サンフレッチェ広島→ 城福監督が就任して3年目となる広島は好スタートを切った。J1の開幕戦の1週間前に行われたルヴァン杯の横浜FC戦(A)は2対0で完勝した。さらにJ1の開幕節も鹿島を相手にホームで3対0で勝利した。最高のスタートを切ったので新型コロナでJリーグが中断したのは残念だった。再開初戦こそ、アウェイで神戸を3対0で下したが3節から4試合勝ちなし。その後は勝ったり負けたりを繰り返している。
24節を終えた時点で11勝9敗4分けで勝ち点「37」となる。24試合で38得点/29失点なので悪い成績ではないが満足できる成績ではない。J1は各クラブの試合数が大きく異なるので暫定順位になるが10位となる。6度目となるACLの出場権獲得は難しくなっており、目標を見つけにくい状況になってきた。2018年は2位、2019年は6位だったので「城福体制での最低順位になる可能性は高い。」と言える。
好スタートを切った後、コロナの影響でJリーグが中断したのは広島にとっては不運だった。勢いを削がれる形になった。今シーズンのJリーグはコロナの影響を大きく受けているが広島は「コロナ禍がマイナスに作用したクラブ」と言える。区切りの3年目ということを考えると今シーズン限りで城福監督がチームを離れても不思議はない状況になっている。続投の可能性の方が高いとは思うが勇退も考えられる状況である。
「得点力は上がっている。」と言える。2019年の1試合平均の得点数は「1.32」だったが今シーズンは「1.63」になる。松本山雅からの期限付き移籍となるFWレアンドロ・ペレイラは21試合で11ゴール。十分な働きを見せている。FWドウグラス・ヴィエイラも21試合で7ゴールを挙げているので助っ人2人は結果を残している。FWレアンドロ・ペレイラとMFドウグラス・ヴィエイラのツインタワーは武器になった。
「ドリブル数」は8位、「クロス数」は4位、「パス数」は9位、「30mライン進入回数」と「ペナルティエリア進入回数」はどちらも5位となる。「シュート数」は8位、「枠内シュート数」は7位なので、攻撃に関するスタッツは軒並みJ1で上位クラスになる。守備陣は24試合で29失点。1試合平均の失点数は2019年が「0.85」だったのに対して今シーズンは「1.21」。総失点は早くも昨シーズンの数字に並んでいる。
11節のFC東京戦(H)と12節の横浜FM戦(A)で3失点、16節の川崎F戦(A)で5失点を喫するなど「攻撃力の高いチーム」を相手に大量失点する試合が目立つ。波に乗り切れないシーズンになったがMF森崎和の「8番」を受け継いだMF川辺がボランチの中心として活躍しており、浅野兄弟の弟であるMF浅野雄は22試合で5ゴール。途中出場も多くなっているが持ち味であるスピードとパワーを生かして存在感を発揮している。
高卒2年目のMF東俊希も24試合に出場するなど準・主力として活躍している。五輪代表のGK大迫が定位置を失ってサブに回っているのは残念に感じるが大卒2年目のDF荒木は不動のレギュラーとして活躍している。特別指定選手のMF藤井智も起用されたときは積極的なプレーを見せているので「昨シーズンに続いて若手の台頭の目立つシーズンになっている。」と言える。ここ2年ほどでチームは大きく若返った。
年度別の広島の平均年齢を書き出すと「29.70歳(2015年)→29.94歳(2016年)→29.27歳(2017年)→30.12歳(2018年)→27.23歳(2019年)→27.80歳(2020年)」となる。森保監督のときはベテラン中心のメンバー構成で多くの勝利をつかんだが城福監督になって若手が増えた。夏に広島から福岡に期限付き移籍した五輪代表のボランチのMF松本泰が移籍先の福岡で奮闘している点もポジティブに考えられる。
例年どおりでオフの移籍市場でも広島は活発な動きを見せないと思われる。昨オフも選手の入れ替えはJ1の18クラブの中では上位にランクされるほど少なかったが基本的には今オフも同じである。「主力の中で他クラブに移籍しそうな選手」も現状では見当たらない。DF野上、DF荒木、DF佐々木翔、MF青山敏、MF川辺、MF柏、MF森島司、MF東俊希などは引き続き来シーズンも広島でプレーする可能性が高い。
動向が最も気になるのは11ゴールのFWレアンドロ・ペレイラだろう。松本山雅からの期限付き移籍になるが推定年俸は6,000万円になる。かなり高額なので「J2の松本山雅に戻る可能性は低い。」と言えるがJ1で結果を残しているFWレアンドロ・ペレイラの評価は上がっているので「横取りを画策するクラブ」が出てきても不思議はない。「J1の中ではトップクラスのストライカー」と評価される選手になった。
気になるのは「出番に恵まれない実力者」が少なくない点である。DF井林、DF櫛引、MF野津田、MF柴崎晃、FW永井龍などは出場機会が限られた。経験値と実績を持ったCBのDF井林やDF櫛引を「主力候補の1人」として獲得に乗り出すクラブは出てくる可能性が高い。また、昨シーズンに続いて出番に恵まれないMF野津田は「環境を変えた方がいいのでは?」と思える状況になっている。彼らの去就が注目点になる。
最後に「今オフに広島が獲得できたら面白いと思う選手」を具体的に何人か挙げてみるとまずはFW加藤陸(金沢)である。そもそもとしてストライカーの枚数が少なかったが日本人のストライカーはFW永井龍とFW鮎川の2人のみである。J2で2桁ゴールを記録している売り出し中のFW加藤陸は広島ユース出身。万能型のストライカーである。「ユース育ちの日本人ストライカー」を獲得できるとクラブの未来は明るくなる。
各ポジションにタレントを揃えているので「明確な補強ポイント」は見当たらないが「シャドー」は新しい戦力を加えてポジション争いを活性化させたい。ここに来てMFエゼキエウがチームにフィットして来た点はポジティブに考えられるが10試合で1ゴール。340分のプレー時間にとどまっている。大黒柱のMF青山敏が34歳になったボランチは高卒2年目のMF松本大にも期待したいが即戦力のボランチも欲しいところ。
184センチとサイズに恵まれており、なおかつ、得点力も高いボランチのMF塚川(松本山雅)は広島Jrユース出身。広島観音高に進学しているが2列目やCBでもプレーできるので使い勝手のいい選手である。MF柏が33歳になってさすがに全盛期は過ぎていることを考えると「左右のWB」も補強ポイントになる。すでに名前を挙げた大学4年生のMF藤井智はスピードがあって突破力はあるがラストの精度に課題を抱えている。
MF茶島はバランス型のWBになるが、MF柏、MF浅野雄、MF東俊希、MFハイネル、MF藤井智はいずれも攻撃的なWBである。日本代表のDF佐々木翔をWBの位置で起用することも出来るが「サイズがあって安定した守備で貢献できるWB」がいると戦略の幅は広がる。DF片山瑛(C大阪)を引き抜くのはかなり難しいと思うがDF柳(仙台)、DF袴田(横浜FC)、DF河面(大宮)、DF西岡大志(愛媛FC)は獲得可能と考えられる。
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