■ J3の第23節J3の第23節。8勝9敗5分けで勝ち点「29」の長野パルセイロはホームの長野UスタジアムでFC岐阜と対戦した。FC岐阜は8勝7敗7分けで勝ち点「31」。J3の昇格争いは大混戦になっているがFC岐阜は7位、長野は14位に位置する。長野は下位に位置するが4位の鹿児島との差は「5」。射程圏内にいる。FC岐阜は16節から6試合未勝利と苦しんだが22節はアウェイでFC今治に勝利。7試合ぶりに勝ち点「3」を獲得した。
ホームの長野は「3-1-5-1」。GK濵田。DF高橋耕、大野佑、池ヶ谷。MF加藤弘、船橋勇、杉井、安東輝、近藤貴、三田尚。FW森川。19試合で5ゴールのFW山本大は欠場中。16試合で4ゴールのFW進昂平も欠場中。アタッカー系の選手であるFW森川を最前線で起用するというやや苦しい人選になった。アンカーの位置で起用されたMF加藤弘は夏の移籍市場でJ2の東京Vから加入した。MF宮阪はベンチスタートになった。
対するアウェイのFC岐阜は「4-2-2-2」。GK茂木秀。DF生地、川上竜、遠藤元、宇賀神。MF庄司、北龍磨、窪田稜、村田透。FWンドカ・チャールス、藤岡。22試合で7ゴール2アシストのMF窪田稜が攻撃陣を牽引している。昨シーズンはJ3で2位となる16ゴールを挙げたFW藤岡は今シーズンは低調。22試合で1ゴール3アシストにとどまっている。加入2年目のFWンドカ・チャールスは22試合で6ゴールを挙げている。
■ FC岐阜はこれで2連勝試合はアウェイのFC岐阜ペースで進んでいく。前半25分にGK茂木秀のロングキックに対してFWンドカ・チャールスが競り勝ってゴール前に落としたボールをFW藤岡がダイレクトで決めてFC岐阜が先制に成功する。FW藤岡はようやくの今シーズン2ゴール目となった。飲水タイム明けの最初のプレーだった。先制された長野だったが前半30分にMF船橋勇のパスからMF三田尚が決めて1対1の同点に追いついた。
すぐに追いつかれてしまったFC岐阜だったが前半32分にFKからこぼれ球をDF遠藤元が押し込んで勝ち越しに成功する。古巣対決となるDF遠藤元は今シーズン初ゴールとなった。前半は2対1で折り返した。迎えた後半22分にはFW藤岡の絶妙なスルーパスを受けたMF村田透が左足で鮮やかなループシュートを決めてFC岐阜が大きな追加点を奪った。さらに後半33分にはCKからFW藤岡が決めて4点目を奪った。
FW藤岡は2ゴール1アシストの大活躍だった。勢いの止まらないFC岐阜は後半38分にもFW村田透のパスを受けた途中出場のFW山内寛が決めて5点目。FW山内寛も今シーズン初ゴールとなった。結局、FC岐阜が5対1で大勝した。FC岐阜はこれで2連勝。順位を大きく上げて4位まで浮上した。敗れた長野は前節の鹿児島戦(A)の劇的な勝利で得た勢いを持続させることは出来ず。14位のままと苦しんでいる。
■ J3は稀に見る大混戦22節を終えた時点で4位の鹿児島から14位の長野までわずか「5差」。J3は稀に見る大混戦になっている。どのチームも「1つ勝てば状況が大きく変わる」というポジションになるが2連勝となったFC岐阜は4位に浮上。自動昇格争いに参戦してきた。この日は大量5ゴールを奪ったが得失点差も拮抗しているので「+4」を稼ぐことが出来たのも大きい。試合前の時点では「+4」だったが「+8」まで伸ばすことができた。
この日は攻撃陣が爆発した。1点目と2点目と4点目はセットプレー、3点目と5点目はショートカウンターからのゴールだった。ここまで1ゴール3アシストにとどまっていたエースのFW藤岡がついに爆発。2ゴール1アシストの大活躍で勝利の立役者になった。昨シーズンと比べると彼がこなさないといけないタスクが増えていたので「ゴール奪うプレーに専念しにくい状況」だったがこの日は自由自在にプレーした。
1点目はキーパーのGK茂木秀のロングキックが起点になった。飲水タイム明けのファーストプレーということもあって長野の選手が集中しきれていない面もあったがFWンドカ・チャールスが空中戦で競り勝って裏に飛び出したFW藤岡が右足で上手く合わせた。ファインゴールだったと言える。5点目を奪ったFW山内寛は今シーズンは5試合目の出場。出番に恵まれなかったが最後は冷静にコース隅に流し込んだ。
J2復帰に向けてまたしてもいい流れになってきたが左右のSHのMF窪田稜とMF村田透はJ3では屈指のスピードを持っており、2トップの一角のFWンドカ・チャールスもスピードが武器となる。走力とスピードを持った若手が中心になっているが中堅世代のFW藤岡ならびにベテランのMF庄司が上手く周りでプレーする若手の力を引き出している。また、ボランチの一角のMF北龍磨の攻撃参加も厚みを加えている。
■ シュタルフ悠紀リヒャルト監督が退任はあるか?敗れた長野は波に乗り切れないシーズンになっている。開幕前の評価は高くて上位争いに挙げられたがここまで14位。鹿児島・FC今治・鳥取あたりはすでに監督交代を実施しているが23節を終えた時点で14位となるとシュタルフ悠紀リヒャルト監督が退任しても何ら不思議はない。ホームで5失点というのは大きな失態と言える。次の試合までに監督交代のニュースが流れてもおかしくないので動向は注目される。
大量5失点を喫したが「最初の攻防で競り負けてピンチを招く場面」が多かった。1失点目・2失点目・3失点目・5失点目は最初のプレーで相手に負けたことが失点の原因に挙げられる。FC岐阜はスピードのあるチームなので「スピードのある選手に対抗するために172cmのDF高橋耕をこの日も3バックの一角で起用した。」と考えられるがFC岐阜はスピードだけでなく高さもある。後手後手に回るシーンが多かった。
攻撃に関してはそこまで悪くなかったがストライカーのFW山本大ならびにFW進昂平がどちらも欠場中。ゴール前で仕事のできる選手が不足している。この日はFW森川を最前線で起用したがゴール前で生きるタイプの選手ではないので難しかった。一方、FW森川に代わって後半15分に投入されたFW高窪は何度か良さを出した。後半37分には左サイドから突破して「あわやPK!?」という惜しいシーンを作った。
この時点ですでに1対4のスコアだったので勝敗に大きな影響を及ぼすプレーならびに判定ではなかったと思うがリプレーを見ると完全に相手のDF三国スティビアエブスの足が入っていた。「J1のようにVARが導入されていたら判定が覆って長野にPKが宣告されていた可能性大」と言える。若い選手は1つのプレーや1つのゴールでガラッと変わることもある。本人ならびに長野にとっては残念なジャッジだった。
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