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【町田ゼルビア】破竹の4連勝。覚醒しつつあるストライカーのFW安藤瑞季。 | | |　

■　4試合連続で複数ゴールを記録。

J2は17節が終了した。全日程の約40%を消化したことになるが上位と下位の差が広がりつつある。今シーズンはプレーオフが無いので「2位以内の可能性」が小さくなったチームはモチベーションを保つのが難しくなる。どのチームも何とか上位グループに離されずに付いていきたいが「中盤戦に差し掛かって状態が上がってきたチーム」もいくつかある。まずは山形である。下位に低迷していたが順位を上げてきた。

金沢もここに来て順調に勝ち点を積み上げているが町田は絶好調。14節から4連勝を達成して6位まで順位を上げてきた。13節を終えた時点では3勝5敗5分けで勝ち点「14」。17位と下位グループに巻き込まれていたが14位→11位→9位→6位と順位を少しずつ上げてきた。今シーズンのJ2は4位以下が大混戦になっているので(町田に限った話ではないが)4連勝を達成できると一気に順位を上げることが出来る。

13節終了時点では13試合で10得点/14失点だった。GK秋元とDF水本とDF深津を中心に失点の少なさの目立つチームだったが14節から4試合連続で複数ゴールをゲット。直近の4試合で計10ゴールを奪っている。開幕から得点力不足に苦しんでいたチームとは思えないほど点が取れているが「10番」のFW平戸が4試合で4ゴールを奪っており、C大阪からの期限付き移籍となるFW安藤瑞もここ4試合で3ゴールを奪っている。

今年の町田の特徴と言えるのは「レギュラーを固定して戦っている点」になる。「FW安藤瑞が起用されることが多い2トップの一角」と「固定できない左SH」の2つのポジションはスタメンが発表されるまで誰が起用されるのか？は分からないがその他の9つのポジションはほぼ不動である。よほどでない限りはGK秋元、DF小田、DF深津、DF水本、DF奥山、MF高江、MF佐野海、MF吉尾、FW平戸はスタメンで出場する。

■　メンバーを固定して戦う町田ゼルビア

今シーズンのJ2は超・過密日程なのでターンオーバーを採用するクラブもいくつかある。長崎はミッドウイークの試合は大きくメンバーを入れ替えるケースが多くなっており、千葉や京都あたりもメンバーを大きく入れ替えるケースが目立つ。過密日程にもかかわらず、メンバーをほとんど変えないチームの方が少ないので「町田の代えなさ具合」はかなり目立つ。主力と言える9人にかかる負担は非常に大きくなっている。

「メンバーを固定して戦っている町田は疲労の色が濃くなっていくリーグ戦の中盤戦以降は厳しい戦いが続くのでは？」とも考えられたが、逆にタフな日程の中、結果が出始めるようになってきた。「FW平戸のセットプレーくらいしか得点の可能性が感じられない時期」もあったがここ最近は攻撃のバリエーションが増えて流れるような攻撃を見せるようになった。ここに来ての4連勝は「内容の伴った4連勝」と言える。

直近の17節のFC琉球戦(H)は圧巻だった。3連勝中の町田に対してFC琉球は3連敗中。対照的な両チームの対戦だったが前半から町田の攻撃陣が爆発した。前半11分にボランチのMF佐野海のヘディングシュートで先制に成功すると前半19分には中央突破からFW平戸が決めて追加点を奪った。さらに前半26分と前半30分にはFW安藤瑞が決めて計4ゴール。前半を4対0で折り返して早々に勝敗の行方は決した。

4点を追う展開になったは後半35分にDF深津のオウンゴールを誘って1点を返すと後半47分にはFW阿部拓のゴールで2点差に迫った。終盤の2失点についてはポポヴィッチ監督もお冠だったが危なげなく4対2で町田が勝利した。前半のみでFW安藤瑞とMF吉尾をベンチに下げるなど先を見据えた選手起用を見せた。「5連戦の3戦目」だったが余力を残した状態で次の金沢戦(A)を戦うことが出来る状況になった。

■　ポポヴィッチ監督が期待を寄せるFW安藤瑞季

開幕からほとんどの試合でフル出場しているMF高江やFW平戸を休ませることが出来たのも好材料である。同じように調子を上げてきた金沢との試合は熱戦が期待できるが17節のFC琉球戦(H)ではFW安藤瑞が2ゴール1アシスト。大爆発した。自身の1点目はCKからこぼれ球を押し込んだゴールだったが自身2点目となるゴールはFW平戸の絶妙なスルーパスから抜け出したFW安藤瑞らしいゴールだった。

縦に速いサッカーを志向する町田は中断明けから「FW平戸→FW安藤瑞のラインで点を取る。」というのを1つの理想としているがなかなかそういう形にならなかった。FWステファンではなくてFW安藤瑞をフォワードの軸として起用していることやFW平戸をサイドハーフやボランチではなくて2トップの一角で起用しているのもそのことが理由の1つだと思うが16試合目にしてようやく狙い通りの形からゴールが生まれた。

中断期間中の3月31日(火)にC大阪から町田に期限付き移籍したFW安藤瑞は新天地でポポヴィッチ監督の大きな期待を受けている。2節からフォワードの軸として起用されており、スタメンで起用される試合も多かったが、なかなか結果を出せなかった。15節までノーゴールが続いていたが16節で移籍後初ゴールをゲットすると2戦連発。肩の荷が下りたかのように2ゴール1アシスト。16試合で3ゴール3アシストとなった。

ようやくフォワードとして「見れる数字」になってきたが「守備の負担が大きいから・・・。」、「攻守に動き回っているので・・・。」というのは言ってほしくない。「点は取れていないけれどもフォワードとしての貢献度は高い。」と一定の評価をされる選手もいるがFW安藤瑞はストライカーである。点を取ることで自身の価値を証明してきた選手なので「守備面での負担が大きいこと」を言い訳にはしてほしくない。

ゴリゴリ行ける点が1つの魅力である。パワフルで日本人には少ないタイプのフォワードになるが「フィニッシュのときに落ち着いている。」というのは彼のストロングポイントである。何も考えずにドカーンとシュートを打ちそうな体つきであり、風貌をしているが、キーパーの動きをよく見て正確にゴールに流し込むことが出来る。自身2点目のゴールはループシュートだったが「こういうシュート」が得意な選手である。

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