■ 初戦の相手は因縁のUAEいよいよ2018年のロシアW杯のアジア最終予選が開幕。6大会連続となる本大会出場を目指すハリルJAPANはホームの埼玉スタジアムでUAEと対戦した。UAEは1990年のイタリアW杯に出場した経験がある。何度も語られているとおりで2015年1月に行われたアジアカップの時は準々決勝でUAEと対戦してPK戦の末、敗れてアジアカップ連覇を逃している。このときはMF柴崎岳(鹿島)がゴールを決めている。
日本は「4-2-3-1」。GK西川(浦和)。DF酒井宏(マルセイユ)、DF吉田(サウサンプトン)、DF森重(FC東京)、DF酒井高(ハンブルガーSV)。MF大島僚(川崎F)、MF長谷部(フランクフルト)、MF本田圭(ACミラン)、MF香川(ドルトムント)、MF清武(セビージャ)。FW岡崎慎(レスター)。ボランチ陣に怪我人が発生していることも絡んでリオ世代で23歳のMF大島僚が大事な試合でフル代表デビューを飾ることになった。
ベンチスタートになったのはGK林彰洋(鳥栖)、GK東口(G大阪)、DF植田直(鹿島)、DF太田宏(フィテッセ)、DF丸山(FC東京)、MF遠藤航(浦和)、MF山口蛍(C大阪)、MF原口(ヘルタ)、MF宇佐美(アウグスブルク)、MF小林悠(川崎F)、FW浅野拓(シュツットガルト)、FW武藤嘉(マインツ)の12人。MF柏木(浦和)は怪我のためベンチ外。DF長友(インテル)、DF槙野(浦和)、DF昌子(鹿島)は怪我で代表入りを辞退している。.
■ まさかの黒星発進となったハリルホジッチ監督試合は前半11分に日本が先制に成功する。右サイドでDF酒井宏がファールを獲得してFKを得るとMF清武がファーサイドに上げたボールをエースのMF本田圭が頭で合わせて大事な先制ゴールを奪った。MF本田圭はW杯予選は7試合連続ゴールとなった。先制されたUAEは前半20分にゴール前の絶好の位置でFKを獲得するとFWハリルが右足で鮮やかな縦回転の直接FKを決めて1対1の同点に追いついた。
迎えた後半7分にエリア内でボールをキープしたMFハマディに対してAマッチ初出場となるMF大島僚がファールを冒してPKを献上。これをFWハリルに決められて1対2と逆転を許す。日本はMF宇佐美とFW浅野拓とMF原口を投入。すると後半32分にMF本田圭の折り返したボールをフリーのFW浅野拓が左足でシュート。ゴールラインを割って同点ゴールに思えたがノーゴールの判定で追いつくことはできず。
その後も攻め込んだ日本だったがゴールを奪うことはできず。1対2の逆転負けでハリルJAPANはいきなり初戦で躓いてしまった。ハリルホジッチ監督が就任してからの通算成績は11勝3敗4分けとなるが3敗は全て逆転負け。先制ゴールを奪った後の戦い方と同点に追いつかれた後の戦い方に課題を抱えている。2節は9月6日(火)にアウェイでタイと対戦するが「絶対に勝たなければいけない試合」となる。
■ 理解しにくいジャッジに苦しんだ日本代表過去数回のW杯のアジア最終予選を振り返ってみても初戦というのは苦戦する傾向が強い。前回のザックJAPANのときはホームでオマーンに3対0で完勝。最高のスタートを切ったが楽に勝利できたのはこの試合くらい。難しい試合になることは予め予想されていたが前半11分にMF本田圭のゴールで先制に成功。いい流れになったかに思えたがすぐに直接FKを決められて追いつかれてしまったことが痛かった。
絶好の位置でFKを献上したことがマズかったがとにかくボールの失い方が良くなかった。さらにはDF森重のカウンターへの備えも十分ではなかった。DF吉田の対応については大きな落ち度があったとは思わないがファール&イエローカードとなった。リプレーを見ると「(最後に手を出しているのは間違いないが)相手選手は自分で足を滑らせているだけ」という風に見える。納得しがたいジャッジだった。
後半7分に献上したPKの場面についてはMF大島僚とDF酒井宏とMF香川の3人で囲い込むことに成功したので「ボールを奪いきることが出来なかったこと」は大きな反省材料と言えるがそれでもMF大島僚は一度はマイボールにしている。ボールを足先でコントロールして次に展開しようとしたところを再度相手にボールを奪われたことがPKにつながったがちょっとした判断のミスが致命傷になってしまった。
ただ、このシーンも「本当にMF大島僚の足がかかっているのか?」はかなり微妙で、明らかにファールを貰いに行っている。シミュレーションで相手選手にイエローカードが提示されてもおかしくないシーンだったと思う。天と地ほどの実力差がある相手であるならば不利な判定を被ったとしても大きな問題にはならないが日本とUAEの差はそこまで大きくない。重要局面での不利なジャッジが続くと勝つのは難しくなる。
■ ハリルホジッチ監督の選手交代は成功せず。一方でハリルホジッチ監督の選手起用については批判されても仕方がないだろう。最初にMF清武を下げてMF宇佐美を投入して、FW岡崎慎を下げてFW浅野拓を投入して、MF大島僚を下げてMF原口を投入するという選手交代を実施したが、最もゴールの匂いを感じさせたセットプレーのキッカーのMF清武を下げたのは愚策だった。その後はMF宇佐美やMF香川がキッカーを務めたが効果的なボールは入ってこなかった。
ドリブルで仕掛けることが出来るMF宇佐美のような選手を投入することは十分にあり得る交代であるが代えるのであればMF清武ではなくてMF香川がベターだったと思う。効果的な縦パスが入ってこないこともあってこの日のMF香川はほとんど見せ場を作れず。ボールを失うシーンも多かったので「MF香川を下げてMF宇佐美を投入。MF清武かMF本田圭をトップ下に移す。」というのがベターな策だったと思う。
あるいは「MF大島僚を下げてMF宇佐美を投入する。」という交代でも良かった。MF長谷部をアンカーにおいてMF香川とMF清武をインサイドハーフに並べる「4-1-4-1」でも面白かったと思う。UAEのセットプレーの守備は決して良くなかったので精度の高いボールを供給できるMF清武がベンチに下がったのはかなり助かったのではないか。審判団のみならずハリルホジッチ監督の選手交代に問題があったのは確か。
厳しいスタートになったが前回のブラジルW杯のときは5勝1敗2分けで、前々回の南アフリカW杯のときは4勝1敗3分けで、その前のドイツW杯のときも5勝1敗という成績だったので「1つ負けることは想定内」と言える。大事なのは負けを引きずらないことであり、次のタイ戦(A)で勝利できると幾分かはショックが和らぐ。中4日の試合となるが早く気持ちを切り替えて勝ち点「3」を掴んでほしいところである。
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