■ J3の第3節J3の第3節。ともに開幕2連敗と出遅れたガイナーレ鳥取とテゲバジャーロ宮崎がAxisバードスタジアムで対戦した。鳥取は開幕からの2試合はいずれもアウェイ戦だったので3節にして待望のホーム開幕戦となる。1節はFC今治と対戦したが0対1で敗戦、2節は沼津と対戦したが0対4で大敗した。まだ無得点となる。宮崎は1節の松本山雅戦、2節の福島戦はいずれもホーム戦だったがどちらも1対2で敗れている。
ホームの鳥取は「4-2-2-2」。GK櫻庭。DF田中恵、大城蛍、二階堂、温井。MF普光院、世瀬、常安、小澤秀。FW富樫佑、東出。左SBのDF小泉隆がベンチ外。過去2試合はCBだったDF温井が左SBの位置にスライドした。DF温井はC大阪U-18出身。J3のC大阪U-23で経験を積んだがこのときの監督が対戦相手の大熊裕司監督だった。右SHのMF三木直はベンチスタート。ドリブラーのMF小澤秀が左SHで起用された。
対するアウェイの宮崎は「4-2-3-1」。GK青木心。DF青山生、黒木謙、辻岡、吉田朋。MF力安、大熊健、楠大樹、阿野、大渕。FW橋本啓。2試合連続スタメンだったMF坂井駿はベンチ外。怪我で出遅れていたMF大熊健が今シーズン初スタメンとなった。大熊裕司監督にとっては「甥」に当たる。2試合連続ゴール中のFW吉澤はベンチスタート。東京Vからレンタル移籍のMF阿野がトップ下の位置で起用された。
■ ともに開幕2連敗スタート。初勝利を目指す。ともに開幕2連敗。初勝利を目指す試合だったがどちらかというとアウェイの宮崎がペースを握る展開になった。前半9分にはこぼれ球からMF阿野がシュート。決定機だったがキーパーのGK櫻庭が何とか防いだ。前半17分にもFW橋本啓が強引なドリブルから左足でシュートを放つなど宮崎はいい攻撃を見せた。前半37分にも攻撃参加した左SBのDF吉田朋の決定機が訪れたがまたしても決めることは出来ず。
やや劣勢の展開になった鳥取は前半29分にCBのDF二階堂が怪我をしてプレー続行不可。大卒3年目のDF丸山壮が投入されたがDF丸山壮は左SBでプレー。左SBでスタメンだったDF温井がCBに回った。0対0で迎えた後半27分に鳥取にチャンス到来。途中出場したFW田中翔が振り向きざまに右足で決めて鳥取が先制に成功する。FW田中翔はJリーグ初ゴール。鳥取にとっても今シーズンの初ゴールとなった。
1点を追う宮崎は後半32分に左サイドからクロスを入れると鳥取側が簡単にクリアできるボールだったが左SBのDF丸山壮が痛恨のクリアミス。途中出場したFW吉澤が決めて1対1の同点に追いついた。オフにいわきFCから加入したFW吉澤は開幕から3戦連発となった。後半46分にFW田中翔に決定機が訪れたがシュートはサイドネット。試合は痛み分けのドロー。ともに3試合を終えて0勝2敗1分けとなった。
■ トップ下で起用されたMF阿野真拓が活躍開幕2連敗同士の対決となったがどちらも勝利をつかむことは出来なかった。試合を優位に進めたのは宮崎だった。チャンスの数は宮崎の方が多かった。トップ下で初スタメンとなったテクニシャンのMF阿野が攻撃に変化を加えた。158cm/55キロなのでサイズには恵まれていないが圧倒的なテクニックがあるのでほほとんどボールを失わない。アイディアが豊富でキープ力が高いので攻撃の中心になった。
2023年は地域リーグの福井ユナイテッドでプレーした。主に東京Vの育成部門で指導者としての実績を積み上げてきた藤吉監督が福井ユナイテッドの監督を務めていることもあって(当時は)J2の東京Vから福井ユナイテッドにレンタル移籍したがしっかりと結果を残した。14試合で7ゴールを記録。2023年の北信越1部リーグのMVPに選ばれる活躍を見せてJリーグの舞台に戻って来た。宮崎でも存在感を発揮している。
宮崎は3試合で3ゴールを奪っているが全て新加入のFW吉澤のゴールになる。2試合連続ゴール中だったFW吉澤がベンチスタートになったのは驚きだったがこの日は途中出場して同点ゴールをゲット。相手のクリアミスがきっかけだったが「相手がクリアミスする可能性がある。」ということを頭に入れながらプレーをすることが出来ており、クリアミスが起こった瞬間、鳥取の選手よりもはるかにいい体勢だった。
2列目は右SHにMF楠大樹、左SHにMF大渕を起用している。前者は東京V、後者は長崎からのレンタル移籍になるがまだ結果は出せていない。「両SHの仕掛け」が今年の宮崎の攻撃の中心なのでクオリティを上げないといけないが元・鳥取のMF魚里が途中出場して一定の存在感を発揮した。2023年は怪我もあって藤枝MYFCで未出場。鳥取時代の2022年以来のJ3の試合だったがサイドからの仕掛けでチャンスを作った。
■ FW田中翔太がJリーグ初ゴール!元・日本代表の林健太郎監督を招聘して新しいスタートを切った鳥取も3節を終えた時点で0勝2敗1分け。こちらは昨シーズンは6位。上位だったことを考えると「大きく出遅れた。」と言える。オフにFW重松、MF牛之濱、MF田村亮、DF文仁柱、DF鈴木順、DF増谷、GK糸原などが退団。かなり厳しいオフになったがJリーグでの実績が乏しい選手は少なくない。彼らがJリーグに慣れるまでは結果は出にくいだろう。
林健太郎監督の頭を悩ませているのはFW重松が抜けたフォワード陣になると思うが途中出場した大卒ルーキーのFW田中翔にJリーグ初ゴールが生まれたのは非常に良かった。開幕2試合を終えて無得点。得点を奪えていなかったがルーキーが最初のゴールを挙げた。こぼれ球に素早く反応して右足を振り抜いたがポジショニングは非常に良かった。勝利にはつながらなかったが勝ち点獲得に大きく貢献した。
新潟医療福祉大出身のFW田中翔は高校年代は青森山田高でプレーした。2001年生まれなのでMF武田英(浦和)が同級生になる。青森山田高のエースストライカーとしてゴールを量産。名前を覚えているサッカーファンは多いと思うが178cm/75キロ。身長はそこまで高くないがパワーがある。DF井上黎、FW中山仁、DF馬渡など高卒や大卒で鳥取に加入して大きく飛躍した選手は多い。彼らに続くことはできるか?
実績のあるDF鈴木順とDF増谷が抜けた最終ラインも不安は大きいがSC相模原から完全移籍したDF温井が3試合連続でフル出場。新天地でいいプレーを見せている。1節と2節はCBの位置でスタメン出場、今節(=3節)は左SBでスタートしたが前半半ばにDF二階堂が怪我をしてDF温井はCBへ。CBでも安定感があった。最大の武器は正確無比な左足のキックになる。パスをつなぐ鳥取のサッカーにマッチしている。
※ 投稿日:2024年2月14日(水) : 総再生数:10,783回
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