■ Jリーグがいよいよ開幕2024年のJリーグがいよいよ開幕した。片野坂監督が復帰した大分トリニータはホームのレゾナックドーム大分でベガルタ仙台と対戦した。仙台は広島ユースならびに年代別の日本代表で実績を積み上げた育成年代のスペシャリストの森山監督の招聘に成功した。プロのクラブを率いるのは初めてとなる森山監督のチーム作りに注目が集まっている。大分も仙台も共にJ2に降格して3年目のシーズンになる。
ホームの大分は「4-2-3-1」。GK濵田。DF藤原優、ペレイラ、安藤智、香川勇。MF保田、弓場、松尾勇、渡邉新、野村直。FW宇津元。最初の段階ではGK西川駿一郎がスタメンと発表されたがアクシデントが発生して、急遽、GK濵田がスタメンで起用された。J3の長野からレンタルバックのGK濵田はJ2では初出場となる。J3では計10試合に出場した。新加入のDF藤原優はCBではなくて右SBでスタメン起用となった。
対するアウェイの仙台は「4-2-2-2」。GK林彰洋。DF高田椋、小出、菅田、石尾陸。MF工藤蒼、長澤和、オナイウ情滋、相良。FW中山仁、中島元。秋田から新加入のDF高田椋がスタメン出場を果たした。左SBのDF石尾陸は仙台大出身で大卒1年目になる。ボランチはMF工藤蒼がスタメン出場。大卒1年目の2023年はJ2で出場機会がなかったのでJリーグ初出場となる。FWエロンはベンチスタートになった。
■ 開幕戦は1対1のドロー試合の前半はどちらかというとアウェイの仙台ペースになった。フォワードでの起用となったFW中島元を起点にチャンスを作った。前半22分にゴールやや右寄りの絶好の位置でFKを獲得するとFW中島元が直接狙ったがキーパーのGK濵田が好セーブを見せた。やや劣勢の展開になった大分は前半30分に高い位置でボールを奪ってカウンター。トップ下での起用となったMF渡邉新がシュートチャンスを迎えた。
前半31分には右SHのMFオナイウ情滋のクロスからFW中島元に決定機が訪れたがコース隅を狙ったシュートは惜しくも枠外となった。チャンスを逃した仙台だったが前半40分に相手キーパーのフィードのミスを拾ったMFオナイウ情滋がドリブルで仕掛けてから左サイドに展開すると左サイドでボールを受けたMF相良が切れ込んでから右足でループ気味のシュートを決めてアウェイの仙台が先制に成功する。
1点を追う大分はFW長沢駿、MF中川寛、DF野嶽惇、MF薩川などを投入。すると後半38分にMF保田の絶妙なスルーパスから抜け出した途中出場のMF薩川の折り返しを同じく途中出場のFW長沢駿が押し込んで1対1の同点に追いついた。昨シーズン限りでいったんは契約満了になったFW長沢駿は今シーズンは「93番」を背負っている。試合は1対1の引き分けに終わった。大分は何とか追いついて勝ち点「1」を獲得した。
■ 森山監督が就任して新しいスタートを切った仙台森山監督が就任して新しいスタートを切った仙台は逃げ切りに失敗した。後半28分に左SBのDF石尾陸を下げてCBのDFマテウス・モラエスを投入。CBだったDF小出を右SBにスライドさせてDF高田椋が右SBから左SBにスライド。守りを固めたが失点シーンは上手く崩されてしまった。大分はMF薩川やFW長沢駿など途中出場した選手が活躍したが仙台はMF郷家やMF遠藤康を含めて交代選手は今一つだった。
仙台はドロースタートとなったが内容はまずまず良かった。目立ったのはJリーグ初スタメンのMFオナイウ情滋だった。2022年は1試合、2023年は10試合に出場しているが全て途中出場だった。長い時間プレーするのは初めてだったが持ち味であるスピードを生かしてチャンスを作った。前半40分にはMF相良の先制ゴールをアシスト。J2では通算12試合目の出場だったが記念すべきプロ初アシストとなった。
兄はFWオナイウ阿道になる。高さと強さが武器となる180cmのストライカーの兄に対して弟は168cmなので小柄。兄弟でこれだけ身長差がある選手はかなり珍しいがラツィオのMF鎌田大と仙台のMF鎌田大も兄が180cmで、弟が168cmなので全く同じ。身近なところに似たパターンの選手がいる。爆発的なスピードを持っており、ドリブルはキレ味がある。右SHとして2024年はブレイクの1年になる可能性は高い。
「育成年代のスペシャリストである森山監督がどんなチームを作るのか?」は興味深いが各選手に対して相当なハードワークを求めているという。どちらかというと「モチベーター型の監督」として知られているがMFオナイウ情滋、MF工藤蒼、DF石尾陸など若い選手を積極的に起用していることもあって仙台のイメージは大きく変わるだろう。この日は新加入のFWエロンに出場機会はなかったがCFがキーになる。
■ 大分は何とか追いついてドローに持ち込んだ。片野坂監督がJ1だった2021年以来の復帰を果たした大分は何とか追いついてドローに持ち込んだ。後半38分に途中出場したFW長沢駿の同点ゴールが生まれたが素晴らしいプレーが連続で続いた。縦パスを受けたMF保田の持ち運びがまず良かったがその後のスルーパスも完璧。裏に抜け出したMF薩川の動きも良かった。MF薩川はシュートを打つ選択肢もあったと思うが横パスを選択。この判断も的確だった。
殊勲の同点ゴールを決めたFW長沢駿は一旦は2023年限りで大分との契約が満了になったが1月21日(日)に再契約が発表された。同じポジションのFWサムエルが大怪我をして長期離脱することになったので再契約に至ったと思うが開幕戦で起用されて同点ゴール。さすがの活躍を見せた。同点ゴールの場面はFW長沢駿のポジショニングも非常に良かった。高さと勝負強さがあるので途中出場でも頼りになる。
MF薩川にスルーパスを出したのはMF保田だったが随所に好プレーを見せた。2005年生まれなのでロス世代になる。4年後のオリンピックの時に中心になることが期待されているがサイズがあってスケールが大きくて闘争心もある。同じユース出身のMF弓場とのWボランチは相当に魅力的なコンビと言える。途中出場で同点ゴールをアシストをしたMF薩川は大分でのデビュー戦だったがいきなり大きな仕事をした。
MF薩川の抜け出しはオフサイドのようにも見えた。真横からの写真(映像)は無かったがMF薩川が少し前に出ているようにも見える。ただ、相当に微妙であり、オフサイドなのか?否か?を正確に見極めるのはほぼ無理と言える。J1の開幕節でも「オフサイドなのか?否か?が分かりにくい場面」があったがJ1にはVARがあるのでハッキリする。人材と資金の問題はネックになるがそろそろJ2でもVARを導入してほしい。
※ 投稿日:2024年1月21日(日) (総再生数:21,996回)※ 投稿日:2024年1月22日(月) (総再生数:9,278回)※ 投稿日:2024年1月28日(日) (総再生数:12,123回)
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