■ 大阪朝鮮高校の躍進大阪朝鮮高校が強豪の国見を破って初のベスト8入り。高校生の大会に5000人の大応援団が駆けつけたという動員活動には感心しないが、ともかく、大阪朝鮮高校が実力で上回って勝利したことには変わりない。なかなか練習設備が整わない中での健闘だと思われるので、ここは、素直におめでとうといいたい。
これで、”サッカー界にも韓流到来、韓流万歳”ということで話が進むのであれば、話は簡単だが、事はそう単純な問題ではない。正直、ボクは、今年の高校サッカー選手権に、ほとんど興味を持てていない。
■ 時代の変化これまでの高校サッカー選手権といえば、ウワサの超高校級のスター選手のプレーを、のんびりと観賞できることこそが醍醐味であった。
1995年の高校選手権では、富山第一のストライカー・柳沢敦のオールラウンドな働きに感心した。(大会後、高校生ながら、アトランタ五輪代表に選出されるが、大器の片鱗を見せた。)そして、1997年の大会では、東福岡のジャックナイフ・本山雅志のキレ味鋭いドリブル突破に驚いた。(これまでリアルタイムで見た選手に限定すると、本山が№1のMFだと思う。本山がドリブルを開始すると、相手はどうすることもできなかった。)
ただ、残念ながら、今大会には、そういった飛びぬけて輝く存在は見つからない。森島クンも、小澤クンも、イマひとつ。(彼らが、情報過多の世界で、すでによく知られた存在であることも、驚きの目で見られないマイナス要因となっているが・・・)
■ ひとつの警告盛り上がりに欠ける、その原因のひとつは、Jのクラブユースに人材が流れていることがあげられる。大阪朝鮮高校の躍進は、関西の優秀な人材が、ガンバユースに流れていることと無関係ではない。テレビ局の都合で、森島クンを高校№1ストライカーと認定したところで、森本貴幸(東京V)やハーフナー・マイク(横浜FM)の存在をサポーターは知っている。
高校サッカーは、変化を必要としている。かつては、高校のサッカー部の少年たちは、皆、国立でプレーすることを夢見たが、時代は大きく変わってきている。大阪朝鮮高校の躍進は、いい警告となるひとつの現象ではないかと思う。
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