■ アジア最終予選はいよいよ残り1節約1年に渡って開催されるアジア最終予選は残り1節となった。日本の入ったB組は6勝1敗2分けで勝ち点「20」の日本の首位通過が確定。日本の6大会連続となるW杯出場が決まった。初戦のUAE戦を落とすというショッキングなスタートになったが2節以降は6勝2分け。8試合負けなしと順調に勝ち点を積み上げた。日本にとっては非常に苦しいW杯予選になったがそれでも1試合を残した時点でW杯出場が決まった。
9節を終えた時点での順位表は表1のようになるがB組は2位争いが熾烈を極める。2位のサウジアラビアと3位のオーストラリアが同じ勝ち点「16」で並んでおり、4位のUAEにも2位の可能性が残っている。レギュレーションを調べてみると最優先されるのは得失点差で、2番目が総得点になるので、得失点差が重要になって来るが、2位のサウジアラビアが「+6」、3位のオーストラリアが「+4」、UAEが「-2」となる。
オーストラリアにとってはMF井手口に決められた2失点目は得失点差のことを考えると相当に痛かったことになる。最終節の対戦カードはサウジアラビア vs 日本、オーストラリア vs タイ、イラク vs UAEとなるが、言うまでもなく日本はすでに首位通過を決めている。タイの6位、イラクの5位も確定しているので、当事者の3チームの相手はいずれも消化試合になるが、当然、日本戦となるサウジアラビアが一番きつい。
日本代表はMF香川とMF長谷部が代表から離脱している。タイトなスケジュールであることならびにこれまであまり新戦力を試すことが出来ていないことを考慮すると、GK中村航(柏)やDF植田直(鹿島)やDF三浦弦(G大阪)やMF柴崎岳(ヘタフェ)やFW杉本健(C大阪)など新戦力を抜擢してテストしたい試合である。メンバーを大きく入れ替える可能性はあるが、サウジアラビアの選手には大きなプレッシャーがかかる。
オーストラリアは得失点差のことを考えると大量点が必要な試合となるがタイが相手なので4点あるいは5点くらい取れても不思議はない。日本代表の選手起用やコンディションやモチベーションがB組の2位争いの行方に大きくかかわって来るので日本の選手にとっても得難い体験が出来るだろう。わずかながら2位あるいは3位の可能性を残すUAEは勝利が絶対条件。その上で同様に大量ゴールが必要になってくる。
表1. B組の順位表 (9節終了時点)
順位 | チーム | 試 | 勝 | 分 | 敗 | 得 | 失 | 差 | 点 |
1 | 日本 | 9 | 6 | 2 | 1 | 17 | 6 | 11 | 20 |
2 | サウジアラビア | 9 | 5 | 1 | 3 | 16 | 10 | 6 | 16 |
3 | オーストラリア | 9 | 4 | 4 | 1 | 14 | 10 | 4 | 16 |
4 | アラブ首長国連邦 | 9 | 4 | 1 | 4 | 10 | 12 | −2 | 13 |
5 | イラク | 9 | 2 | 2 | 5 | 10 | 12 | −2 | 8 |
6 | タイ | 9 | 0 | 2 | 7 | 5 | 22 | −17 | 2 |
■ 敗退の危機に陥っている韓国代表「日本代表が9節でW杯の出場権を獲得できて本当に良かった。』と思える展開になっているが、一方のA組はそれ以上の激戦になっている。9試合で6勝3分け。未だに無失点のイランが早々にW杯の出場権を獲得しているが同じように2位争いが熾烈を極める。2位の韓国が勝ち点「14」で、3位のウズベキスタンと4位のシリアが勝ち点「12」。勝ち点「9」で5位の中国にもわずかながら3位の可能性が残されている。
最終節はウズベキスタン vs 韓国、イラン vs シリア、カタール vs 中国となるが、「永遠のライバル」と言われる韓国の動向が最も気になるところである。Jリーガーの中ではGKキム・ジンヒョン(C大阪)、GKキム・スンギュ(神戸)、DFチャン・ヒョンス(FC東京)、MFキム・ボギョン(柏)の4人がメンバーに召集されており、3位でプレーオフに回るようだとJリーグのタイトル争いにも大きな影響を及ぼすことになる。
韓国は9節は「天敵」と言われるイランと対戦したがホームでスコアレスドロー。何とか勝ち点「1」をプラスすることができた。幸いなことに最大のライバルだったウズベキスタンがアウェイで中国に0対1で敗戦したので韓国は2位の座をキープすることができたが、最終節は2位の韓国と4位のウズベキスタンの直接対決となる。両チームの勝ち点差は「2」なのでウズベキスタンが勝利すると順位で韓国を上回ることになる。
■ 4位転落の可能性もある韓国代表ウズベキスタンというとタレントが豊富。W杯予選はいいところまで行けるようになってきたがいつも大事なところで勝ち点を取れなくてW杯の出場権を獲得できずにいる。今回も大一番で中国に敗れた。9節の中国戦(A)で勝利していたら2位で最終節を迎えることが出来たので圧倒的に有利な状況で韓国と対戦することができたが、「大事な試合でのウズベキスタンの勝負弱さ」は気の毒に感じるほどのレベルである。
それでもホームで韓国に勝利することができると3位以内が確定する。3位のシリアと4位のウズベキスタンは同じ勝ち点「12」。得失点差はシリアが「+1」で、ウズベキスタンは「-1」。得失点差のことを考えるとウズベキスタンも大量ゴールが必要となるがシリアの最終節の相手は無敗のイランなので勝ち点を取り逃がす可能性は結構高い。B組の日本と同様でA組の方も消化試合となるイランがカギを握っている。
中国は3位に浮上するためには勝利が絶対条件。その上でシリアとウズベキスタンが共に敗れる必要があるが、なおかつ、得失点差で両チームを上回る必要がある。ハードルは高い。最終節の相手はカタールとなるが、カタールというと次の次のW杯のホスト国である。すでに5位以下が確定しているので「W杯の出場経験が無いチームがW杯のホスト国になる。」という非常に不名誉なことになるのが確定した。
韓国は勝てば文句なしで出場権を獲得できるが、引き分けに終わって、かつ、シリアが勝利すると3位でプレーオフに回ることになる。敗れるようだと3位以下が確定するが、シリアが引き分けた場合は3位でプレーオフに進んで、シリアが勝利した場合は4位。W杯出場の可能性が消滅する。第3者的な立場からコメントすると「オーストラリアと韓国が3位になってプレーオフで対戦することになったら面白い。」と感じる。
表2. A組の順位表 (9節終了時点)
順位 | チーム | 試 | 勝 | 分 | 敗 | 得 | 失 | 差 | 点 |
1 | イラン | 9 | 6 | 3 | 0 | 8 | 0 | 8 | 21 |
2 | 韓国 | 9 | 4 | 2 | 3 | 11 | 10 | 1 | 14 |
3 | シリア | 9 | 3 | 3 | 3 | 7 | 6 | 1 | 12 |
4 | ウズベキスタン | 9 | 4 | 0 | 5 | 6 | 7 | −1 | 12 |
5 | 中国 | 9 | 2 | 3 | 4 | 5 | 10 | −5 | 9 |
6 | カタール | 9 | 2 | 1 | 6 | 7 | 12 | −5 | 7 |
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