■ クラブ史上最高の戦力となったツエーゲン金沢J2の躍進候補としては金沢・栃木SC・山口の3チームを挙げることができる。柳下監督が就任して2年目となる金沢は40試合で12ゴールを挙げた10番のMF中美(→松本山雅)が流出したが42試合で16ゴール6アシストのFW佐藤洸など主力のほとんどがチームに残った。主力級の流出はMF中美のみ。期限付き移籍だった五輪代表のDF庄司とMF宮崎幾は残留。DF石田崚とFW垣田の引き止めにも成功した。
その上でMF清原(徳島)、FWマラニョン(スコータイFC)、MF藤村(仙台)、DFアラン(讃岐)などが加入したので戦力は大幅にアップした。疑いようのないレベルで「クラブ史上最高の戦力」と言えるが何と言ってもMF清原の復帰が最大のニュースである。精神的な支柱であり、クラブのレジェンドの復帰なので金沢の街は盛り上がるだろう。若手のさらなる成長は不可欠であるがプレーオフ争いに参加しても不思議はない。
昇格1年目の栃木SCも躍進候補に挙げられる。こちらも主力の流出が最小限にとどまった一方でDF西河(横浜FC)、MFヘニキ(FC岐阜)、MF寺田(横浜FC)、DF温井(C大阪)などを獲得。戦力アップに成功した。過去を振り返ってみるとJ3からの昇格チームは初年度のJ2で好成績を残すケースがほとんどである。いい流れのままでJ2に挑むことが出来るのでJ2の舞台で力以上のものを発揮して健闘するケースが多い。
J3に所属して昇格を目指す場合は勝ち続ける必要がある。勝ち点「3」を目指す戦いを選択する必要があるがJ2になると「降格しないこと」が重要。引き分けが続いたとしても決して悪くない。J1と違ってJ2の場合はしっかりと人数を固めてある程度のレベルで組織的に守ることができれば大崩れはしない。栃木SCにとっては常に勝利が求められるJ3よりも引き分けでOKというJ2の方が良さを出しやすいと考えられる。