■ J3の第2節J3の第2節。開幕戦はアウェイで奈良クラブと対戦して2対1で勝利したFC琉球はホームのタピック県総ひやごんスタジアムで「昇格候補」に挙げられている松本山雅と対戦した。松本山雅は開幕戦はアウェイの宮崎戦だったが2対1で勝利した。共に白星スタートを切った。金鍾成監督になって2年目のシーズンになるFC琉球は17位からの巻き返しを図るシーズンになる。昨シーズンは開幕2連勝スタートだった。
ホームのFC琉球は「3-1-4-2」。GK六反。DF山内舟、鈴木順、藤春。MF岡澤、平松昇、佐藤祐、上原牧、幸喜。FW白井陽、高木大。右ストッパーはDF森侑里がベンチ外となって大卒2年目のDF山内舟が今シーズン初スタメンとなった。冬の高校選手権で準優勝に輝いた近江高の出身になる。フォワードは新加入のFW岩渕がベンチスタート。2月14日(水)に加入したFW高木大がスタメンで起用された。
アウェイの松本山雅は「4-2-3-1」。GK神田。DF馬渡、高橋祥、常田、樋口大。MF山本康、安永、村越、安藤翼、山口一。FW浅川。攻撃の中心を担うMF菊井悠はベンチ外。サイドアタッカーのMF滝もベンチ外。MF村越ならびにMF山口一がスタメンで起用された。ボランチもMF住田がベンチスタートになってMF安永が今シーズン初スタメンとなった。キーパーは開幕から松本U-18出身のGK神田が起用されている。
■ 終了間際に同点ゴールが生まれてドロー開幕2連勝を狙う両クラブの対戦はゴール前のシーンの多いスリリングな試合になった。開始13秒ほどでFW浅川が決定機を迎えたが惜しくもポストに直撃した。前半11分にはFC琉球のFW白井陽、前半25分と前半26分には松本山雅のMF村越にチャンスシーンが訪れたが決められず。さらに前半27分にはFW浅川、前半39分にはFW白井陽に決定機が訪れたがまたしても決めることが出来ず。前半は0対0で折り返した。
迎えた後半5分にMF安永の横パスを受けたMF村越が得意の左足でシュートを決めてついに松本山雅が先制に成功する。1点を追うFC琉球は後半8分にFW白井陽のシュートがネットを揺らしたがハンドの判定でゴールとは認められなかった。チャンスを逃したFC琉球だったが後半14分にFW白井陽の突破からPKを獲得するとFW白井陽が自ら決めて1対1の同点に追いついた。FW白井陽は開幕から2戦連発となった。
さらに後半41分には途中出場した大卒ルーキーのMF庵原のグラウンダーのクロスから最後はFW白井陽が無人のゴールに流し込んで2対1と逆転に成功する。ビハインドの展開になった松本山雅だった後半50分にセットプレーの流れから途中出場したDF野々村が起死回生の同点ゴールを決めて何とか追いついた。再開直後に試合終了のホイッスルが鳴った。試合は2対2の引き分け。ともに1勝1分けとなった。
■ 「リードを奪った試合の終わらせ方」ホーム開幕戦だったFC琉球は目前まで迫っていた勝ち点「3」を逃した。ほぼラストプレーで同点に追いつかれてしまった。松本山雅はサイズのある選手が多いので高さ勝負になるとキツイ。後半45分にFW白井陽を下げて大卒1年目のDF吉本武を投入したが彼も172cmなのでサイズには恵まれていない。MF武沢とMF岩本翔がベンチに残っていたが前者は166cm、後者は167cmなのでサイズには恵まれていない。
「リードを奪った試合の終わらせ方」というのは課題として残ったが「昇格候補」に挙げられる松本山雅を相手にいい戦いを見せた。この日は両クラブのエースストライカーがチャンスでシュートを外す場面が目立った。松本山雅のFW浅川も、FC琉球のFW白井陽も、少なくない数の決定機を外しているが終わってみるとFW白井陽は2ゴールと結果を残した。キーパーとの1対1を外す場面もあったがしっかりと挽回した。
2023年は28試合で3ゴールという成績だったが開幕2試合で早くも3ゴールに到達した。G大阪U-23でプレーした2019年にJ3で32試合に出場して4ゴールを記録しているがこれが自己最多になる。キャリアハイを上回るのはほぼ間違いないところ。FC琉球のエースとしてどこまで数字を積み上げることが出来るか?172cmなのでサイズは無いがスピードがあって動き出しに優れた選手なので味方もパスを出しやすい。
今シーズンのFC琉球は「3-1-4-2」を採用しているがアンカーの位置でプレーしている20歳のMF岡澤が目立っている。こちらも165cmなので背は低いが運動量が豊富。気の利いたプレーが出来る。「活動量の多さで勝負するタイプのボランチ」だったがこの日はつなぎのパスも正確。決定的なパスを出すシーンもたくさんあった。後半は少し前目のポジションでプレーしたが攻守両面で非常にいいプレーを続けた。
■ たくさんあった決定機を生かしきれず。開幕から2試合連続のアウェイ戦となった松本山雅はほぼラストプレーで同点に追いついて何とか勝ち点「1」を獲得した。難しい展開になった中、負けなかったことはポジティブに考えられる。後半43分に183cmの長身のDF野々村を投入。高さを生かした攻撃で同点ゴールを目指したがものの見事にハマった。最後は中央で松本山雅の選手が2人もフリーになっていた。松本山雅の高さは今年も相手の脅威になる。
悔やまれるのはたくさんあった決定機をなかなか生かせなかった点。特に新・エース候補として期待を集めるFW浅川には何度もチャンスがあった。相手キーパーのGK六反は実力のある選手なので「相手キーパーの頑張り」は称賛できるが「決めないといけないシーン」では確実にゴールを奪わないといけない。FW浅川はさっそく存在感を発揮しているがまだ移籍後初ゴールは生まれておらず。早く初ゴールが欲しい。
失点シーンも悔やまれる。特に1失点目はスピードのあるFW白井陽に対応したDF常田のプレーがかなり軽率だった。激しくチャージする必要は全くない場面だったが焦ってしまったのか、状況を良く把握できていなかったのか、適切な対応は出来なかった。「PKを取るほどの攻防ではなかった。」という見方は当然のことながら出来るが、J3はVARが無いので主審がPKと判定したらそのまま受け入れるしかない。
勝てるチャンスは十分にあったことを考えるとドローという結果は満足しにくいが新加入の右SBのDF馬渡は随所に質の高いプレーを見せている。右足も左足もキックの精度は非常に高い。磐田から完全移籍したボランチのMF山本康はまだあまり存在感を発揮できていないがMF馬渡、MF山本康、DF高橋祥と後ろのポジションに経験豊富な選手が3人もいるとチームは落ち着く。ポジション争いも激化している。
※ 投稿日:2024年2月14日(水) : 総再生数:13,783回
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