■ 第25節6勝14敗4分けで勝ち点「22」で17位のシュツットガルトと、8勝10敗6分けで勝ち点「30」で10位のシャルケの対戦。シュツットガルトは降格圏内に位置する。シャルケは2日にドイツDFBカップの準決勝のバイエルン・ミュンヘン戦を戦ったばかりで疲労の影響が心配される。
シュツットガルトは<4-2-3-1>。GKウルライヒ。DFブラルーズ、ニーダーマイアー、タシ、モリナーロ。MFトレーシュ、クズマノヴィッチ、ハルニック、ハイナル、岡崎慎司。FWポグレブニャク。FWカカウは怪我のため欠場。MF岡崎は左サイドハーフでスタメンとなった。
アウェーのシャルケは<4-4-2>。GKノイアー。DF内田篤人、ヘヴェデス、メツェルダー、シュミッツ。MFクルゲ、マティプ、ファルファン、フラド。FWラウール、ガフラノヴィッチ。オランダ代表のFWフンテラールは欠場。
■ クズマノヴィッチが決勝PK 試合は前半14分にシャルケのDF内田がドリブルで中央に切れ込んでシュート体勢に入るが、相手につぶされてボールを失うと、シュツットガルトのカウンター。素早くボールを回してゴール前で決定的なシュートを放つと、グラウンダーのシュートを倒れ込んでいたDFヘヴェデスが手で止めてしまって一発レッド。シュツットガルトにPKが与えられる。これをMFクズマノヴィッチが決めてホームのシュツットガルトが先制する。前半は1対0で終了。
後半開始からシャルケは、DF内田篤人、FWガフラノヴィッチ、MFフラドに代えて、DFパパドプロス、MFエドゥ、MFハオ・ジュミンを投入。ハーフタイムで一気に3人を交代させる。数的優位のシュツットガルトは後半になると、プレーが雑になってしまう。MF岡崎もコーナーキックのこぼれ球から2度、決定機をつかむが、相手DFに阻まれてしまう。
結局、試合はPKの1点を守ったシュツットガルトが1対0で勝利。勝ち点を「25」に伸ばして暫定で16位に浮上。一方のシャルケはここ3試合で2敗1分け。16位のシュツットガルトとの差は「5」となって、危ない立場になってきた。
■ シュツットガルトが逃げ切る前節のフランクフルト戦は、DFデルピエールが前半15分に退場し10人での戦いを強いられたシュツットガルトであるが、この試合は逆に前半14分に相手のセンターバック退場になって、数的優位な状況になった。これで得たPKを決めたときは、もっと楽に勝てるかと思われたが、時間が経つにつれてシュツットガルトは疲れが見え始めて、最後はヒヤヒヤの勝利となった。
本来であれば、もっと落ち着いて試合をコントロールしなければならないが、残留争いのプレッシャーなのか、最後はどちらが10人なのか分からないほどであり、結局、シャルケにも同じくらいのチャンスを作られてしまった。ただ、この時期なので、何よりも勝てたことが大きいだろう。
■ 内田は前半のみ注目の日本人対決は、DF内田が右サイドバック、MF岡崎が左サイドハーフでスタメンだったので、直接マッチアップする形となったが、MF岡崎が中央寄りにポジションを取ることが多かったため、あまり1対1になるシーンはなかった。一度、MF岡崎が左サイドでボールをもってドリブルで仕掛けて左足でシュートというシーンがあったが、直接マッチアップした中では、もっとも見どころのあるシーンだったといえる。
そのDF内田は前半の45分のみで交代となった。ハーフタイムに一気に3人も変えてしまうのは非常に珍しいが、マガト監督の意図はどういうものだったのだろうか。
まず、考えられるのが「コンディショニングの問題」であり、2日にドイツカップを戦っていて、さらに今度の水曜日には、チャンピオンズリーグのバレンシア戦が控えている。したがって、疲れの見える選手を温存したいと思うのは当然であり、大事をとったというのも十分に考えられる。ただ、この試合のDF内田はあまりパフォーマンスがよくなかったので、懲罰的な意味合いも完全には否定できない。ハーフタイムに一気に3人を代えるというのは「かなり珍しいこと」であり、監督がよほど頭に来ていないと、こういうことはしない。
DF内田の代わりに入ったのが中国代表のDFハオ・ジュミンで、そのままサイドバックに入ったが、運動量とスピードを駆使してチャンスを作っていた。現状では「これでDF内田のポジションが危うくなる。」というわけでもなく、チャンピオンズリーグのバレンシア戦のスタメンも確実と思われるが、レギュラーを奪取した後、ポジションを争うような選手はおらずほとんどフル出場だっただけに、今後、DFハオ・ジュミンとDF内田の争いはどうなるのか?ちょっと気になるところではある。
■ バレンシア戦昨シーズンはリーグ2位だったシャルケであるが、今シーズンは中位以下に低迷しており、来シーズンのCL出場権獲得も絶望的であり、厳しいシーズンになっている。マガト監督に対するサポーターの不満も高まっているということで、クラブ内はゴタゴタしているようである。
しかも、首位を独走しているのがライバルのドルトムントということで「サポーターの心情」も理解できるが、ただ、ドイツカップは決勝進出を果たし、チャンピオンズリーグもベスト16に入っていて、カップ戦では存在感を示している。特にチャンピオンズリーグで決勝トーナメントに進んだというのはシャルケにとっては快挙であり、その勝ち抜けが決まる試合が次の水曜日に待っているとなると、リーグ戦を軽視してしまうのは致し方ない。アウェーで1対1だったので、ホームで相手にゴールを許さなければ勝ち抜けが決まる。攻め込むバレンシアと、それを許さないというシャルケの構図で、いい試合になりそうである。
■ 岡崎は初ゴールはならず一方のMF岡崎はまたしても初ゴールはならなかった。この試合では、前半に左サイドでボールをもってDF内田と1対1になってから左足で放ったシュート、後半のミドルシュート、セットプレーからの2連続シュートと、合計4本のシュートを放ったが、特にコーナーキックの流れからのシュートは非常に惜しくて、DFに当たっていなければ・・・というシーンだった。
シュートまで持ち込めているので、あとは「少しの運」が必要になるが、ドイツに移ってからの岡崎は「運」には見放されており、「あと一歩」というシュートが多い。サイドハーフでのプレーなので、必ずしも「ゴールという結果」だけを求められているわけではなくて、おそらく、シュツットガルトのサポーターは「まだゴールがないこと。」に対しては、それほどの意識はないだろうが、やはり「1点」を獲ればチーム内での立場も良くなるはずなので、早くゴールを決めてほしいところである。
難しいのは、あまりいいパスが来ないことである。これまでの試合を思い出してみても、シュートまで持ち込んだのは、ほとんどがドリブルで仕掛けて放ったものであり、「スルーパスから裏に飛び出してシュート」という得意の形はほとんど見られない。ハンガリー代表のMFハイナルであれば、いいところに走っていればパスが出てくるように思うが、そういった形にはならない。チームメイトに信頼されていないという訳ではなくて、どちらかというと、チームメイトの技術的な問題の方が大きいが、ストレスのたまりやすい環境であることは間違いない。
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