■ 注目度№1のFWオーロイ一方、今年やってきた助っ人たちの中でもっとも話題を集めているのは、ジェフ千葉のFWオーロイ。Jリーグ史上最長身の204㎝を誇るビッグマンであるが、プレシーズンマッチの柏レイソル戦、開幕戦のギラヴァンツ北九州と噂にたがわぬ活躍を見せている。
204㎝の割には動きもスムーズで、足元の技術もあるが、やはり魅力は「高さ」。柏戦でも、北九州戦でもペナルティエリア内でファールをもらってPKを獲得しているが、共に、相手DFがFWオーロイよりも先にジャンプしようとして抑え込んでしまったためにPKを取られてしまった。さすがに、204㎝の高さは厄介であり、高さに欠けるチームは対策の打ちようがないだろう。
一方、FWオーロイと新たにチームメイトになったオランダ出身のMFファン・ゲッセル、カナダ出身のMFマット・ラムは開幕戦では見せ場は作れなかった。FWオーロイの影に隠れてしまうが、MFファン・ゲッセルも192㎝と長身であり、西欧出身の中盤の選手というのは、最近では珍しいので、彼がどのくらいできるのかも、1つの注目ポイントといえる。
■ 能力の高いFWマゾーラ今年も多くの外国人がやってきたが、今シーズンからJリーグに参戦した外国人のなかでもっとも能力が高いと思われるのは、浦和レッズのFWマゾーラである。欧州のビッグクラブも注目している逸材というが、プレシーズンマッチの大宮戦ではパワーとスピードで観衆の度肝を抜いた。
かつてのFWエメルソンのような圧倒的な存在になりうる選手であるが、<4-2-3-1>を採用している浦和で最適なポジションが見つからずにいる。2トップの一角で起用うるのがベターだと思われるが、浦和は1トップを採用しており、トップ下にもMFマルシオ・リシャルデスがいる。能力は高いが、思ったほどの活躍は出来ない可能性もある。
■ 新しいエースストライカーすでに公式戦でゴールをマークしており、新しいエースストライカーとして期待を集めるのが、アルビレックス新潟のFWブルーノ・ロペスと、セレッソ大阪のFWホドリゴ・ピンパォン。
FWブルーノ・ロペスは開幕戦のアビスパ福岡戦でヘディングシュートを決めているが、万能型のストライカーのようでボックス内でプレーされると相手にとっては厄介である。181㎝でそこそこの高さもあって、スピードや技術もある選手で、いい時のFW高原を連想させるオールラウンドなストライカーである。
一方、FWホドリゴ・ピンパォンはACLのアレア・アマルで2ゴールの活躍を見せた。フットサル出身ということでテクニックがあってスピードもある。C大阪では1トップを任されているが、体を張ってボールをキープするようなタイプではなく、1.5列目タイプのテクニック系のストライカー。「1トップ+3シャドー」がC大阪の特徴であるが、「0トップ+4シャドー」のように見える場面もある。意外にもヘディングでのシュートが上手い。
■ 無名ながらも・・・無名ではあるが、面白いと思うのは、アビスパ福岡のDFキム・ミンジェ。韓国の中央大学から加入してきた韓国人プレーヤーであるが、柏レイソルに移籍したDF中島の穴を埋めて余りある活躍を見せて、開幕から左サイドバックでレギュラーをつかんだ。169㎝と背は高くないが、その左足は無限のパワーを秘めている。スピードやドリブルのテクニックもあって、将来が楽しみな選手である。
韓国の豫芸術大学からガイナーレ鳥取に加入したMFキム・ソンミンも面白い選手。鳥取ではサイドハーフを任されているが、スピードも、技術も備えており、19歳ながら攻撃のキーマンになっている。ボランチが基本ポジションだというが、運動量もあって注目に値する選手と言える。
■ 来日した実力者中盤でチームに新たなパワーを与えそうなのは、サンフレッチェ広島のMFムジリ。グルジア代表としてプレーした経験を持つが、テクニックの高さとアイディアの豊富さは、Jリーグ全体を見渡しても屈指の存在であり、広島のパスサッカーを新たな次元に引き上げる可能性もある。右足のシュートも強烈で、非常に面白い選手である。
また、柏レイソルのDFジョルジ・ワグネルもブラジルでは名の通った選手で、清水エスパルスとの開幕戦では強烈なフリーキックを決めてその実力を示した。プレシーズンマッチのジェフ千葉戦では左サイドハーフでプレーしたが、開幕戦では左サイドバックでプレー。左足のキックが絶品である。
J2ではFWロベルト・セザーも能力の高いストライカーといえる。開幕戦のサガン鳥栖戦では後半開始から登場し、試合の終盤にドリブル突破からビッグチャンスを作った。「典型的なストライカー」であり、出場時間さえ与えられたら、ある程度の結果を残すのは確実といえる。
■ 守備的なポジションの選手守備的な選手で活躍しそうなのは、ベガルタ仙台のDF曹秉局。2010年にアジアを制した城南一和から加入してきたが、開幕戦となったサンフレッチェ広島戦でも高さと強さは際立っていた。2010年はDFエリゼウ、DF渡辺の調子が上がって来ずに、DFラインに軸となれる選手がいなかったが、リーダーとしても期待のできる選手といえる。
ガンバ大阪のDF金正也も評価が高い。開幕からセンターバックでポジションを確保していたが、高さ・強さに加えて足元の技術もある。こちらは、韓国人プレーヤーであるが、兵庫県出身で駒澤大学出身でずっと日本でプレーしているので、環境への戸惑いは少ないだろう。
J2ではコンサドーレ札幌のMFブルーノも能力が高そうな選手である。ボランチを任されているが、ゴール前に飛び出していくプレーで開幕戦はチャンスに絡んだ。
■ 本領発揮とはいかない選手たちその一方で、評価は高かったが、まだ、思ったようなプレーができていないのが、鹿島アントラーズのFWカルロン。2010-2011シーズンのポルトガルリーグで、14試合で9ゴールという活躍を見せたが、Jリーグ特有の「スピード」に対応しきれずに、スタメンを確保するに至っていない。足元の技術は高く、キープ力はあるが、ゴール前で鋭さを感じさせないため、現状では、あまり得点の匂いはしてこない。
鹿島はFW興梠、FW大迫、FW田代とフォワードの駒は揃っており、FWカルロンがフィットするのを待つだけの余裕はあるはずだったが、FW興梠らの調子も上がっておらず、今シーズンの公式戦でフォワード陣にゴールが生まれていない。そろそろ、出てきてほしいところである。
また、「美形」として話題になった栃木SCのFWトリポジも、思うような活躍はできていない。開幕戦は、FWリカルド・ロボ、FW崔根植がゴールを決めており、ポジション争いでも劣勢を強いられている。期待の高かったヴァンフォーレ甲府のMFフジネイも同様で、チームの軸になることを期待されたが、開幕戦はスタメンから外れてしまった。出遅れた選手の巻き返しにも期待したいところである。
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