■ 松本での試合長野県の松本市での、FC東京と鹿島アントラーズの対戦。FC東京は、スタメン表を見ると<4-4-2>だが、実際には、<3-6-1>(もしくは、<3-5-2>)の形で、それもかなり流動的な布陣。鹿島は、MFフェルナンドが出場停止で、代わりに入ったのはMF本山。MF小笠原がボランチに入る。
■ ルーカスの先制点序盤はFC東京のペース。フォワードにコンバートされたという報道もあったが、実際には、この試合でも、本来の右アウトサイドに入ったMF石川から、攻撃が展開される。相変わらず、ダイナミックなプレーを見せて、怪我の影響は微塵も感じさせなかった。
先制したのは、押し気味の東京。FWルーカスが、素晴らしいミドルシュートを決めた。その後も、FC東京は、トップ下に位置するMF梶山の技巧で、チャンスを作る。
しかし、前半終了間際に鹿島が、右サイドバックの内田からのクロスを、MF小笠原がドフリーでヘディングシュートを決めて同点。内田のクロスに対して、鹿島の選手5枚がゴール前に飛び込んでいたが、ファーサイドに正確なボールをあげた内田のクロスの正確さが光った。
■ 逆転の鹿島そして後半開始早々、鹿島が内田のミドルで逆転する。FC東京は、後半14分に、FWルーカスのミドルシュートで同点に追いつくが、鹿島は、後半29分に、セットプレーからDF大岩のゴールで勝ち越し。終盤にも、FW深井のゴールで突き放し、4対2で鹿島が勝利した。
■ トップが定まらないFC東京FC東京は、パラグアイ代表のFWササの退団の影響もあり、本格的なストライカーがいなくなった。この試合では、馬場の1トップのような布陣。石川、リチェーリ、川口と、優れたアタッカーがいるにもかかわらず、フィニッシャー不足が深刻。ワシントンという、新しいフォワードを獲得するという話が出ていたが、今のところは、その助っ人待ちだろうか?
FC東京の中で気になった選手は、鈴木の怪我で途中から左ウイングバックに入った伊野波。本来はボランチの選手で、クラッシャーのイメージが強いが、この試合で見せたスピードに乗ったドリブルは、「守備の人」というイメージを覆すに十分だった。意外と、サイドバックに適正があるかもしれない。
■ 別格の小笠原一方の鹿島。前節は、川崎に2対4で敗れたが、内容自体はそれほど悪くなかった。そして、この試合も、なかなかいい内容だったと思う。そのサッカースタイルは、アントラーズらしい手堅いサッカーではなく、中盤の選手もサイドバックもどんどん前に出て行く攻撃的なサッカーであり、非常に面白い。
その中でも、MF小笠原のプレーが別格で素晴らしいのはいうまでもないが、相手チームにとっては、両サイドバックの内田と新井場の攻撃参加。この2人が、相手の脅威になっている。FW陣に核となるような、大砲がいないのが弱点といえば弱点だが、MF野沢やFW深井らベンチの層も厚い。リーグ戦の中盤は、鹿島アントラーズが中心となって進んでいくような気もする。
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