■ J2の開幕戦J1に続いてJ2も2月25日(日)に開幕を迎えた。大型補強に成功した徳島ヴォルティスはホームの鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアムでファジアーノ岡山と対戦した。リカルド・ロドリゲス監督が就任して2年目となる徳島は2014年以来となるJ1昇格を目指しているが「昇格候補の1つ」と高く評価されている。一方の岡山は就任4年目となる長澤徹監督の元、初のJ1昇格を目指すシーズンとなる。
ホームの徳島は「3-1-4-1-1」。GK梶川。DFブエノ、大崎玲、キム・ジョンピル。MF岩尾、シシーニョ、前川、島屋、内田裕、杉本太。FW呉屋。注目のコスタリカ代表のGKカルバハルはベンチスタート。新エース候補のFW山崎凌は欠場。G大阪から期限付き移籍のFW呉屋が開幕スタメンを飾った。新たに10番を背負うことになったMF杉本太が攻撃の中心を担う。沼津から加入したFW薗田はベンチスタートとなった。
対するアウェイの岡山は「3-4-2-1」。GK一森。DF阿部海、後藤圭、チェ・ジョンウォン。MF塚川、上田康、椋原、三村、赤嶺、伊藤大。FWイ・ヨンジェ。高卒ルーキーで東福岡高出身のDF阿部海がいきなりスタメン出場を飾った。スキンヘッドがトレードマークになっているDF阿部海は年代別代表に定期的に召集されている。京都から加入したFWイ・ヨンジェが最前線に入ってMF赤嶺がシャドーの位置でプレーする
■ 1対0で逃げ切ったファジアーノ岡山試合は「徳島がボールを保持して岡山が耐える展開」になるかに思えたが予想に反してアウェイの岡山が主導権を握る展開になった。開始早々の前半2分にMF赤嶺のパスからボランチのMF上田康が決定機を迎える。その後のMF塚川も決定機を決められなかったが前半27分に右サイドの奥で岡山がFKを獲得すると新加入のMF上田康が蹴ったボールをMF塚川が頭で合わせて岡山が先制に成功する。
先制ゴールを許して目が覚めた徳島がその後は優勢に試合を進めるが前半47分に岡山がFWイ・ヨンジェの激しいチェイスからMF赤嶺が決定的なシュートを放つ。ただ、惜しくもバー直撃。1対0のままで後半を迎える。後半開始から徳島は左ストッパーのDFキム・ジョンピルを下げてDF井筒を投入。4バックに変更する。後半30分にはユース所属で2種登録の17才のFW藤原志を投入。クラブ史上最年少出場となった。
直後の後半33分に途中出場していた岡山のMF仲間が乱暴行為で一発レッド。岡山は数的不利となる。徳島は年代別代表にも召集されている17才のFW藤原志がドリブルで何度か仕掛けて見せ場を作ったが同点ゴールは生まれず。1対0でアウェイの岡山が逃げ切って白星スタートを飾った。敗れた徳島は試合の入り方が非常に悪かった。試合途中に修正をして持ち直したが決定的なチャンスは多くなかった。
■ 高卒ルーキーのDF阿部海大がスタメン出場岡山はオフ期間に選手が大幅に入れ替わった。監督は続投となったのでチーム全体の印象はそこまで変わっていないが11人のうち6人が新加入選手となる。フレッシュなメンバー構成になっているが特に最終ラインは3人とも新加入選手になる。中央のDF後藤圭は出戻りなので違和感はないが高卒ルーキーのDF阿部海をいきなりスタメンで抜擢してきたのは驚きだった。長澤徹監督の思い切った選手起用だった。
攻撃力のある徳島を相手に高卒ルーキーを起用するのは結構なギャンブルだったが堂々とプレーした。DF阿部海は182センチの身長でフィジカルが非常に強い。左ストッパーのDFチェ・ジョンウォンも186センチの長身なので岡山は課題だった最終ラインの高さ不足が解消されて耐える力が大幅にアップしたように感じられる。ロングボールを多用するチームが多いJ2の場合は「跳ね返す能力」は必要不可欠である。
今年のJリーグはJ1もJ2も若い選手の活躍が目立っている。土曜日に行われた試合ではG大阪のMF福田湧、名古屋のDF菅原がスタメンを飾ったが岡山では18才のDF阿部海がスタメン出場。体の出来上がっている選手なので早い段階で出場機会を掴むことは十分に考えられたが開幕スタメンというのは全く予想できなかった。ガムシャラさを持ったクラシックなCBなのでチームに活力を与えることが出来る。
岡山はDF阿部海だけでなく新戦力の頑張りが目立った。MF上田康はもちろん、1トップのFWイ・ヨンジェのプレーも良かった。推進力のある選手なので相手の脅威になっていた。また、右WBのMF椋原の積極的な攻撃参加も目立った。途中出場したMF仲間のラフプレーでの退場は残念だったがスタメンで出場した6人の新戦力はいずれも自分の良さを発揮した。早くもチームに馴染んで大きなプラスをもたらしている。
■ 17才のFW藤原志龍が驚きのデビュー徳島は黒星スタートとなった。とにかく前半27分に失点をして目が覚めるまではほとんど自分たちの良さを出せなかった。昨シーズンも「前半の途中まで低調→試合中の修正で持ち直す。」というケースが非常に多かったが悪い流れの時に失点すると苦しくなる。リカルド・ロドリゲス監督の試合中の修正能力は見事と言えるが「試合の入り方のまずさ」を改善できないと安定して勝ち点を積み上げるのは難しくなる。
FW渡が抜けた穴をどう埋めるのか?が今シーズンの徳島の最大の注目点になるがFW山崎凌は欠場。FW呉屋が1トップの位置で起用されたがなかなか見せ場を作ることが出来なかった。FW薗田やFWナタン・ジュニオールもいてフォワードの競争は激しいのでFW呉屋にとっては巡ってきたチャンスを結果に結び付けたかったが思い通りのプレーは出来ず。ゴール前以外での存在感も希薄だった。
徳島にとっては残念な結果になったが17才のFW藤原志がクラブ史上最年少出場を果たしたこと、ならびに潜在能力の高さを何度か披露したことはポジティブなニュースと言える。年代別代表にも召集されている「徳島ユースの最高傑作」は独特のボールタッチでスタジアムを沸かせた。J2に昇格して10年以上が経過したこの段階でついに現れた自前のスター候補なのでじっくりと、そして、しっかりと育てたい。
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