キリンカップで来日するブルガリア代表とスコットランド代表のメンバーは、主力のいない、フルメンバーでないチームとなった。面白いことに、ブルガリア代表にはスティアン・ペトロフ、スコットランド代表にはマローニと、セルティックで中村俊輔と同じ中盤でプレーしている、おなじみの選手がいるのだが、彼らも、キリンカップで来日することはないようだ。
この件で、「フルメンバーの相手と戦えないことは、ジーコにとって誤算。」、「協会のマッチメークが・・・。」と言う声も聞こえてくるが、さすがに、日本サッカー協会は、ブルガリア代表とスコットランド代表をキリンカップの相手に選考した時点で、ベストメンバーが来日しないことは分かっていただろう。そもそも、同じセルティックの中村俊輔が日本代表のメンバーに入っていないのに、ペトロフやマローニが来日するわけはない。ワールドカップ直前の合宿で、ワールドカップに出場する国の代表チームが日本に親善試合のために来日するわけはないし、ワールドカップの出場権のないチームがこの時期にまともなメンバーで試合をしようという気にはならないので、マッチメークに関して文句をいうのはフェアではないだろう。ここは、相手は気にせずに、日本代表のメンバーの仕上がりとコンビネーションを確認する場とするべきだろう。中でも、当落線上といわれる、遠藤、阿部、玉田の3人に注目したい。
それは置いといて、ブルガリア代表というと、やっぱり、ストイチコフ。アメリカワールドカップでの活躍は、衝撃的だった。
この自己中の極みのような、ブルガリアの英雄は、試合を通してずっと、味方のミスに腹を立てて怒鳴りちらしているが、ここというときいきなりフルパワーになって、誰も追いつけないようなスピードでドリブル突破をして、最後は悪魔の左足を繰り出す。ストイチコフ率いるブルガリアは、アメリカ大会で4位になった。中でも、マテウスのいたドイツ代表を決勝トーナメントで破った試合の直接フリーキックは大会のハイライトとなった。(決勝ゴールはレチコフという頭の薄い選手の、ヘディングシュート。)
そのストイチコフが、現在のブルガリア代表の監督である。ブルガリアのサッカーが、あの時代のエッセンスを含んでいるのかどうかを観察するのは、明日のもうひとつの愉しみ方である。
- 関連記事
-