■ ユースワールドチャレンジ・プレ大会2022お盆の時期にJ-GREEN堺で高体連の国内最高峰のチームを招待して行われるユースワールドチャレンジ・プレ大会2022が開幕した。神村学園高・興国高・静岡学園高・昌平高の4チームが参加したが初戦は神村学園高と静岡学園高が対戦した。ともに多数の年代別代表を抱えており、タレント力は高校屈指と言われている。静岡学園高はプレミアリーグWESTで好調。昇格1年目ながら快進撃を見せている。
鹿児島県の神村学園高は「4-2-3-1」。GK広川豪琉。DF有馬康汰、大川翔、平木駿、森元桜矢。MF笠置潤、大迫塁、高橋修斗、西丸道人、積歩門。FW福田師王。U-16日本代表で10番を背負っている1年生のMF名和田は不在。ボランチでキャプテンのMF大迫塁はC大阪への加入が内定している。高校ナンバー1のストライカーと言われるFW福田師はまだ進路先が決定しておらず。大争奪戦に発展している。
対する静岡学園高は「4-2-3-1」。GK中村圭佑。DF西井大翔、早川龍弥、行徳瑛、望月空。MF半田祥真、白井柚希、高橋隆大、高野仁、寺裏剣。FW神田奏真。157センチのMF高橋隆は2021年にU-17日本代表に選ばれており、左SHのMF寺裏は2022年にU-18日本代表に選ばれている。CBのDF行徳は185センチの長身。こちらも2022年にU-18日本代表に選ばれている。元・FC岐阜の行徳浩二監督の息子になる。
■ 注目の試合はまさかまさかの展開に・・・。強豪同士の注目の試合はまさかまさかの展開になった。前半6分にMF大迫塁とのワンツーから抜け出した左SHのMF積歩門が中央に折り返すとエースのFW福田師が合わせて神村学園高が先制に成功する。さらに前半19分にはMF積歩門のパスを受けたMF西丸が決めて2対0と突き放した。前半27分には右SBのDF有馬の高精度のクロスから178センチのFW福田師が豪快なヘディングシュートを決めて3点目を奪った。
勢いに乗る神村学園高は前半37分にもMF積歩門が決めて4点目。4対0と大量リードを奪ってハーフタイムに突入する。迎えた後半は立ち上がりからハーフタイム中に監督やコーチから強いゲキを飛ばされただろう静岡学園高が10番のMF高橋隆のドリブルを起点にチャンスを作った。後半はほぼ互角の展開になったが後半9分にクイックリスタートからMF西丸のヘディングシュートが決まって5点目を挙げた。
どうにも止まらない神村学園高は後半13分にMF大迫塁のパスを受けたエースのFW福田師がファールを受けながらも突進。右足でコース隅にシュートを決めて6点目。FW福田師はハットトリックの大活躍だった。手を緩めない神村学園高は後半28分にもMF積歩門のゴールで7点目を奪った。7対0で大勝した神村学園高は夏のインターハイで初戦で敗れた悔しさをバネに驚異的なゴールラッシュを見せた。
■ 圧巻だった2点目と3点目のゴール静岡学園高はプレミアリーグWESTで3位と好調。上位争いに参加している。MF高橋隆、DF行徳、MF寺裏、GK中村圭など年代別代表もたくさんいるので戦前は「静学が有利」という声が多かったが蓋を開けてみると信じ難いスコアになった。神村学園高は決定機を確実に生かしたが何と言っても目立ったのは高校ナンバー1のストライカーと言われるFW福田師だった。3ゴールを挙げたが2点目と3点目が圧巻だった。
自身2点目は右サイドからのクロスに対して驚異的な打点からヘディングシュート。3点目はファールを受けながら倒れることなくプレーし続けてドリブル突破からゴールをゲットした。178センチなので日本人のCFとしては標準以下の体格になるが身体能力は高くてゴール前で仕事ができる。まだ進路先は決定していないが海外を含めてたくさんあるだろう選択肢の中からベターな進路先を選択することが期待される。
懸念材料を挙げるとガツガツ守備をするタイプではない点。守備での貢献度はそこまで高くない。「ゴールを奪うことに専念するように」など監督やコーチから指示を受けて敢えて体力などを温存している可能性もあるが昨今のサッカー界はフォワードと言えども高い守備力と献身性が求められる。守備での貢献度の低いフォワードはよほど得点力がある選手でない限りは試合であまり起用されない時代になっている。
■ 高校屈指のプレーメーカー系のMF大迫塁神村学園高のもう1人のスター選手であるMF大迫塁はすでにC大阪入りが内定している。こちらは早い段階で進路先が決定したが1点目から5点目まで全てMF大迫塁が起点になった。6点目のFW福田師のゴールもアシストしたので「FW福田師に負けず劣らずの存在感を発揮した。」と言える。下級生の頃はトップ下でもプレーしたが最上級生になってボランチに定着。高校屈指のゲームメ―カーと言える。
最大の武器は何と言っても左足のキックになる。ショートパスだけでなくミドルパスの精度も非常に高い。左足のキックには相当な自信を持っているようだ。また、177センチなので日本人のボランチとしては「標準よりも少し上」のサイズを持っているのも魅力の1つに挙げられる。運動量や献身性もどちらかというと武器になるので「完成度の高い日本期待のプレーメーカー」と言える。希少価値の高い選手と言える。
敗れた静岡学園高にとっては悪夢のような展開になった。「7点差で負ける。」というのはほとんどの選手にとっては経験のない話だと思われる。ショッキングな敗戦と言えるが後半はMF高橋隆を中心にチャンスを作るようになった。G大阪Jrユースの頃からテクニシャンとして有名だったMF高橋隆も進路先が大いに注目されているがボール扱いは天下一品。2人・3人と囲まれても何とかできる打開力は大きな武器となる。
157センチという身長もディス・アドバンテージではない。むしろ、ストロングポイントの1つになっている。これだけ小さい選手が抜群のボールコントロールを駆使して仕掛けてくるので相手は大変である。課題はラストの精度と言える。左右両足を使える点がもう1つの大きな武器となるがクロスやシュートの精度は今一つだった。チャンスを演出してもゴールやアシストに結びつかないと評価はされにくい世界である。
・ 2022/04/26 【WEST:静岡学園高×鳥栖U-18】 157センチのMF高橋隆大の攻撃センスは物凄い!
▼ 動画の投稿日 (2022年8月2日)
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