替えた。5試合連続スタメンフル出場だったGK櫛引とDF酒井崇がベンチ外。キーパーはGK石井僚が起用された。2023年はGK櫛引がフルタイム出場したので移籍後はリーグ戦初出場となる。

アウェイの岡山は「3-4-2-1」。GKブローダーセン。DF阿部海、田上、鈴木喜。MF藤田息、仙波、柳貴博、末吉塁、太田龍、田中雄。FWルカオ。こちらも中3日になるがFWグレイソンがベンチスタート。MF岩渕弘はベンチ外。大卒ルーキーのFW太田龍がプロ初スタメンとなった。さらにFWルカオも今シーズン初スタメンとなった。コンディション不良で出遅れていたMFガブリエル・シャビエルが初めてベンチ入り。

■　初出場で劇的な逆転ゴール！

試合の前半はかなり静かな展開になった。岡山はFWルカオとMF太田龍というサイズのある選手を初めてスタメンで起用したがなかなかいい形を作れず。長身プレーヤーの高さが生きる場面は非常に少なかった。開幕から5試合未勝利の群馬は左WBのMF川上エドオジョン智慧のところからチャンスを作ろうとしたが厚みのある攻撃は見せられない。前半はともにそこまでいい形を作れず。0対0で折り返した。

後半開始から岡山はFWルカオを下げて温存していたFWグレイソンを投入したが後半3分に群馬が左サイドでスローインを獲得するとボールを受けたMF川上エドオジョン智慧がカットインから右足でシュート。上手く足に当たらなかったがこれが逆に幸いした。不規則な回転になったシュートをMF柳貴博がクリアしきれず。ゴール方向に飛んでオウンゴール。ホームの群馬がラッキーな形から先制に成功する。

1点を追う岡山は後半8分に相手のクリアボールを拾ったFWグレイソンが時間を作ってから横パス。MF仙波が相手をかわしてから右足で決めて1対1の同点に追いついた。さらに後半49分にもMF末吉塁のパスからFWグレイソンがエリア内で胸で落としたボールに反応した途中出場のMFガブリエル・シャビエルが利き足でない右足でシュートを決めて2対1と逆転に成功する。岡山はこれで4連勝。首位をキープした。

■　千両役者のMFガブリエル・シャビエル

岡山は後半3分にかなりアンラッキーな形からオウンゴールで失点した。今シーズン初めて追いかける展開になったが後半8分に同点ゴールを奪った。「引き分けが多い。」というのは近年の岡山の問題点の1つだったが後半49分にMFガブリエル・シャビエルが逆転ゴールをゲット。アウェイで先制されたことを考えると「引き分けでも悪くない結果」と言えたが逆転まで持っていくことが出来た。大きな勝利と言える。

群馬はスタメンをかなり入れ替えたが岡山もかなり入れ替えた。未勝利の群馬は「試行錯誤の中でのスタメン変更」と言えたが岡山はかなりポジティブな意味合いの強いスタメン変更だった。4勝1分けと負けなしで6節を迎えたので少し余裕のある状態。出遅れていた大卒1年目のMF太田龍、ここまで途中出場が続いていたFWルカオ、序列が下がっていたMF仙波をスタメンで起用したが今の岡山には勢いがある。

残念ながらMF太田龍はあまり持ち味を出せず。後半13分という早い段階でベンチに下がったが今シーズン初スタメンとなったMF仙波は同点ゴールをゲット。バイタルエリアでボールを受けたがスライディングに来た相手を上手くかわしてからコース隅にミドルシュートを突き刺した。MF藤田息とMF田部井涼のWボランチが機能しているので難しい立ち位置になっているがスタメンのチャンスで猛アピールに成功した。

「補強の目玉」だったMFガブリエル・シャビエルも出遅れていたが後半24分に投入されて逆転ゴールをゲット。千両役者ぶりを発揮した。ここまでベンチ入りの機会も無し。この日が移籍後初出場だったがさっそく結果を残した。2シャドーはMF岩渕弘、MF木村太、MF田中雄の状態がいいので実績のあるMFガブリエル・シャビエルと言えども当面はベンチスタートになると思うがコンディションは良さそうだった。

■　J2の中で唯一の未勝利クラブ

敗れた群馬はこれで開幕から6試合未勝利となった。J2の中で唯一の未勝利クラブになるが6試合で4得点のみ。得点力不足は深刻と言える。この日も放ったシュートは3本だけ。後半3分の先制ゴールも相手のオウンゴール(クリアミス)だった。GKブローダーセンをヒヤッとさせたシーンというと後半の終盤のMF田頭のヘディングシュートなどわずか。各選手はそれぞれに頑張っているがなかなかいい攻撃につながらない。

6試合で9失点なので守備が崩壊しているわけではないが「堅守」とは言い難い。この日はずっとフル出場が続いていたGK櫛引がベンチ外。23歳のGK石井僚を起用した。191cmの大型キーパーのGK石井僚はビルドアップも出来る。J2初出場だったが落ち着いてプレーした。2失点とも彼の責任ではないことを踏まえると「まずまず頑張った。」と言えるが勝利にはつながらず。結果でアピールすることは出来なかった。

悔やまれるのは先制した後、すぐに追いつかれてしまった点。ボールを奪った後、しっかりとパスをつなごうとしたのか、MF天笠の前方へのパスが中途半端。FWグレイソンのところに渡ってしまった。シンプルなクリアだったのか？単なるキックミスだったのか？は判断できないがかなり軽率だった。群馬の持ち味ではあるが「危ない位置でボールを奪われてピンチを招く場面」はここまで非常に多くなっている。

今シーズンの群馬の目標は「10位以内」になる。昨シーズンが11位だったことを考えると「かなり控えめで現実的な目標」と言えるが開幕から6試合勝ちなしと出遅れてしまった。2023年に確固たる実績を築いた指導者なので「大槻監督を斬る。」という決断が下されることは当面はないと思うが「前年に躍進したクラブが開幕から低迷して残留争いに巻き込まれる。」というのはJ2では珍しくない。早く初勝利が欲しい。