■ ポジション争いが面白いのは攻撃的なポジションいよいよW杯のアジア最終予選がスタートする。B組に組み込まれた日本はオーストラリア・サウジアラビア・UAE・イラク・タイと同組になった。2006年のドイツW杯、2010年の南アフリカW杯、2014年のブラジルW杯という直近の3大会は比較的早い段階で本大会出場を決めることが出来たが今回のアジア最終予選も過去3大会と同様の楽な流れになるとは限らない。苦しい戦いや難しい戦いになる可能性はある。
本大会の出場権を獲得することが一番の目標となるが、それでも6大会連続のW杯出場は最低限のノルマである。本大会に出場するだけでは誰も満足することはできないくらいの実績を少なくともアジアの中では示しているので、「ロシアW杯で決勝トーナメントに進出できるほどチーム力を押し上げること」が求められる。厳しい予選の中で個々の力ならびにチーム力をアップさせて強いチームになることが期待される。
ハリルホジッチ監督のチーム作りならびに選手起用も注目されるがポジション争いで興味深いのは攻撃的なポジションである。ハリルJAPANになってからは「4-2-3-1」を採用するケースがほとんど。「1トップ」と「左右のサイドハーフ」と「トップ下」という4つのポジションはレギュラー候補が非常に多くて今回のメンバーに召集されていない選手の中にも高いポテンシャルを秘めた選手がたくさんいる。
■ 絶対の存在ではなくなってきた岡崎慎司&本田圭佑ザックJAPANのときは右のMF岡崎慎、トップ下のMF本田圭、左のMF香川という2列目トリオはほぼ固定されていた。4番手にMF清武が控えていたが先の3人を差し置いてMF清武がスタメンで起用されたケースは数えるほど。CFに関してはFW前田遼、FW李忠成、FWハーフナー・マイク、FW柿谷、FW大迫などが起用されたが、2列目の3人に関しては「よほどのことがない限りはスタメンは決まり。」という状態だった。
攻撃陣については「CFのポジション争い」が注目を集めたが、年月が経過してFW岡崎慎とMF本田圭の2人は30歳を超えた。近年はサッカー選手の寿命が長くなってきたので「30歳以上の選手=ベテラン」とは言えなくなっているが年齢的な衰えがやって来ても不思議はない時期に入ってきた。特にMF本田圭については所属のACミランでサブに回るケースが増えており、コンディション面に不安を抱えている。
27歳のMF香川は年齢的には一番いい時期と言えるが、MF清武の台頭もあってMF香川についても「絶対の存在」ではなくなる可能性はある。9月1日(木)に行われるアジア最終予選の初戦のUAE戦はFW岡崎慎の1トップで、右にMF本田圭、トップ下にMF香川、左にMF清武という配置になる可能性が高いと思うが、アジア最終予選を通して今の序列を覆してレギュラーを奪取する選手が出てくることも期待される。
■ MF本田圭の強力なライバルとなるMF小林悠その候補と言えるのはMF宇佐美(アウグスブルク)、MF原口(ヘルタ)、FW武藤嘉(マインツ)。いずれもハリルホジッチ監督の評価が高くて日本代表に定着しつつあるがMF本田圭やMF香川やFW岡崎慎を脅かすほどの活躍は出来ていない。3人とも今シーズンはブンデスリーガでプレーすることになったが仮に所属クラブで出場機会を確保できなかったら「代表落ち」もあり得るほど代表の中での立場は安泰ではない。
3人の強力なライバルになるのはFW浅野拓(シュツットガルト)である。五輪代表で活躍してアーセナルへの移籍が決定。「もっとも注目されている日本人選手」と言えるがハリルホジッチ監督の評価は極めて高い。ハリルJAPANでは右サイドでプレーするケースが多いが当然のことながら1トップでもプレー可能。爆発的なスピードはスタメンであっても途中出場であっても大きな武器になることはすでに実証済みである。
先の湘南戦(H)で途中交代させられたときの石井監督への態度が大きな騒動になったFW金崎(鹿島)は昨年の秋に日本代表に復帰してから存在感を発揮していたが今回は騒動が原因で招集が見送られた。FW武藤嘉やFW浅野拓と枠を争う形になっているが、これまでの代表戦では「ゴールへのあくなき執念」がチームに好影響をもたらして来たのは事実である。「代表復帰はあり得るのか?」に注目が集まる。
Jリーグでゴールを量産して「今シーズンのJリーグのMVP候補」に名前が挙がるほどの活躍を見せているMF小林悠(川崎F)への期待度は日に日に高まっている。6月のキリンカップサッカー2016のときにスタメンで出場してアシストを記録しているが得点感覚が鋭くてボールをおさめる技術も高い。川崎Fでも右サイドでプレーする機会が多くなっているので大黒柱の大MF本田圭の強力なライバルになりつつある。
■ フル代表が考えられる若手選手というと・・・。候補は他にもたくさんいる。長身のFWハーフナー・マイク(デンハーグ)は3月の試合で高さが武器になることを証明しており、エールディビジでもコンスタントにゴールを決めている。ドリブラーのMF齋藤学(横浜FM)は今シーズンは特に調子が良くてJリーグではキレキレのドリブルをほとんどの試合で披露している。ドリブラーという枠組みで考えると「日本人の中で最高峰」と言えるのは間違いないところである。
リオ世代の選手では(本大会にはクラブの事情で参加できなかったがFW久保裕(ヤングボーイズ)はすでにフル代表でも活躍できそうな力を蓄えており、21歳のMF南野(ザルツブルク)もポテンシャルは高い。MF中島翔(FC東京)に関しては「所属クラブで出場機会を確保することが先」と言えるが、ドリブル突破からのミドルシュートは大きな武器になり得る。FW浅野拓を含めた下の世代も着実に力を付けている。
Jリーグでの活躍が認められてフル代表に引き上げられる若手選手の登場も期待されるが、有力候補と言えるのはMF伊東純(柏)だろう。怪我もあって手倉森JAPANの活動にはほとんど参加できなかったが今シーズンはJ1で突出したパフォーマンスを見せており、スピードスターに対する注目度は高い。FW浅野拓と同様に「試合の流れを変えるジョーカー」としても存在感を発揮できる選手である。
他にはオランダに渡ったMF小林祐(ヘーレンフェーン)もハリルホジッチ監督の評価の高い選手で左足のシュートは大きな魅力と言える。さらには6月あたりから人が変わったかのようなハイパフォーマンスを続けている187センチのFW杉本健(C大阪)もハリルホジッチ監督が期待している選手なので早い段階でフル代表でテストされる可能性がある。相手が強くなればなるほど大型フォワードの存在は重要になってくる。
ベテラン選手では35歳でありながら驚異的なプレーで初タイトルを目指すチームを牽引するMF中村憲(川崎F)の代表復帰を期待する声が多くなっている。ついに先日の代表メンバー発表の時にハリルホジッチ監督が「MF中村憲の招集」をほのめかすコメントを残したことでさらに期待度が高まっている。ジョーカー的な役割も期待できるがMF中村憲のような経験豊富な選手はいろいろな部分でチームに貢献できる。
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