■ 五輪代表に大抜擢された2人の大卒ルーキー今年度の高卒ルーキーは全員が「東京世代」となる。その一方で新卒で入団した大卒ルーキーは全員が「リオ世代」となる。1993年4月2日から1994年4月1日に生まれた選手が今年度の大卒ルーキーなので、当然、手倉森JAPANに招集される資格を持っている。4年前のDF山村和(当時:鹿島)やDF比嘉(当時:横浜FM)のように大学の頃から五輪代表に招集されているビッグネームはいないが充実度はまずまずである。
Jリーグの開幕から2か月ほどが経過したがこの期間中にネームバリューが飛躍的に向上した大卒ルーキーというとFW富樫(横浜FM)とDF三丸(鳥栖)の2人になるだろう。ともに4月11日(月)から静岡で行われた手倉森JAPANの代表候補合宿に初召集されたことで一気に知名度がアップした。FW富樫にしても、DF三丸にしても、手薄なポジションの選手なので大逆転での五輪代表入りの可能性もゼロではないはず。
横浜FMのFW富樫は父親が日本人で母親がアメリカ人のハーフ。3節の新潟戦(A)と4節の鳥栖戦(H)は2試合連続でスタメン出場していずれも先制ゴールを奪った。運動量が多くてスピードもあってボックス付近で相手の脅威になることができる。ガムシャラにプレーできる点も魅力で攻撃を活性化させることができる。最近は新外国人のFWカイケにスタメンの座を譲っているがレギュラー奪回のチャンスは十分にある。
一方のDF三丸はオーソドックスな左SBと言える。左利きで左足のキックの精度が高い。スピードや突破については目を見張るようなものはないが左足のキックは相当なレベルである。五輪代表のみならずフル代表でも正統派の左SBは不足しているので着実な成長が期待される。近年の鳥栖は左SBのところで苦労しているので彼のような大卒ルーキーが出場機会を得て一定の評価を得ているのは喜ばしい話である。
■ 大阪のクラブを選択した2人の有望ストライカー「大学ナンバー1ストライカー」と言われたのはFW呉屋(G大阪)。J1のリーグ戦ではまだゴールが生まれていないが8節の福岡戦(A)は初先発。まずまずの動きを見せた。FWパトリックとFW長沢駿がいるのでフォワードで出場機会を得るのは相当に大変であるが大学時代からゴールマシーンと評判。点の取り方を心得ている。固め取りができる選手だと思うので初ゴールが生まれるとボンボン点を取り始める可能性もある。
大学の頃から「FW呉屋のライバル」と言われたのはFW澤上(C大阪)。同じ関西の大学でプレーしており進路先として選択したのも同じ大阪のクラブだった。FW呉屋は177センチ/68キロ、FW澤上は181センチ/77キロ。FW澤上の方がサイズに恵まれている。C大阪は新外国人のFWリカルド・サントスが1トップの1番手になっているがFW田代有はコンディション不良で欠場中。現状ではFW澤上が2番手になっている。
C大阪はリードを奪った状態で試合の終盤を迎えることが多いので後半の30分あたりでFWリカルド・サントスに代わって投入されることが多い。サイズがあって左利きでダイナミックなプレーが持ち味なので広島などで活躍した元日本代表のFW久保を連想させる。CFタイプのFW鈴木武蔵は怪我で離脱中。FW澤上は手倉森JAPANの予備登録メンバー50人に選出された経験があるが五輪代表で試されてもおかしくない。