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【JFL:佐川印刷×FC琉球】 33歳になった元日本代表・我那覇和樹 (生観戦記・上)の続き。
■ 両チームのスタメンホームの佐川印刷は「3-5-2」。GK田端。DF高橋、江添、浦島。MF吉木、志摩、中野、宇佐美、國領。FW岩崎、藤本。キーパーのGK田端はFC東京の下部組織出身、DF江添はC大阪と富山でプレーした経験があって、MF中野は愛媛FCと山形に所属した経験があって、DF浦島は長野パルセイロ、MF宇佐美はSAGAWA SHIGA FCでプレーした経験がある。C大阪や草津でプレーした経験のあるMF中井はベンチスタートとなった。
一方、アウェーのFC琉球は「4-4-2」。GK森本。DF一柳、笠松、伊藤、吉田。MF三浦、鳥養、中山、我那覇。FWエフライン・リンタロウ、真栄城。元日本代表のMF我那覇は下がり目のポジションで起用された。仙台などで活躍したDF一柳がキャプテンマークを巻いて、アンカーの位置には鳥取でプレーしたMF三浦、左サイドは「なにわのごん」というニックネームを持つMF中山、左SBは横浜FCや東京VなどでプレーしたDF吉田がスタメンに名を連ねた。
#9 佐川印刷のスタメン
#10 FC琉球のスタメン
■ 3対2で佐川印刷が競り勝つ試合は前半25分にアウェーのFC琉球の先制に成功する。いいタイミングで最終ラインの裏に抜け出したFW真栄城が落ち着いて決めてFC琉球が先制する。しかし、直後の前半27分に佐川印刷が左サイドでフリーキックを獲得すると、DF浦島が豪快なヘディングシュートを決めて1対1の同点に追い付くと、さらに前半35分にもCKからMF中野がヘディングシュートを決めて2対1と佐川印刷が逆転してハーフタイムに突入する。
試合は2対1のままで進んで、後半38分に途中出場のFW上田が決めて佐川印刷が3対1とリードを広げる。2点ビハインドとなったFC琉球は後半44分に左SBのDF吉田のクロスからフォワードにポジションを移していたFW我那覇が合わせて1点差に迫る。FW我那覇は今シーズン12ゴール目で得点ランキングは5位タイに付けている。結局、試合は3対2でホームの佐川印刷が勝利してリーグ戦は6連勝となった。一方のFC琉球はリーグ戦は3連敗となった。
#11 試合前の整列
■ 今季限りで引退するDF江添これで6連勝となった佐川印刷は12勝9敗11分けで勝ち点「47」となった。順位は8位となっているが、5位のツエーゲン金沢は勝ち点「50」と射程圏内で、次節はアウェーで金沢と対戦する。先のとおり、クラブとしての最高順位は2010年の6位であるが、ここ最近の調子の良さを考えると、クラブ史上最高成績で現行のJFLでの最後のシーズンを終える可能性も十二分に考えられるポジションに付けている。
ネームバリューのある選手は、間違いなくFC琉球の方がたくさん抱えているが、チームとして機能しているのは、佐川印刷の方だった。最終スコアは3対2だったが、佐川印刷はシュート19本で、FC琉球は5本だけ。佐川印刷も遠めから放った可能性の低いシュートもたくさんあったが、リーグ戦で5連勝中という好調さがうかがえる試合内容で、最後にFC琉球が追い上げて1点差の勝負となったが、佐川印刷の順当勝ちと言えるだろう。
3日前に現役引退を表明したDF江添はキャプテンマークを巻いてチームを引っ張った。31歳になったので、サッカー選手としては潮時と言える年齢に突入しているのかもしれないが、相変わらず、空中戦は強い。フィードに関しては、「今一つ」と言えるが、まだまだ、現役でやれそうなプレーぶりだった。「来年も現役でプレーできるんじゃないかな・・・。」と感じたので、あと2試合になってしまったことに対しては、ちょっと残念に感じるところもある。
佐川印刷は11月17日(日)はアウェーでツエーゲン金沢と対戦して、最後は11月24日(日)にホームでブラウブリッツ秋田と対戦する。秋田は13勝11敗8分けで勝ち点「47」ということで、佐川印刷と全く同じ勝ち点を稼いでいる。最終節の秋田との試合も同じ宇治市にある太陽が丘で行われるが、大阪からはそんなに遠くない。引退セレモニー等も行われると思うので、せっかくなので、C大阪のサポーターにもたくさん集まってほしいと思う。
#12 3対2で終了
#13 江添建次郎 (背番号「5」)
■ ぐしけんくんも今シーズン限りで退団FC琉球の方では、オフィシャルマスコットのぐしけんくんが今シーズン限りで退団することが発表されている。『準加盟申請が承認された9月終わりごろにぐしけんくんから念願であったJリーグ参入への道筋ができたことを機に背番号13と同じく2013年を最後に退団し、今後のFC琉球は新しいキャラクターに託して陰ながら応援していきたいと話がありました。』とFC琉球の公式ホームページでコメントされている。
JFLクラスになると選手の知名度が低いので、両チームのコアなサポーターを除く一般のお客さんは、どういう選手がいるのか、よく分かっていなかったと思うが、こういうオフィシャルマスコットがいると、一般のお客さんも楽しみを見出すことができる。ハーフタイム中には、ぐしけんくんの退団セレモニーも行われたが、花束を用意して、セレモニーを企画するなど、佐川印刷というチームの「試合運営能力」というのは、かなり高いように感じる。
#14 ぐしけんくんの退団セレモニー
#15 応援するぐしけんくん
■ 33歳になった我那覇和樹FC琉球は31節の金沢戦(A)は0対5で敗れている。前半だけで5ゴールを許しているので、これだけでも良くないチーム状態であることが推測できるが、32節のY.S.C.C.戦もホームで0対3で敗れている。Y.S.C.C.戦のときの一部の選手の言動が問題視されて、ちょっとした騒動に発展したが、いい雰囲気でないことは、この試合だけを観てもよく分かる。タレントはたくさんいると思ので、11勝12敗9分けで「11位」というのは宜しくない。
お目当てだったFW我那覇は前半はトップ下に近いポジションでプレーした。川崎F時代のFW我那覇というと「ポストプレーの巧さ」に定評のある選手だったが、33歳になった今でも足元の技術の高さと体の使い方のうまさは際立っている。ただ、なかなかシュートチャンスが無くて、「FW我那覇のゴールは観られないか・・・。」と思っていた後半44分に左サイドからのクロスを点で合わせて見事に佐川印刷のゴールネットを揺らした。
残念ながら、もう1つの武器である「我那覇ゾーンからのシュート」は観られなかったが、普段、テレビで観ることはできなくて、なかなか情報も伝わって来ないFW我那覇のプレーを観ることができて、しかも、ゴールシーンまで観ることができたので、遠路はるばる宇治まで出向いた甲斐があった。神戸に在籍した2010年を最後にJリーグからは離れており、33歳とベテランと呼ばれるような年齢になったが、元気な姿を観ることができたのは良かった。
一番最初に記述した通り、FC琉球も「J3への参加」を希望している。沖縄県にJリーグのクラブが存在しないことを考えると、「FC琉球のJ3入りは濃厚」と見られているが、JFLからJ3になって、全国的な露出は相当に増えることは確実である。個人的には、新しく誕生するJ3には大きな期待をしているが、「来シーズン以降、FW我那覇のプレーを継続的に観ることができるようになる。」ということも、楽しみの1つと言える。
#16 我那覇和樹 (背番号「9」)
#17 試合後のスタジアム周辺
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