■ 19試合ぶりの勝利で流れは変わるか?J1は2ndステージの11節が終了。レギュラーシーズンは早くも残り6試合となった。「年間最多勝ち点の争い」、「2ndステージの優勝争い」、「残留争い」の3つが注目されるがその中でも残留争いが多くの人の関心を集めている。現時点で16位の名古屋は「初のJ2降格」の危機を迎えているが先日の試合で当面のライバルである新潟にアウェイで1対0で勝利。甲府や新潟との差を「7」から「4」に縮めることが出来た。
名古屋は「18試合勝ちなし」と長いトンネルに入ったままなかなか出口が見つからなかったがジュロヴスキー監督になってからは1勝1分け。就任初戦となるFC東京戦(H)は後半の終了間際に追いつかれドロー。「悪い流れは監督交代でも変えることは出来なかったか・・・。」と思われたが、次のアウェイの新潟戦で5月4日(水)の横浜FM戦(H)以来となる勝利を手にした。実に19試合ぶりの勝利だった。
幸運なことに直近の11節の試合は12位の仙台、13位の磐田、14位の新潟、15位の甲府、17位の湘南、18位の福岡がいずれも勝ち点「0」に終わった。『地力でのJ1残留の可能性』が消滅している名古屋にとっては「他クラブの勝ち点が伸び悩むこと」もJ1残留のための絶対条件となる。他力本願なところはあるが、これ以上ないほど最高の結果になった。1つの勝利によって局面はガラッと変わった。
もちろん、現時点ではまだ厳しい状況にあるのは間違いないところである。当面のライバルである新潟や甲府と比べてもきつい立場であることは間違いないが、先日の試合の結果によって「もしかしたら・・・。」という希望の光が差してきたのがとにかく大きい。もともと力のある選手が多いチームなので「○○試合未勝利」という重圧から解放された名古屋の選手たちが本来の力を発揮するようになる可能性はある。
■ まずまずの復帰戦となったDF闘莉王小倉監督が休養となって新たにジュロヴスキー監督が就任したという監督交代の効果は当然のことながら大きかったと思うが、上向きになった一番の要因はやはりDF闘莉王の復帰だろう。約10か月ぶりに古巣となる名古屋に電撃復帰した元日本代表のDF闘莉王は9月10日(土)に行われた新潟戦(A)でさっそくスタメン出場して完封勝利に貢献した。名古屋がアウェイで勝利したのは開幕の磐田戦(A)以来だった。
新潟戦(A)のDF闘莉王のパフォーマンスは普通程度だった。前半28分に生まれたFW川又のゴールシーンのときは後ろから競りに行ったDF闘莉王の方に新潟の選手の意識が集中していたことがゴールになった理由の1つだと思うで決勝ゴールの場面に関しては『DF闘莉王の存在がアシストした。』と言えたが、攻撃の局面で目立ったのはこのワンシーンくらい。オーバーラップを仕掛けるシーンはなかった。
DF闘莉王のプレーが極端に良かったとは言えないが、その一方でブランクの影響を感じさせるプレーもほぼ無かった。西野監督時代のDF闘莉王は「セットプレーの時に攻撃に参加した後、自分の定位置まで戻り切れない。」という場面が多くてアキレス腱になるときもあったが、終盤になって動きが目に見えて落ちることも、スピード不足が露呈することも、自分の裏のスペースを突かれることもなかった。
■ リスクの高いDF闘莉王の決断だが・・・。もちろん、全盛期と比べると物足りなく感じるところもあるが、それでも「復帰戦ということを加味するとまずまず」と言える。どちらかというと太りやすいタイプだと思うので『ウエイトオーバーで来日する可能性があるのでは?』と思っていたが、体つき等に関して気になる部分はなかった。約10か月というブランクがある選手にしてはコンディションもまあまあ。予想していたよりも状態は良かったと言える。
「DF闘莉王が一定以上のレベルを維持できていること」が分かったことも名古屋にとっては大きな収穫と言えるが、リーダーシップを発揮できる選手がいなかった名古屋にとっては精神的な支柱が戻って来たという点でも大きい。CBが開幕当初から弱点になっていたので「CBを強化することが出来た。」という意味でも非常に大きいが、「精神的な部分で頼れる選手が戻って来た。」という部分でも非常に大きい。
DF闘莉王は「愛するグランパスのために・・・。」という強い思いから古巣への復帰を決断したが本人にとって相当にリスキーな選択であることは確かである。何か月も勝てていないチームを立て直す作業というのは全盛期のDF闘莉王であったとしても相当に難しい話だと思うが、約10か月というブランク期間があればなおさらのことである。これまでの素晴らしい経歴に傷が付くことは十分に考えられる。
もちろん、名古屋を救うことが出来ずに「J2降格」となった場合でも真っ先に批判されるのは小倉前監督を含めたフロント陣である。さらには期待に応える働きが出来なかった主力選手にも批判の声が集中すると思うが、ネームバリューのある選手なのでDF闘莉王を批判する人は必ず出てくる。リスクの高い決断だったと思うが、見事にJ1残留を果たすことが出来たならばこれ以上かっこいい話はないだろう。
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