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【Jリーグ】残念に感じる片野坂監督(大分トリニータ→ガンバ大阪)に関する報道 | | |　

■　J1は残り3試合

J1は残り3試合となったが35節を終えた時点で「J2降格の可能性」があるのは湘南・清水・徳島・大分・仙台・横浜FCの6チームとなった。34節を終えた時点ではG大阪と柏にも降格の可能性があったがともに35節の試合で勝利して「J1残留」が確定した。下位6チームで残った4つの椅子を争う形になったが15位の湘南ならびに16位の清水と18位の大分の差は「5」。昇格して3年目となる大分は崖っぷちに追い込まれた。

大分は35節のG大阪戦(H)で勝利したら湘南や清水との差を「2」に縮めることが出来たが痛恨の逆転負けを喫した。「J1残留」が遠ざかる試合となったが後半の頭からDF昌子を投入して3バックにシステムを変更して流れを呼び込んだG大阪に対して大分は選手交代が機能しなかった。前半は2対1で折り返したがほぼ大分ペースだった。圧倒した前半を終えてハーフタイムで大分も選手交代を行ったが機能しなかった。

残りは3節となったが次の36節は鹿島戦(A)になる。4位鹿島もACL出場を目指しており、3位の神戸との差は「5」となる。4位をキープするのも大事にミッションになるが5位の名古屋とは同じ勝ち点「62」となる。当然のことながら鹿島も勝たないといけない試合が続いていくので『アウェイの鹿島戦で勝ち点「3」を獲得する。』というのは相当に難しい。「次節にもJ2降格が確定する。」という状況に追い込まれた。

■　来季の監督候補に下平隆宏氏

35節のG大阪戦(H)は大分にとってショッキングな敗戦になったが残念に感じるのは10月24日(日)の時点で片野坂監督の退任のニュースと新監督に関する情報が流れた点になる。この日の早朝に日刊スポーツは「大分トリニータの来季の監督候補に下平隆宏氏(49)が挙がっていることが23日、分かった。片野坂監督は来季はG大阪監督の就任が有力となり、下平氏が後任としてリストアップされた。」と報じている。

33節の徳島戦(A)で引き分けた翌日に監督人事に関するニュースが流れたことになるが選手や関係者やサポーターのモチベーションに大きな影響を及ぼす話である。もちろん、10月の下旬になると大分に限らず、どのクラブも来シーズンに向けた人事に関する動きはスタートしているので大分やG大阪などが来シーズンの監督人事に関する動きを水面下で始めるのは当たり前の話になるが極めてデリケートな話である。

思い起こすと昨シーズンも徳島がJ1昇格を争っていた最中に「リカルド・ロドリゲス監督の退任ならびに浦和の監督就任の噂」が流れた。結局、この話は事実であり、その通りにリカルド・ロドリゲス監督は徳島を去って浦和の監督に就任したが、このニュースも徳島の選手や関係者やサポーターに多大な動揺をもたらした。特にいきなり出てきた退任のニュースだったので徳島のサポーターは相当に動揺しただろう。

■　求心力を保つのが難しくなる。

徳島は無事に(何とか)J1昇格を達成できたのでこの件が、再度、ほじくり返されることはなかったが仮に選手が大きく動揺して徳島がJ1昇格を逃していたらナイーブな情報がリークされたことに対して相当な批判が浴びせられただろう。大事な終盤戦になってこういうニュースが流れてそういう部分が昇格や残留などの結果に影響をもたらすのは宜しくないが、やはり、2020年の徳島と2021年の大分の状況も大きく異なる。

徳島は「J1昇格やJ2優勝」というポジティブな目標に向かって歩みを進めていた最中なので監督人事に対するネガティブ情報が流れたとしても何とか団結できたと思うが今シーズンの大分は「J1残留」というかなりネガティブな目標に向かって戦っている最中である。動揺の度合いは徳島よりもはるかに上と考えられる。残留争いに巻き込まれている状況でこういうニュースが流れて大分にプラスになることはほぼ無い。

もちろん、「監督人事に関するニュースがどこまで以後の大分の結果に影響をもたらしたのか？」は誰にも分からないが結果的には10月24日(日)以降は2連敗となる。結果は出ていない。横浜FMに大敗した翌日の11月7日(日)に辞任が発表されたFC東京の長谷川健太監督も早くから「退任する可能性が高い。」と報じられていたが『高確率で今シーズン限りでチームを去る監督』は求心力を保つのが難しくなる。

当然、今の時点で報道が事実なのか？否か？は分からない。「片野坂監督のG大阪行き」がガセネタである可能性や立ち消えになる可能性はあるが「過去の監督人事に関するニュースの正誤率」を考えるとこの件も正しい確率の方が高い。「このニュースをメディアに流したのは誰なのか？」は分からないが残留争いの行方がこういうニュースに大きく左右されてしまうのは観ている側もモヤモヤするところである。